【創作大賞2024応募作・恋愛小説部門】 きっとここにしかない喫茶店で(3)
第二話はこちらです。
第三話
部屋を出てから数秒間、ミカは立ち尽くしていた。全てがジェットコースターのようで、大切なものが頭から抜けてしまったような、逆に大切なものを胸に取り戻したような、そんな新しい感覚に呆然としてしまっていた。
「あのぉ、大丈夫ですかぁ?」
ミカの様子に気がついたのかマスターが声をかけてきてくれた。なぜか話し方が芝居がかっている。
「おつかれさまでした。その顔を見るに得るものがあったようですね」
「えっ、私の顔何か変わってますか?」
ミ