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CD Store たいへん記(2)Re‐Flex の1st(しかないけど)

 
 なんとしてもネットでなくお店で買いたいCDがあると、書いた。
 そのCDは下記の3枚。

『The Politic of dancing』  Re-Flex
 
『Icicle Works』  Icicle Works
 
『Heartland』  Real Life
 
 前回のこのシリーズの記事で、『Icicle Works』をなんとか手に入れたことをまとめた。解散後のソロ作から、なんとか細い糸を手繰ってこの1枚に辿り着いたのだ。
 その記事中、Icicle ~ は3枚中最も入手しやすいものだということを書いた。ドラマーのChris Sharrockが、最後期のOasisに加入し(前任のドラマーはZak Starkey)、その流れでBeady Eyeのメンバーになったからだ。トリオの1人が表舞台に顔を出しているのであれば、手がかりもそこそこあるというものだ。
 
 しかしRe‐Flexはそうはいかない。メンバーがその後、ほとんど消えているからだ。すごーく調べれば出てくるのでミュージシャンとして活動はしているようだが、まぁ鳴かず飛ばずの状態。
 84年発売という時期が悪く、CD化がむずかしい。売れたアーティスト、継続しているアーティストなら、87年のCD化の波が引き波になってそれまでの作品もCD化される。The PoliceやDire Straitsなど。そこまで売れなくても、Nick Lowe辺りのコアなファンを持つアーティストであれば、CD化が進む。
 しかしRe‐Flexはたった1枚で消滅したバンド。それもファーストシングル最高位24位。セカンドシングル83位(だったと思う)。とてもCD化を期待できる存在ではない。
 
 お店どころか、ネットでも見つけられない。ようやくネットで英国版が見つかったが、とても少ないプレス数だったみたいで希少品扱いで、価格が3万ほど。ネットで、さすがにそれは出せない。
 それでも諦めず、新宿や神保町、お茶の水などに行った際には必ず探した。洋楽の『R』のコーナーを。『New Wave』のコーナーを。
 
 なんともバカバカしい。レコードは持っているのだ。
 なんとしてもアナログを、ということで夢中になるのなら分かるが、アナログは持ってるけどデジタルを、というのは価値観の薄い行為だ。
 しかしもう意地になって探した。
 そしてようやく手に入れることができた。それも、1500円程度の、まともな価格で。

リフレックス5

 これがCD。2019年発売。もう買ってから何度聴いたことか。あらためて、聴き直したのだ。このアルバムはA面最後にシングルカットした曲が入っているので、A面B面の区分けがないCDで聴くと、またちがった味わいがある。
 最も好きなBelle and Sebastian や Pale Saints や The Smiths からすれば、ギターミュージックとは言えないかなりピコピコなのだが。でも愛聴盤だ。
 
 しかしこれが、2枚組とくる。
 前回のIcicle Worksといい、1枚しか世に広まったアルバムがないというのに、よく2枚組(しかもCD)を出せると思う。さすがにIcicle WorksとちがってRe‐Flexはベスト盤とはいかず、2枚目には未発表の曲やリミックスが入っている。ファーストシングルの「危ないダンシング」が12インチミックスと7インチミックス、セカンドシングルの「Hurt」に関しては2枚目に3バージョン入っている。《U.S.12’’ RUBBER DUB MIX》ってなんのこっちゃ。
 
 The Smithsの「Paint a Vulgar Picture」は大手レコード会社の売らんかな主義を揶揄した内容の曲だが、なんかその歌詞を思い出す。
 
 ♬再発売だ/ベスト盤だ/貴重盤だ/ジャケットを変えろ/パッケージを変えるんだ/ポスター付きダブルアルバム/それから特別に曲も増やして/あと安っぽいバッジのおまけをつけよう~♪
 
 まさに歌詞と買ったものがピッタリ。ぼくはいいように乗せられてたのだろうか。
 The Simthsのモリッシーはこの歌詞のあとに、♪両方買ってだまされた、と呟く。
 
 まぁでも、これくらいのことなら、これくらいの金額なら、だまされてもいいかもしれない。現在レコードプレイヤーはないし、カセットはなんだか伸び気味なので、だまされようともCDを購入するよりなかったのだ。
 
 とにかく、お店で入手したいCDは、あと1枚となった。

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書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。