マイルストーンの使い方
今回は、プロジェクトのマイルストーンの使い方について書きます。どのようにマイルストーンを使うか悩んでいる方に向けた記事です。
マイルストーンとは
前提知識としてマイルストーンの定義について確認しておきたいと思います。
PMBOKでは以下のように定義されています。
プロジェクト、プログラム、またはポートフォリオにおいて重要な意味をもつ時点やイベント。PMBOKガイド P.734
したがって、たとえばソフトウェアの稼働判定や納品などはマイルストーンと言えそうです。このマイルストーンをリスト上に並べたものがマイルストーンリスト、日付情報を付与して線表にしたものをマイルストーンチャートのように言います。
マイルストーンの使い方
マイルストーンは大きく3つのタイミングで使用できると考えます。
1.スケジュールの立案時
2.スケジュールの管理時
3.進捗状況の報告時
1.スケジュールの立案時
スケジュールを考える際、いきなり詳細から組み立てるのではなく、マイルストーンを起点に考えます。
まず、プロジェクト全体で考えたときに必要となるマイルストーンを洗い出します。その後、それらを時間軸に従って順番に並べます。
一番最後となるマイルストーンをいつにするか具体的な日付を決め、そこに間に合うように後ろのマイルストーンから日付を決めてゆきます。
これによってスケジュールの全体感が見えてきます。
あとはマイルストーンを達成するのに必要な作業を洗い出し、作業間の依存関係や要員(コスト)の観点などを考慮しながら微調整を繰り返すことでスケジュールを完成させます。
2.スケジュールの管理時
プロジェクトの進行中、マイルストーンを予定通り完了できるかどうかという観点でスケジュール管理に使えます。
マイルストーンはプロジェクトにおいて重要なイベントなのですから予定通り終わらないということは対策を考える必要があります。
たとえば、一部の作業タスクの進捗が悪くてもマイルストーンに影響がなければ問題にならないということが考えられます(現在遅れているが、マイルストーンには間に合いそうだから問題ない)。
3.進捗状況の報告時
ガントチャートなどを用いてスケジュールを報告することがあるかと思いますが、経営層など上層部にプロジェクトのスケジュールを説明する際にはマイルストーンチャートが使用できます。
上層部は全体のスケジュール感が最低限分ければ良く、詳細スケジュールまでの情報は必要ないことがほとんどです(求められたら説明したらいい)。
マイルストーンチャートを用いて最低限必要なイベントがいつなのか、全体のスケジュール感がどうなのかを報告することが最適です。
また、マイルストーンチャートはキックオフなどメンバとプロジェクトの概略を伝える際にも使用できます。ガントチャートについてはこちらで詳しく紹介しています。
マイルストーンの注意点
マイルストーンについて注意点をいくつかあげます。
1.必須/任意の明確化
実際の現場を見ているとマイルストーンを用いて管理していますが、必須なのか任意なのか不明なことが多いです。
たとえば、品質保証部の品質チェック完了というマイルストーンは必須ですが、PMOのプロジェクトレビュー完了というマイルストーンは任意だったりします。
第三者からみるとすべて必要なものと捉えてしまい、コミュニケーションロスが発生しますので注意が必要です。
2.マイルストーンのレベル感を統一
なんでもかんでもマイルストーン化して管理されていることがあります。特にマイルストーンを洗い出す際は顕著です。
これでは重要なマイルストーンの区別ができません。少なくとも大きく2つに区別する必要があります。
それはプロジェクト全体に必要なマイルストーンと1作業に対してのマイルストーンです。
これらはレベル感が違います。
前者はプロジェクトの全体感を会話するうえで必要なマイルストーンです。なのでプロジェクトに紐付きます。
後者は1作業を管理するえで必要なマイルストーンです。なので作業に紐づきます。
これらを区別、整理してマイルストーンを作成することが必要です。
3.所要期間はゼロ
マイルストーンは所要期間ゼロで考える方が管理しやすいです。
たとえば、”レビュー”というマイルストーンはレビュー中というように作業している時間を与えることができます。
これではマイルストーン自体の進捗管理が必要になってきますので話がおかしくなってきます。
このようなものはタスクにするべきで、マイルストーンにする場合は”レビュー完了”というように名称変更することが考えられます。
ちなみに私は”名称+ステータス(完了)”で統一するようにしています。
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いかがでしたでしょうか。
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