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本当はこれが理由だった?選考辞退の本音とは ~面接から内定承諾までの魅力づけのポイント~

こんにちは!「すごい人事(※)」情報局のsayuです。
日々、会社・社員のために新卒採用に尽力されている新卒採用担当の皆さまのお役に立ちたいと思い、10年以上の学生支援経験から、学生さん達が考えるリアルな選考辞退の理由や内定承諾を迷う理由をお伝えいたします。また、面接実施時や選考期間中、内定承諾までの期間に行える企業の魅力づけ方法や自社にとって魅力ある学生さんの辞退を防ぐためのヒントもお伝えしたいと思います。

過去の記事「【最新版】タイパ就活時代が到来!?24卒採用の総括と25卒採用に見られる変化とは?」と「タイパ就活時代が到来!Z世代の学生が企業に求めていることやZ世代に届けるべき情報とは?」にリンクしている内容となっておりますので、併せて読んでいただけますと幸いです。

「※すごい人事…「採用トレンド」を理解し「アジャイルな(変化に対応できる)組織づくり」ができるVUCA時代の引っ張りだこ人事!

【このシリーズを読んでほしい人!】
・新卒採用選考中の辞退者を減らしたい人事さん
・新卒採用面接で魅力づけに力を入れたい人事さん
・新卒採用における内定承諾率に苦戦している人事さん

【このシリーズを読むことでのベネフィット】
・学生さんたちを理解することで選考・内定辞退者を減らすヒントを得られる
・新卒採用面接でどのように企業の魅力を伝えれば良いか分かる
・魅力づけを工夫する方法が分かり、内定承諾率を上げることが期待できる


選考中や内定承諾時における学生さんのリアルな声

自社にとって良い人材を採用するために試行錯誤を繰り返し、改善を行っている中で、学生さんが選考を辞退したり、内定承諾を迷われたりした際、なぜ辞退したのか、なぜ迷われているのか明確な理由が分からなかったという経験はありませんか?

辞退理由が分かれば改善方法が見えてくると思いますが、理由を聞いても正直に答えてくれる学生さんばかりではない為、どのように魅力づけを行い、どのように辞退を防げば良いか悩んでいる新卒採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

選考を辞退する理由

学生さんに選考辞退理由を尋ねた際、「他社から内定をもらったから」「進路を変更したから」「一身上の都合により」と言われたことはありませんか?しかし、果たして本当なのかと疑問に思った新卒採用担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、これらの理由が本当である学生さんもいらっしゃいますが、学生支援をする中で見えてきた、実際には企業さんに伝えていない理由を大きく2点に絞り、実際の学生さんの声をお伝えします。


辞退理由①「企業への不信感」
<要因>
・選考内容の詳細が公表されない
・期日を過ぎてからの合否通知やメールの誤送信
・土日・夜間のメール送信


学生さんが選考を辞退する理由の1つ目は「企業への不信感」です。では、どんな時に学生さんは企業に不信感を持ってしまうのでしょうか。

その要因の1つが「選考内容の詳細が公表されない」という事です。実際に選考案内メールに「面接」としか記載がなく、集団面接なのか個人面接なのかも分からないという事があります。また、面接の開始時間は記載されているが、何分なのか、終了時間が何時頃なのかの記載がない場合もあります。筆記試験や適性検査も含め、選考に関する案内が不十分であると「なぜ詳細を教えてくれないのか」と疑問を抱く学生さんもいます。

2つ目の要因は「期日を過ぎてからの合否通知やメールの誤送信」です。新卒採用担当の皆さまも人間ですので、間違えたりミスしたりすることはあると思います。ただ、些細なことであっても学生さんにとっては「1週間以内に合否連絡が来るはずなのに来ない」と約束を守らない企業という印象を受けたり、明らかに自分宛ではない内容のメールが届いたことにより企業に疑念を抱いたりすることもあるようです。

3つ目の要因は「土日・夜間のメール送信」です。これは、私自身も学生さんに言われて初めて気付かされたことです。私も新卒採用経験があるので分かるのですが、新卒採用担当の皆さまは学生さんがメールを確認しやすい時間帯を考えて送信、あるいは送信予約をしていると思います。しかし、学生さんは「勤務時間外にメールを送ってきたということは、残業が多い企業なのではないか」、「募集要項には完全週休2日と書いてあるのに、土日出勤をしているからブラック企業なのではないか」と捉える場合があるのです。これは驚きですよね。

このように企業に不信感を抱いてしまうと、このあと解説する魅力づけをいくら頑張ってもマイナスな印象を払拭できなくなる恐れがあるため、情報発信前やメール送信前のダブルチェックをするなど、誠意をもった対応ができるように体制を見直しましょう。


辞退理由②「志望度の低下」
<要因>
・会社のことや仕事内容について説明会以降のフォローが少ない
・面接官以外の社員との接点が少ない
・面接官の態度や対応が好印象ではない


学生さんが選考を辞退する2つ目の理由は「志望度の低下」です。なぜ興味を持って選考を受けてくれた学生さんたちが、選考を進めていくうちに志望度が下がってしまうのでしょうか。先ほどお伝えした「企業への不信感」が志望度低下に繋がることもありますが、その他に志望度が低下してしまう理由についてお伝えしたいと思います。

その要因の1つが「会社のことや仕事内容について説明会以降のフォローが少ない」という事です。実際に学生さんから「30分程度の説明会で聞いた内容とHPやナビサイトに記載されていること以外の情報がない」や「説明会でも面接でも質疑応答の時間がなかった」という声を聞きます。会社について理解を深める方法がなく、他社と比較して志望度が下がってしまうことがあるようです。

2つ目の要因は「面接官以外の社員との接点が少ない」という事です。コロナ禍でオンライン面接や動画面接が増え、会社に足を運ぶことが減り、選考期間中に面接官以外の社員と接する機会が少ないことから、「働くイメージが湧かない」という声をよく聞きます。また、OBOG訪問や社員訪問を依頼しても受け付けてもらえず、接点が持てないことから志望度が上がらなかったケースもありました。

3つ目の要因は「面接官の態度や対応が好印象ではない」という事です。実は、志望度が低下する要因として1番多く聞く声です。「オンライン面接中に面接官が飲み物を飲んでいた」という声から、「上の空でちゃんと話を聞いてくれなかった」、「一生懸命に伝えているのにリアクションが薄く興味を持ってくれなかった」、「面接官が話してばかりで自分の話をする時間が少なかった」という声まで様々です。一生懸命に話しているのに、相手が真剣に話を聞いてくれなかったら、学生さんに限らず誰だって悲しいですよね。そして、中には「面接官の身だしなみがだらしなかった」という声までありました。

このように、接点の少なさや面接官の印象などが要因で志望度が低下し、選考辞退に繋がることは避けたいですよね。面接等での印象を改善しつつ、面接時や選考期間中にどのような発信や対応を行えば、辞退を防ぐことができるのかについて、後半部分でお伝えしていきます。

内定承諾を迷う理由

多くの時間や労力を使い、魅力ある学生さんに内定を出しても、承諾を迷われたり、辞退されたりすることは、新卒採用担当の皆さまにとって辛いことですよね。では、学生さんたちはどんな理由で内定承諾を迷っているのでしょうか。上記、選考期間中の不安や疑念の積み重ねが内定承諾のタイミングにも影響を与えていると言っても過言ではないですが、それ以外の理由もいくつかありますので、3点に絞ってお伝えしたいと思います。


内定承諾を迷う理由
①「配属先や勤務地等の不透明さ」
②「社員や同期との相性」
③「周囲からの反対」


学生さんが内定承諾を迷う理由の1つは「配属先や勤務地等の不透明さ」です。学生さんから「複数ある配属先や勤務地が入社後でないと分からない」や「募集要項に給与や休日、社会保険などの詳細が書かれていない」という理由で、内定を承諾するか迷っているという相談を受けることがあります。「入社してからでないと分からない」ということは、学生さんにとって不安であり最終的に内定承諾を迷う理由にもなっています。

2つ目の理由は「社員や同期との相性」です。こちらは、選考中に面接官以外との接点が少ない場合に多くみられる理由で、「内定してから初めて会社に行ったら、イメージしていた雰囲気と違った」、「内定者懇親会で初めて他の内定者に会ったら、明らかに自分とタイプが違う人たちだった」などです。最後にこのような理由で迷いが生じることは、企業さんにとっても学生さんにとっても避けたいところですよね。

3つ目の理由は「周囲からの反対」です。内定をもらってから親に伝えたら「知らない企業だから」や「その仕事は大変だから」という理由で反対されて迷っているという声を聞きます。また、「有名な企業ではない」や「もっと良い企業がある」という理由で大学教員や職員から反対されたという相談も受けたことがあります。本人は行きたいと思っているのに、周囲からの反対で内定承諾を迷うことは残念でなりません。

新卒採用選考時にできる魅力づけ

では、選考辞退や内定辞退をどのように防げばよいのでしょうか。どのように自社の魅力を伝えれば良いのか、他社との差別化をどのように行えばよいのか、新卒採用選考時にできる企業の魅力づけ方法のヒントをお伝えいたします。

面接実施時の魅力づけ

まずは、面接実施時にどのように魅力づけを行うかです。面接は企業側が学生さんを見極めるタイミングでありますが、少し工夫するだけで、魅力づけを行うことができるのです。


【面接実施時にできる方法】
・面接官による魅力発信
・対面での面接実施
・待機時間でのフォロー


1つ目は「面接官による魅力発信」です。面接官の態度が選考辞退等に影響することを上記でお伝えしました。それであれば、面接官の魅力を高めれば、良い影響を与えることができます。新卒採用担当の皆さまはセミナーや研修を通して面接力を高めていらっしゃると思いますが、役員の方や他部署の社員の方が面接官を担当される場合、面接官としての研修や勉強を行えていなかったり、研修や勉強を行う時間がなかったりすると思います。

その為、新卒採用担当の皆さまから、「面接に取り組む際の姿勢と態度」これだけで良いので面接官の方々にしっかりお伝えし、会社として統一化を図ってみてください!面接官の役割の重要性をしっかり理解し、全員で実践することで、面接時にしっかりと魅力を伝えられると思います。すでに実施されている企業さんも多いと思いますが、まだ実施されていない企業さんは、ぜひやってみてください!

2つ目は「対面での面接実施」です。マンパワーグループさんのアンケート調査を見てみると、選考が進むにつれて「対面での実施が良かった」と感じる学生さんが増えていることが分かります。

マンパワーグループ「新卒就活時に感じたオンライン・対面の状況」

タイパ就活時代が来ているものの、やはり対面でじっくり学生さんのお話を聞くことは重要だと思います。対面で面接を実施することで、画面上では分からない会社の雰囲気を感じてもらい、社員との接点を増やすことができ、会社への理解が深まり、志望度を上げることにも繋がります。コロナ禍で動画面接やオンライン面接を増やした企業さんは、改めて対面での実施について検討してみてはいかがでしょうか。

3つ目は「待機時間でのフォロー」です。特に対面で実施する際にできる方法で、私が採用担当者だった頃に実践して効果があった方法でもあります。

例えば、学生さんが面接を待っている時間に「緊張を解くために声をかける」「会社や仕事、選考に関する質問に答える」「ホワイトボードやスクリーンに面接の手順や注意事項、今後の選考の流れを記載する」「音楽を流す」などです。

過度なフォローをする必要はないですが、面接に来てくれた学生さんへの対応を工夫することで「学生を大切にする会社=社員を大切にする会社」という印象を持ってもらうことができ、選考辞退を減らすことや志望度を高めることが期待できます。新卒採用担当者の皆さまの負担にならない程度に、できるところから始めてみることをおすすめします。

選考期間中の魅力づけ

次に、選考期間中にできる魅力づけです。説明会から面接までの期間や面接と面接の間などにできる、そしてできるだけ、新卒採用担当の皆さまの負担にならない方法をお伝えします。


【選考期間中にできる方法】
・社員との接点をつくる
・合格通知時のフィードバック
・モチベーションアップ動画


1つ目は「社員との接点をつくる」です。月1回程度でも良いので、定期的に座談会や会社見学会の開催を検討してみてはいかがでしょうか。

「ザイオンス効果」という言葉をご存じでしょうか?「人はたくさん見たり触れたりすることでだんだんと好感を抱いていく」というものです。選考期間中にたくさんの社員さんと出会ってもらい、会社についてたくさん知ってもらうことで、会社への魅力を感じてくれる学生さんを増やすことが期待できます。月1程度、定期的に開催することが難しい場合は、3つ目に紹介する方法を検討してみてください。

2つ目は「合格通知時のフィードバック」です。これを学生さん一人ひとりに行うことは大変だと思いますので、特に評価の高い学生さんや魅力的だが志望度が低い学生さんなどに絞り、合格通知時に「評価点」「今後のアドバイス」を伝えてみてください。メールに記載しても良いですが、電話などで直接お伝えしたほうが効果的だと思います。しっかりと自分を見てくれたと感じることで、人の温かさや人を大切にする社風を学生さんが感じてくれるはずです。

3つ目は「モチベーションアップ動画」です。過去の記事でSNSでの動画活用についてお伝えしましたが、今回は、選考案内メールに添付する選考に通過した人しか観ることができない「特別感」を演出する動画の活用方法です。

動画を作成するにあたり大切なことは、給与や休日、給与などの「働き方の魅力」ではなく、社員一人ひとりが感じている「仕事への誇り」「仕事に対する熱い想い」などを集約した動画を3~5分程度の短い動画にすることです。「どんな想いを持った仲間と働いているか」というテーマで作成してみるのも効果的かもしれません。人は想いに共感するため、仕事内容や給与、福利厚生などからは得られない特別な魅力を伝えてみてはいかがでしょうか。

内定承諾までの魅力づけ

最後は、内定を出してから内定承諾までにできる魅力づけです。多大なる時間と労力をかけ内定を出した学生さんに、入社して活躍してもらうために、最後までしっかり魅力を伝えるための方法をお伝えします。そして、コロナ禍を経た今だからこそ効果的な方法もあります。


【内定承諾までにできる方法】
・内定者同士や社員との交流会
・保護者への情報発信
・学校訪問


1つ目は「内定者同士や社員との交流会」です。すでに実施されている企業さんもいらっしゃると思いますが、コロナ禍がきっかけで実施を取りやめた企業さん、チャットツールなど非対面での実施に変更した企業さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

学生支援をする中で、学生さんから「内定式と入社式以外で同期に会う機会がない」「内定式もオンラインだったため、社員の方と直接話す機会がほしい」という声を聞くことがあります。上記「内定承諾を迷う理由」に記載した「配属先や勤務地等の不透明さ」を解消するためにも、リアルに交流会できる場で、お互いを知る時間や質疑応答の時間などを改めて設けてみてはいかがでしょうか。

2つ目は「保護者への情報発信」です。学生支援をする中で、保護者の意見が強く作用することが増えてきたように感じています。学生さん自身が保護者の方々に対して、内定した企業さんについて魅力などをお伝えいただくことが理想ではありますが、様々な家庭環境があるため、学生さん全員ができるとは限りません。そのため、企業さん側から保護者の方々宛にメッセージや情報を発信し、入社することに対して安心感をご提供することも魅力発信に繋がると思います。

私が個人的に繋がりのある中小企業さんが、保護者の方々にも安心してもらえるよう保護者向け説明会を開催したところ、「例年より内定辞退者が減少した」と効果を実感されていました。最近では「オヤカク」という言葉もあり、今後、保護者への魅力発信が重要な鍵となりそうです。「保護者用会社説明動画」や「保護者用説明会の実施」など、保護者の方々との接点を作ってみてはいかがでしょうか。

3つ目は「学校訪問」です。こちらは、コロナ禍で自粛された企業さんもいらっしゃるかもしれません。教授や職員の方々が、全学生さんの内定企業について把握することは難しいため、内定者のご報告と併せて、会社の魅力をお伝えしてみてはいかがでしょうか。

訪問が難しい場合は、オンライン訪問やお手紙などでも構わないと思います。実は、コロナ禍以降、企業さんとの接点が少なくなっていることを嘆いていらっしゃる大学さんもいらっしゃいます。教授や職員の方々に会社の魅力を伝えることができれば、学内合同企業説明会への参加や魅力的な学生さんの紹介にも繋がるかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?学生さんたちのリアルな声や学生さんへの魅力づけについてお伝えいたしましたが、少しでも新卒採用担当の皆さまにとって有益な情報をお届けできていたら嬉しいです。

コロナ禍を経験した今だからこそ効果的な方法もお伝えしましたが、タイパ就活時代にオンラインで実施するメリットも大きいため、今後は対面とオンラインを上手に使うことが重要になると思います。そこで、コロナ禍の内定者フォローをまとめた過去の記事「【22卒最新版】オンライン採用における内定者フォローのトレンドまとめ」もぜひ参考にしてみてください!

また、今回お伝えしたこと以外にも「採用ストーリーブック(採用ピッチ資料)」や「オファーレター」など大変有効な手段があり、Crepe社では今まで3500枚以上の会社説明資料を作成してきました。力を貸して欲しい!といった場合はお気軽にお問合せください。採用ストーリーブックについてまとめた記事「【採用ストーリーブック】オンラインで印象に残る採用体験づくり〜前編〜」もぜひ参考にしてみてください!

最後に、Crepeの「すごい人事パートナー」には、キャリアコンサルタント資格保持者で人事経験者が多数在籍しております。新卒採用の計画立案や、応募者集め、選考遷移率などにお悩みの際は、まずお気軽にご相談ください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

ライター:sayu
新卒・中途採用約3年、学生のキャリア支援を約8年経験した後、現在はフリーランス人事として活動しながら、学生のキャリア支援も行っています。企業側と学生側の両視点から新卒採用に関わる情報発信をしていきます!

「すごい人事」情報局運営元:株式会社Crepe
Crepeでは、「人事が変われば、組織が変わる」というコンセプトのもと、
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