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読書備忘録:失敗は成功の母(ママァ)

会社で推薦されていた「失敗の科学」という本を読みました。個人・組織の両方の視点から
失敗を招くシステムとは何か?
失敗に向き合う方法、利用する方法などが
科学的、学問的に、また統計を有効に使って解説されていました。
自身の備忘録として書こうと思います。
前回同様に殆ど走り書きで推敲せずにやる所存。


・どれだけ能力があってもミスは起こす

状況によっては過集中や認識能力の低下が起こり、ミスを起こす。
本著では失敗が多く、またそこから学ぶことが出来ない業界として医療業界の例があげられ医療ミスの話が多く挙げられていた。
アメリカの医療ミスの多さやまた失敗に対する開示性の低さ(調査環境)が指摘されている。
医者ほど多くのものを学んできた能力の高い人間でこうなのだから普通、またそれ以下の人間であれば尚更失敗はするであろうし失敗は避けられない事象だと感じます。

・間違っていても自己正当化に陥る

一度信じた答えが間違っていたとしても、否定を出来ずにそのまま自己正当化に陥るパターンが有る。
自身の主張が何かしらのエビデンスにより
否定された場合も尚も主張を曲げない事への指摘。予言を外した新興宗教主へ信者が益々進行を深めた事例やその他多くの事例が紹介されていた。
人間がいかに自身の間違いを認められない構造をしていてストレスを抱える動物かがよくわかる。

・バイアス(偏見・思い込み)

頻繁に出ていた単語。
あらゆる失敗への誤認識の要因として使われていたが作中でも名前が出ていた哲学科のフランシス・ベーコンのイドラ(偶像)の概念の話が頭によぎる。
一度囚われた認識からは中々抜け出せない人間の不完全性よ。

・失敗を避難する文化は人を萎縮させる。

そのような文化はミスの隠蔽や、寧ろ厳しくすることにより失敗が増加するデータもあげられた。
ミスに対して明るく捉えるグループの方が結局ミスが少なくなる。
統計を取った実験も紹介されていたけど
そらそうよね、開放的な組織がよいよね。

・失敗から反省をし生まれたシステムが数多くある

本著では医療業界の反対として航空業界の話がよく挙げられる。
ブラックボックスの回収による正確な事実の把握
外部調査委員会の立ち上げ、感情論を抜きとした失敗の原因の追求、そしてそれで終わらない恒久対策の確立。
現在の航空システムの多くに過去の航空事故の反省から生まれたシステムがあり、失敗を失敗で終わらせない。

・失敗の活かし方

完璧なものを時間かけて一つ作ろうとするよりも
とにかく量を作ったほうが結果的に質の良いものが作れるというデータが紹介されていた。
(2グループで比較)
沢山作った方が要領がわかるようになり質が向上するという話。
またノズルメーカーが専門家によって完璧なノズルを作ろうとしたがうまく行かず、専門外のチームで数多くのノズルを作りその中からマシなグループをピックアップしより試行錯誤したものが
結局一番良かったという話もあった。
マインドセットの話にも通じるが失敗はして当然
寧ろ失敗を前提でトライ&エラーを重ねていく。
あらゆる失敗を想定した上で事前訓練を重ね
結果適応力を上昇させる話など
失敗する勇気へのリスペクトが大事だという事がよくわかる。

・失敗のマインドセット、失敗は成功の母

失敗をしてもう駄目だという思考よりも
失敗するのは当然のものとして捉え
次に活かそうとする方が良い。
当たり前のような結果であるけども
一度の失敗で自己否定するグループよりも
失敗はして当然というマインドセットを持った
グループの方が良い結果を実験もある。
ただそれは失敗から目を背けるのではなく
受け入れた上で次に活かそうという心意気。
失敗を受け入れるのは現実的にしんどいものであるけども、向き合う強さが必要。
失敗は「誰か個人の問題ではない」
「個人の振る舞いで問題を起こせる仕組みの問題である」
失敗から目を背けたくなるのは人間の性だけど、しっかり見て、時には利用するくらいが良い。

グレシャムの言葉、「ハイパーインフレーション」はいいぞ


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