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企業再生メモランダム・第1回 はじめに

本連載は事実を元にしたフィクションです。2020年5月現在、私が関与している株式会社スーツや紹介する書籍など、一部についてのみ、事実が含まれています。
本連載は、企業再生という組織変革に立ち向かおうとしている後進の経営者やリーダーに向けて書かれたものです。


「企業再生メモランダム」

メモランダム(memorandum) ・・・ 覚書、備忘録、メモ

「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、会社経営に関することを中心に、仕事とは何か、組織とは何か、人の弱さ、人と組織が変わることの難しさ、そして、リーダーシップとは何かなど様々なテーマについて記載していきます。

メモは、当時、企業再生をしなければならなかった対象会社の幹部社員や若手スタッフなどに向けて書かれたものや、私が影響を受けた書籍に関する備忘録などで、計62枚に及んでいます。

本連載では、単なるメモの紹介だけではなく、このメモを作成した背景なども含め、私が20代の時に企業再生で学んだことや、企業再生の過程で考えたことを記載することで、同じような悩みを抱える人たちの一助になればと考えています。

また、本連載は、テーマごとに記載するのではなく、あえてメモを作成した順番としています。こうすることで、当時の若手ターンアラウンドマネージャー(企業再生請負人)であった私の視野の広がり・視座の高まりについても伝えたいと考えています。ごく普通の一人の若手スタッフがリーダーへと変容していく様子を記載することで、多くの人に、自分もリーダーへと変われるんだと自信を持ってもらいたいと思うと同時に、変わるきっかけに繋がればと思います。

別シリーズの「リーダーと考える経営の現場」第14回及び第15回の「リーダーシップの旅」で記載させていただきましたが、20代前半の私は、マネジメントにのみ長けた人間でした。そのような私が、過去に大臣を務めた経験のあるメンターの方から、組織の地位や権限など「パワー」は一切使わずに、リーダーシップだけで企業再生をするよう導かれて、リーダーシップを実践・体験していきました。

そのため、本連載を順に読み進めていただくことで、私が「マネージャー」から「リーダー」へとはっきりと思考の枠組みが変化していく姿が見て取れるのではないかと思います。

もちろん題材とした実際のメモには、対象会社が行っている事業にかかる具体的な改善方法などが記載されているわけですが、営業上の秘密の観点から、消去したり一般化したりするなど加筆・修正をさせていただいています。また、メモを作成した背景などは、様々な会社の企業再生に関わった中での私の経験を元にしたフィクションです。

当時、一緒になって苦労して企業再生を行った仲間の皆様には本当に感謝をしています。今の私があるのは皆様のおかげと言っても過言ではありません。

現在、私はこれらの企業再生の経験を活かし、「プロ経営者」として、株式会社スーツという時価総額100億円以下の中堅企業・中小企業・小規模事業者など中小企業等に対して経営支援をする、いわゆる経営コンサルティング会社を経営しています。

本連載執筆時現在、2020年春に突如として発生した新型コロナウイルス感染症によって、イベント関連、飲食業や観光業など多くの企業がビジネスモデルそのものの転換を余儀なくされ、今後、企業再生が必要となる状況が起きています。

このような状況下で、多くのリーダーたちに本連載を読んでもらって、何か少しでも「気づき」を得るきっかけとなって、現状を変えるきっかけになってもらえればと願っています。

今後、「企業再生メモランダム」では、皆様のご期待に沿えるような連載をしてまいりたいと思います。



本連載は事実を元にしたフィクションです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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