見出し画像

【テンプレート】テレワークにおける新入社員研修の運用と設計~研修の評価項目9選~

こんにちは!普段フリーランスで人事をしている「すごい人事(※)」情報局のゆいです!
年の瀬になると、そろそろ来年の新入社員研修を設計しないとな…という気持ちになりますね。採用担当と研修担当を兼任していると、春という季節を感じることなく気が付いたら5月になっています…。

とくにコロナ禍となってからは、オンラインでの研修を設計しなければならなくなり、限られた予算の中で新しい取り組みをどうしたら良いのかと悩まれた研修担当の方は多かったと思います。
怒涛の2020年・2021年を経て、オンライン研修の知見が増えたところで、あらためて入社する方がスムーズにスタートを切れる新入社員研修を設計するヒントをお伝えいたします。

※すごい人事…「採用トレンド」を理解し「アジャイルな(変化に対応できる)組織づくり」ができるVUCA時代の引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・新入社員の離職率を下げたい研修担当の方
・テレワーク新入社員研修になんとなく課題を感じる研修担当の方
・「いい人」が集まる組織をつくりたい経営者、人事担当の方
・組織エンゲージメントが高まる仕組みをつくりたい経営者、人事担当の方

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・テレワークでの研修の課題を可視化できる
・研修担当として新入社員との向き合い方がわかる
・ 従業員体験(EX)の質が向上し、組織活性化や優秀な人材の定着に役立つ

テレワークの新入社員研修ならではの課題

テレワークは新入社員に歓迎されている傾向があるようですが、テレワーク下で入社をした新卒1年目に対してのアンケートを見ると、本人たちもコミュニケーションに課題を感じているようです。

3位の「会社の全体像の見えなさ」も5位の「モチベーションの維持低下」もコミュニケーションに深く関わる課題なのではないでしょうか。

業務習得よりもコミュニケーションが上位にくるところから、雑談や個人的なコミュニケーションの不足を思わせる結果だとわかります。業務連絡に終始しがちなのかもしれません。

選考から入社まで(もしかしたら入社後も)一度も出社していない新入社員が出てきていると思います。出社したことがない社員の課題感について、情報が少ないがために会社側の理解も浅いと思います。

コミュニケーション不足を放置しておくと、新入社員と研修担当者(+受け入れ担当者)との関係値を作ることができず、課題が顕在化することがなく新入社員が突然辞めてしまう事態になりかねません

テレワーク下での新入社員研修は、今までより一層、一方方向ではなく双方向でコミュニケーションが取れる研修設計が必要となります。

新入社員研修設計の流れ

新入社員研修を設計する上で一番重要なことは、関係者を巻き込むことです。
各方面からのこのような意見を聞いたことはありませんか?

「また人事が教育押し付けてきたよ」
「今年の新入社員は全然育ってないじゃないか」
「何を教えてたの?」
「はやく現場に入れた方がいいんじゃない?研修意味ないよ」

かなり検討した上で設計していたとしても、経営者や受け入れ先が想像していた結果とズレてしまうと、新入社員にとっても人事にとっても不幸な結果となってしまいます。

人事視点だけではなく、経営や現場の視点を取り入れた上で研修を設計しておけば、全員が当事者意識を持って新入社員教育に取り組むことができます。

新入社員研修の設計の流れはおおよそ次の通りに進むと思います。

育成方針決め

積み上げ式で研修を設計してしまうと、「人事が勝手にやった」と言われてしまう要因となります。1年後、新入社員にどうなってもらいたいのかについて、経営者や現場マネージャーにヒアリングをし、可能であれば一緒にブレストをすることで、新入社員がスタートを切りやすい環境を作ります。

新入社員情報確認

採用面接時に適性検査を受けていれば、育成の視点で検査結果を見直します。もし無ければ全員と面談することをオススメします。力が発揮される場面、あまり得意ではないことなど、個人ごとで異なることもあれば、世代全体としての傾向もあると思います。
全体的な研修で伸ばすスキルと、個別で伸ばすスキルを整理することで、育成手段が異なるので言語化しておきたいです。

ゴールの言語化・共有

1年後のペルソナ(育成方針)と現状(新入社員情報)が把握できれば、新入社員研修を通して何が出来るようになっていれば良いのかについてのゴールを定めます。ゴールは行動ベースで決めると、効果検証がしやすいです。
言語化したゴールは、経営者・現場マネージャーだけではなく、直接新入社員を教えるOJT担当者にも共有します。そうすることで自分の感覚で指導するのではなく、ゴールイメージを持って指導することができます
私の場合は、全社員に伝えることで全員に育成する気持ちを持ってもらい、当事者である新入社員にも会社が求めるゴールを伝えていました。

手段検討

手段を検討するときに最初に考えてもらいたいことは、新入社員ジャーニーです。内定~入社~配属という流れの中で、少しずつ社会や企業について学んでいきますが、どのタイミングで何を覚えてどう感じるかについて念頭に置きます。そうすることで研修全体でまとまりが出来て腹落ち度が変わります。

研修の手段は様々あります。

OJT、OFF-JT、オンライン、オフライン、内製、外注…

伝えたい内容によって一番効果的な手段を選択していきます。
例えば、全体的に伸ばしたいスキルはOFF-JTで全体研修として実施し、個別で伸ばすスキルはOJTで都度フィードバックをしながら伸ばしていきます。

研修最終日に現場がすぐに受け入れやすい環境が作れていたら成功と言えると思います。

実施

研修当日は、恐らく人事が直接指導することは少なく、外部講師や社内講師が講義をしていくことが多くなります。本当はホッと一息付きたいところですが、新入社員は日々成長していきますので、こちらが伝えたかったことがきちんと伝わっているかのチェックが必要です。

行動ベースでゴール設定をし、次のような評価項目・手段で随時新入社員からフィードバックを得ておきたいです。

研修の効果測定は度々課題となりますが、定量的に測定が出来なくても定性的に測定することは出来ます。
研修が始まる際に、各所とゴールイメージを共有しておくことで、効果を共有しやすくなりますので、ぜひ実施してください。

キャリアコンサルタントならではの対話を入れた新入社員研修

私が新入社員研修に参加する際は、効果測定兼新入社員状況確認でキャリア面談をしていました。

● 全体研修の中で1年後の目標設定をしてキャリアプランを言語化する
● 会社のゴールイメージを共有する
● 毎月の目標に落とし込む
● 入社1ヵ月は週1回面談→2~3ヶ月は隔週面談→6ヶ月まで月1回面談
● 面談は本人が決めた目標を用いて実施する
● 面談時は体調やプライベートの話もしてモチベーションの確認をする

目標設定をすることで、自分自身で成長を感じることができモチベーションに繋がります。
入社後すぐは定性的な目標が大半のため、自分だけで成長できているか判断することは難しいので、対話を通して新入社員が自身を振り返る補助をします

また、アンケートのような一方的に聞き答えてもらうツールだけでは確認ができないエモーショナルな部分は、対話によって定点観測することができます

OJT担当や現場マネージャーが傾聴スキルがあればより厚いフォローが出来ますので、育成に関わる方には事前に傾聴について学んでもらえることが理想です。

まとめ

テレワークによってコミュニケーション不足という課題が顕著となりましたが、テレワークであろうとなかろうとコミュニケーションを取ることは重要です。

コミュニケーションを取るためには対話が必要ですが、育成に関わる人全員が新入社員と密に対話することは難しいと思いますので、誰か一人でも対話する担当を決めておくと良いでしょう。
ただし、オンライン下では対話の難易度がオフラインよりも上がっています。事前にオンラインでの傾聴方法を学んでおきたいことを思うと、研修担当が対話担当を担えると良いですね。

新入社員だけでなく関わる人も事前に学んでおきたいと理解できても、具体的にどのように学べば良いかわからない!という方はぜひお問い合わせください!現役キャリアコンサルタントがサポートいたします。

それでは、次回もお楽しみに!

ライター:西田ゆい
名古屋の老舗企業とベンチャー企業で人事を経験後、独立してフリーランスの人事になる。現在は5~6社に入り、採用・労務・組織開発など幅広い業務を担当している。「誰もが楽しく働ける社会へ」を個人ミッションとして日々邁進中。

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe
Crepeでは、ESG観点からみた人的資本における企業価値向上支援を行っています。具体的には、採用CX(候補者体験)向上ための採用戦略コンサルティング、採用ストーリーブック制作、研修トレーニング、EX(従業員体験)向上のための組織コンサルティング、エンゲージメント向上 HRtech「ミライチズ」などを通して、より良い個人と企業の関係の質向上支援を行っています。
◆お問合わせはこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?