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プレゼンの裏技。『引き付けてから、打つ』とは?

普段お笑い番組を見ていて、よくこう感じる。

『この人、引き付け方がうまいな』

例えばダチョウ倶楽部さんの『上島システム』。

ダチョウ

オチは見えている。

見えているどころの騒ぎではない。

誰もが想定しているオチを、なぜか心待ちにしている。

それでいて、前振りの過程でオチへの期待感や、『どうぞどうぞ』という言葉が出た瞬間の面白さは、雪だるま式に増大していく。

これが私が表現した、『引き付ける』という行為だ。


実はこの『引き付ける』という行為。
プレゼンテーションにおいても非常に重要度の高い裏技なのだ。

ここからはイメージの話だが、仮に言葉にエネルギーがあるとする。

エネルギーが大きければ相手を動かす力は強く、エネルギーが小さければ相手を動かす力は弱い、としよう。

例えば『ラーメン食べに行こうよ』というメッセージ。
このメッセージのエネルギーが10だとする。

なんと、

このエネルギーを、50、100と、自由に増加させることができるのだ。


『ラーメン食べ行こうよ』と友人を誘っている状況を想像してほしい。
次の2つの伝え方を比較してみよう。
AとBでは、どちらの方が、相手を動かす力が強いだろうか。

A:「あー、お腹空いた。ラーメン食べいこうよ。

B:「最近、びっくりするほど美味しいお店、どこか見つけた?
実はおれさ、見つけちゃったんだよねー。
食事して驚くって、なかなかないよね?
でしょ?
それを、見つけちゃったのよ。たまたま道を歩いていたらさ。
ただ、そのお店、ちょっとどころか、めちゃくちゃわかりづらい場所にあるの。お店に辿り着くまでの道のりから、もうイベントが始まってるわけ。
宝探し的な。
え?
何のお店なのかって?
それがね、麺なのよ。
麺。
ラーメン。
あ!そうだ、今から行っちゃう?
ラーメン食べ行こうよ。

比較したいのは、A、B共に最後に伝えている、『ラーメン食べ行こうよ』という言葉のエネルギーだ。

Bの方が、相手を動かす力が強いように感じる

言葉数の多い少ないは関係ない。

言葉が多くなればなるほど、何を言いたいのかよくわからなくなり、逆に重要なメッセージのエネルギーが低下するというケースの方が圧倒的に多い。

聞き手が、自らメッセージを聞きたくなるようになるまで、興味を引き付けてから大切なことを伝える

という部分が重要だ。

ビジネスシーンでは一般的に、結論ファースト(※結論は先に伝える)が基本とされる。

しかしこれは、効率性と引き換えに早期ネタバレを引き起こし、

・その先の話に対する、興味の喪失
・言葉のエネルギーの低下

といったマイナス面を生み出す。

そこで今回の裏技が登場する。

『引き付けてから、打つ』

この感覚は、野球のバッティングに近い(野球の例えでイメージが湧かない方、申し訳ない)。

野球でもよく、『引きつけて打て』と言われる。

これは、『自分が打ちやすい位置、もっとも力強く打てる位置で打て』ということだ。その方が、ボールの飛距離が出るからである。

言葉も全く同じ。

サラッと聞き流してしまいそうな言葉でも、ほんの少しだけ興味を引き付けて、タイミングを合わせるだけで、力強いエネルギーを纏うのだ。

プレゼンの機会がある方は是非、この裏技を思い出してほしい。

あなたがプレゼンで、聞き手の興味をわしづかみにする光景が、目に浮かぶようだ。


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