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企業再生メモランダム・第52回 ディープ・チェンジ 後編

「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、様々なテーマについて記載していきます。

「企業再生メモランダム・第51回 ディープ・チェンジ 前編」では、「ディープ・チェンジ」と題したメモの背景とメモの中身の一部について記載しました。

後編では、残りのメモの中身について、ご紹介したいと思います。

メモ「ディープ・チェンジ」の中身

11.自分の未来は自分で選択できる

12.生ける屍の群れに意識的に加わるのを避けるためには、自分がディープ・チェンジを遂げるしかない。組織のためにという以前に、自分自身のために

13.大きな問題にぶつかったとき、私たちは他人の欠点はすぐ目につく。そして、その欠点のせいで目の前の問題が起きたのだと考える。問題はすべて、上司や同僚や部下、配偶者や子どもや学校の先生など、自分以外の誰かのせい、というわけだ。

14.リーダーとして成功するためには、自分自身がたえず変わりつづけることが非常に重要だ。自己変革できるのは、その人が内面の成長を遂げ、自信がみなぎっている証しである。そういう人物でなければ、組織の変化は生み出せない。

15.現在の自己を捨てることができれば、道は開けるのだ。

16.新しい思考体系を築くためには、新しい行動に足を踏み出すしかない。大切なのは、現状維持に甘んじず、未知で不確実なものに勇気をもって向き合うことだ。その一歩が踏み出せれば、視点が変わり、自己が変わる。変容を遂げた人は、世界と調和がとれ、好ましい結果を手にし、自信がつく。

17.内面からわき出す自信がそなわっているリーダーは、他人に変化を要求する前に自分が手本を示す。単に指示する以上の力強いメッセージを届けられる。上っ面にとどまらないメッセージは、みんなにしっかり伝わり、驚くほど強烈な影響力をもたらす。そうやってメンバーの信頼を勝ち取り、メンバーが自信をもって行動できる勇気をもたらせるのだ。

18.新しい視点でまわりの状況を見つめ直すと、どういう行動をとるべきかがはっきり見えてくる。その行動をとれば、ときにはリスクに向き合うことになるかもしれないが、それはディープ・チェンジを遂げるために避けては通れない道だ。

19.望ましい結果を生み出せるかどうかは、自分の不誠実な側面をたえず点検し、誠実さを磨けるかどうかにかかっている

20.目先の効率と成果だけでなく、長い目で見た正しさと誠実さを大切にするためにも、逆説的に聞こえるかもしれないが、マネジャーは目の前の意思決定に作用する数多くの要素にもっと注意を払うことが重要だ。

21.ディープ・チェンジを遂げれば、利己主義的な発想は死滅する。代わりに、決まったことをやり抜くという意志と、周囲に目を向ける豊かな感受性が一体化し、それに導かれて行動するようになる。そこから新しい能力と無条件の自信も獲得し、ほかの人たちにも影響を及ぼしはじめる。真実に基づいて行動するので、まわりの世界との調和と活力も取り戻す。自分自身、そしてコミュニティに力を与えるビジョンも見いだす。

22.ビジョンを追求する人は、道を見いだしながら前に進む

23.正しいゴールを見いだして、それに向けて歩みはじめれば、目標達成のために必要な人と資源はおのずと集まってくるものです。

24.本当のビジョンとは、現在ある資源の範囲を越えた計画を生み出すものだ

25.ディープ・チェンジを遂げたいなら、組織文化の根底にあるイデオロギーの妥当性を検討し直さなければならない。そして、それがおこなわれるためには、誰かが勇気を奮い起こして、ほかの人が直視しようとしない問題を表面に引っ張り出さなくてはならない。すべては、誰かが強い意思と勇気をもつことから始まる。組織文化を変革する出発点、それは個人の変革だ。

26.ディープ・チェンジをするためには、戦略は妥協しても原理原則は絶対に妥協しない

27.自分が生き残ることではなく、ビジョンを実現することを目指して行動する。自分の掲げたビジョンが生きつづけ、実を結ぶためであれば、職を失ったり、屈辱を味わわされたり、人生を台無しにしてもかまわない。それほどビジョンを大切に思っている。

28.マネジャーが組織と自分を一体化させるのとは違い、変革型のリーダーは組織の限界や外部からの制約を理解したうえで、それを乗り越えようとする。

29.変革志向の思考体系を身につけた人は、組織に縛られず、自分の判断で行動し、恐怖心ではなく自らの意思で組織に愛着をいだいている。そんなリーダーが道徳観を打ち出し、みんなのために正しいと思う行動をとれば、メンバーもおのずとやる気がみなぎってくる。自分たちのリーダーは口先だけでなく、ビジョンを深く信じ、ビジョンどおりに行動し、ビジョンのためであれば失敗や失脚も覚悟しているとわかれば、メンバーも大きなリスクを背負って行動し、リーダーの指示に従おうとする。そして、組織変革が前に進む。

30.本当に力をもっているのは会社ではない。変革を目指すビジョナリーだ。

31.変革を突き動かすための最強の手段・・・とは、自分自身が変革の手本を示すこと。

32.勇気ある行動をとれるのは、自分の人生を賭けてもいいと思うほど組織を愛しているリーダーだけだ。

33.会社にとって好ましくないことが起きようとしているときこそ、毅然とした態度で戦うべきだ。

34.私たちは手ごわい問題に直面すると、自分にできることはなにもないと思いたがるが、ときにはシステムそのものに立ち向かわなくてはならない。そう、そのときこそ「やるっきゃない」のだ。

35.実験と内省と自己評価を通じて成長し、学習しなければ、エクセレンスには到達できない。また、成長を遂げるためには、その前に変化をしなければならない。大きなリスクを背負って行動し、自己の思考パターンや組織文化の一部を捨て去り、新しい自己と新しい組織文化を生み出す道を切り開かなくてはならないのだ。

36.まず目指すべきなのは新しい視点を見いだすこと。そして新しい視点に沿って行動し、自己や組織に対する認識を改めていく。組織も個人も、その過程で自分なりの地図が脳内に描かれてはじめて、エクセレンスに到達できる

37.組織とはたえず変化しつづける動的なものだということになる。また、リーダーはリスクを背負って行動し、学習し、変化を遂げなくてはならなくなる。さらには、不確実なものを受け入れ、信頼関係を土台に行動し、自分の信念に従って行動することも求められる。

38.リーダーが変革の痛みから逃げておいて、メンバーがつらい変革に乗り出すわけがない。

39.変革を成し遂げるリーダーは、日々の業務処理と未来の成長の両方を実現する。それができるリーダーの言葉には説得力がある。説得力があるビジョンは人々を鼓舞し、より高いレベルへと引き上げることができる。

40.一人の自発的な行動によって悪を正せるのだ

41.私たちは誰でも、ものごとの正邪を判断しなくてはならないときがあるが、そういうときには自分の内なる声に耳を澄ませ、その言葉に従って行動すべきだ。

42.私たちが手にする力は、自分が本気で望むもの以上でも以下でもない



本連載は事実を元にしたフィクションです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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