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事業を成長させる! お金と資本政策の基本

例えば、どこかのお金持ちに「立ち上げ資金は全部出すから、会社の社長やってみない?」と言われたら、どう答えるでしょうか。

そして「手続きとか面倒だから、こっちで会社の立ち上げは全部やっておくよ」なんて言われたら、どうでしょうか。

一見、甘い言葉ですし願ったり叶ったりなように聞こえますが、実は、これほど恐ろしいことはありません。

会社には株式というものがあり、株式こそが会社の価値です。

株式をたくさん持っている人に会社の方向性を決める決定権がありますし、努力が報われて会社や事業を上場、もしくは売却する時に、株式を持っていればいるだけ、大きな金額として返ってきます。

しかも、給料を何十年分あわせても、手の届かないような額が、株式の売却によって生まれるのです。

ところが、それを知っているどこかの悪どい資産家が「面倒なことはやる、最初のお金も自分が出す」という話で、すべての株式を自分のものにしてしまったらどうでしょう。

もしあなたが一生懸命頑張って事業を成長させたとしても、売却や上場の時に、まったくその利益を得られないことになってしまいます。

ある程度、会社の株式やお金について知っておかなければ、口八丁で最悪な条件を設定されてしまうことも多々あるのです。

また、資金調達をする時も、こうした株式の配分や金額、投資家の性質や性格、今後の資金調達や人材確保の予定などもすべて考えて進めなければ、気がついたら取り返しのつかないことになったりもします。

だからこそ、自分で起業し事業を作っていくのであれば、最低限、知っておいた方が良い知識というものがあるのです。

・資金調達の方法について知りたい
・事業を作っていきたいけど株式について全く知らない
・会社のお金について最低限しっておきたい
・資金調達をしたいので知識を増やしておきたい
・投資家やVCとの付き合い方について知りたい

上記についてお悩みの方におすすめです。

今回も、僕自身の実体験をもとに書いていきますので、より実践に近い内容をもとに、ぜひ資本政策について学んでみてください。

10-1 資本政策とは何か

ここでは、多くの人が苦手に感じているであろう資本政策についてお話ししていく。だが、本格的な資本政策については専門家に任せるべきだ。起業家や事業主は、事業の発展に全力を注ぐべきであり、次回の資金調達がどうで、自分の持っている株価がどうで、など余分なことに頭を抱えるよりは、ちゃんと信頼できる専門家や投資家に話をするべきだ。資本政策を考えられるくらいの規模になれば、それなりの仲間も出来ていく。

Yコンビネーター共同創業者のサム・アルトマン氏も資本政策への理解について「多くは不要」と明示している。「もし転換社債やら雇用契約やら株式やらに詳しい人がいても素晴らしいとは思わない。むしろ、多くの人が、その「型」ばかりをなぞろうとし始めるので、落とし穴にもなりうる」つまり、深く知る必要はないのだ。

起業する人は、ユーザーやユーザーの求めることの専門家であるべきで、資本政策における専門家になどなる必要がない。ただ、知らなければ、初期段階で思わぬ落とし穴や、詐欺のようなダークサイドに飲み込まれることもあるので、少しばかり知識が必要になってくる、ということだ。

なので、本書における資本政策編では、起業する人が知っておくべき最低限の知識について説明をしていく。余分なトラブルを回避するためだ。

まず、資本政策とはそもそも何なのだろうか。

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