見出し画像

アスリートデュアルキャリアの実態


アスリートデュアルキャリアの働き方例

アスリートがどんな就業形態でアスリートキャリアとビジネスキャリアを両立しているか紹介。

  • 定時型
    一般的な会社員と同じく9:00-18:00など(会社の就業規則に明示された)の定時で働き、土日祝日は休み。勤務前後にトレーニングをすることで競技者としての能力を維持向上し、ビジネスマンとしても変わり映えなくキャリアを歩んでいくことができる。

  • スライド型
    午前や夕方のチーム練習などで固定の時間練習があり、一般的な定時で働いていてはそのトレーニングに間に合わないなどが理由で、早(遅)出勤、早(遅)あがりをしてトレーニングと仕事を両立している。

  • フルフレックス型
    定時という概念がなく、競技に向き合う時間以外で自分自身で折り合いをつけてビジネスキャリアとアスリートキャリアを両立している。この場合、トレーニングや試合がない日は長めに働き、練習や試合がある日は短めに働くということも調整可能。

  • フルフレックス時短型
    上記フルフレックスと働き方は変わらないが、月間の総労働時間を6-8割程度に抑えることで働くことができるアスリート。海外遠征や海外合宿を頻繁に行うアスリートなどはこのパターンでビジネスキャリアを育んでいくことも可能。

  • 時短型
    平日勤務、土日祝日は休みだが、労働時間が一般的な8時間程度よりも短い、5-7時間程度で働く。平日の夕方から夜にかけて競技に時間を割きたいアスリートはこの短時間で集中して、密度高く働くことで、他のフルタイム社員と比べても遜色なくキャリアを積むことができる。少しづつ企業もこの働き方の人へ責任ある仕事を任せられるようになってきている。

  • 短日数型
    勤務日数を少なくするものの、勤務日は他の社員と同様に働く。練習日や合宿日は徹底的に集中して競技に打ち込み、オフの日や試合後の休養日を活用して働く。勤務日が限られるため、企業もまだまだ責任ある仕事は任せづらいというのが率直なところではあるが、本人の仕事への姿勢如何では企業もその意を汲み取ってくれている。勤務日はコミュニケーション含めて活発な動きをすることで少ない日数でも会社メンバーとの関係を築き円滑にビジネスキャリアを歩める。


アスリートデュアルキャリアの実態

では一体アスリートデュアルキャリアとはどのように毎日を過ごしているのでしょうか?実例を一部紹介していきます。

  1. 陸上中距離選手の例(時短型)
    平日9:00-16:00(内1時間休憩)勤務
    一般的な会社員よりも早めに勤務を終えて、トレーニングを行うことで競技へ時間を十分にかけられている。

  2. 陸上投擲選手の例(時短型)
    練習内容や遠征に応じて月間で勤務時間を調整。月間勤務時間は一般的な会社員よりも短く、時短型に分類。フルフレックスのように完全に勤務時間を決められるわけではないが、融通が効く勤務体系。
    練習や遠征に合わせて、働く時間もコントロールが効くので、競技への時間という資源は大きな制約なく投じやすく、その点はストレスはない。

  3. フットサル選手(フレックス型)
    勤務時間は他の社員とは変わらないものの、夕方の練習に備えて早めに出勤し、早めに退勤する。他の社員と総労働時間は変わらないため、競技でステップアップするためには、競技へ費やすトレーニング時間を増やしたいとの意見も。

  4. スピードスケート選手(フルフレックス時短型)
    平日の練習時間を除いた4-5時間程度で実務を行う。海外遠征や海外合宿が多いことから、確保できる時間がまちまちであるがゆえにフルフレックスでなければ働くことが難しいタイプ(滞在国によっては日本の深夜に働くことになる)。資料作成などはPC一つで海外への移動中の機内でもできるがゆえに重宝する。デッドタイムになりがちな移動時間などを有効に活用するからデュアルキャリアが成り立つ。


デュアルキャリ(労働時間短縮型)アスリートの給与体系

気になりますよね、お金のこと。競技には意外とお金がかかるもの。栄養に気をつけた食事、より良質なトレーニングを行うための費用、身体のコンディショニングを整えるためのケアなど。タイプごとに紹介。

  • 他社員と同様
    労働時間は他のフルタイム社員よりも少ないが、競技に向き合う時間もアスリート社員の仕事の一つとして考える企業では他社員と同程度の給与を支払っている。
    一般の会社員と同程度の給与であるため、生活や競技にも苦労なくお金をかけられている。

  • 労働時間に応じた減額
    8時間労働が通常の会社の場合、例えば6時間の労働を行う社員へは6/8(=75%)の給与を支払っている。
    一般の会社員よりも給与が少ないため、生活での余計な出費を抑えながら競技にお金をかけている。会社とは別に所属チームから遠征費などが負担される場合には、このタイプでも大きな苦労なく競技に向き合える人が多い。

  • 労働時間に応じた減額+アスリート手当
    上記のパターン+会社から別途アスリート手当が年間or月間◯万円と決められて支給される。
    個人競技のアスリートでは会社とは別の所属チームがないことが多く、このタイプで収入を得て競技へお金かけられている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?