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恐怖に打ち勝つために「あえて」逃げないことも大事

逃げるは恥ではないが、時に逃げない方がよかったりする、という話です。

結論

  • 恐怖を感じるような経験をしてしまうと、その経験を脳内で反すうしてしまうことがある

  • その反すうを続けることによって、恐怖は増大していく

  • その反すうを止めるためにその経験を再度向き合うことによって、「案外いけるかも」と思えるようになる(こともある)

過去の回想

突然ですが、皆さんは怖いものはありますか?

私はあります。
特に怖いものに「飛行機に乗ること」があります。

それまでは年に1度は飛行機に乗っており、国内だけでなく、国外のフライトでも全く問題なく過ごすことができました。

飛行機に乗ることが怖くなったのは、大阪から東京に向かう飛行機がきっかけでした。
なにが起きたかというと、過去経験したことがないほど飛行機が揺れたのです。少しガタガタするくらいであれば大丈夫なのですが、その時は縦に大きく落ちる感じの揺れが続き、望まず絶叫系のアトラクションに数十分乗らされ続けたような状態になったのです。(絶叫系が苦手な皆さんは、私の恐怖をよくご理解いただけるのではないかと思っています・・・!)

私はとにかく絶叫系が苦手なので、その数十分間は言葉にできないほどつらい時間でした。
動悸は止まらず、頭痛もひどくなり、恐怖で頭がいっぱいになり「これは本当に死ぬかもしれない」とパニックで押しつぶされそうに。

無事地上に降り立った後も、1時間ほどベンチで動けず。
その経験をしてから、とにかく飛行機に乗ることが怖くなりました。
(なんなら、飛行機関連のテレビ番組を見ることも苦痛でした)

またその日から数週間は、ことあるごとにその時の経験を反すうしていました。(その当時は自覚していなかったのですが、1日1度は恐怖経験のことを考えていたように思います。)

恐怖経験を反すうするたびに、恐怖は増していき、
「もう一生飛行機なんて乗れないな」と考えるまでになっていました。

恐怖を乗りこえるためにやったこと

恐怖経験を「分解」する

仕事でも飛行機は使いますし、プライベートでも旅行の予定を控えていたため、どうしても飛行機に乗れるようのならねばならない!という意志があったため、恐怖経験を乗り越えるための方法を考え始めました。

何事も、問題の核を把握することで解決に近づくことを経験則として理解しているため、まずは「問題の分解」から実施しました。

問題の分解をしてみる際も、もちろん不快ではあったのですが「これをやらねば絶対に乗り越えない」という感覚があったので、休み休み続けていきました。

そこで見えてきたことが、揺れによる恐怖はあったものの、一番恐怖が高まったポイントは「飛行機の揺れによる酔い」を感じ始めたところでした。

・揺れがひどいので立てない
・そのため、お手洗いに行けない
・ただ、酔いによっての気分の悪さは加速している
→最悪、周りに人に迷惑をかけるかもしれない、という心理的負担が恐怖を加速させたことに気づいたのです。

この気づきは自分にとって大きく、「揺れがあっても、酔わなければ乗り越えられるかも」というわずかな希望が見えてきたのです。

恐怖に「準備した上で」向き合う

かなり有効そうな仮説を見つけたので、その日のうちに翌土曜日の便の飛行機を予約しました。

というのも、この恐怖に乗り越えるためには、
今の歪み切った解釈を、現実(事実)によって叩き直す必要があると考えたためです。

とはいえ、いきなりハードなフライトだときついと思ったので、以下の条件があるフライトを予約しました。

  • 搭乗時間は50分ほど

  • 昼のフライト

    • 外の景色が見えるため、落ち着けると想定

  • パートナーと一緒に搭乗

  • 通路側の席を予約

    • すぐにお手洗いに行ける、という状況が自分にとって安心材料になると想定

そして、酔い対策のために以下を実施しました。

  • フライト前に酔い止めを服用

  • 体を落ち着けるための糖分を用意

    • 飴、チョコレート

  • 水分を十分に用意

実際どうなったか

飛行機搭乗前はやはり恐怖心が強く、「やっぱやめようかな」と100回では足りないほど考えていました。

ただ、ここで現実に直視せねば脳内で恐怖は増大していくばかりだと思い、
気持ちを落ち着けて飛行機に乗り込みました。

搭乗者が全員揃い、ドアが閉まった際に絶望はピークに達したのですが、
酔い止めを飲んでいたことで「まあ酔わないっしょ」と楽観的になれ、絶望を乗り越えることができました。

その後、飛行機が揺れることはあったものの、
当時はまっていたゲーム(数独)に無理やり集中したことによって、揺れを感じる気持ちを緩和でき、パニックになることなくフライトを終えることができました。

その1度の成功経験によって、「案外飛行機に乗れるかも」という価値観を自身に植え付けることができ、その後も(もちろん怖いのですが)飛行機に乗れるようになりました。

まとめ

  • 恐怖は、脳内で反すうすることによって増大していく

  • 恐怖を解決するためには、恐怖を切り分け「核」を見つけることが重要

  • その「核」を見つけたら、対策を講じた上で恐怖に向き合うことで、克服できる可能性が上がる

  • 一度恐怖を乗り越えることができれば、成功体験として再度恐怖に遭遇した際の対応できる可能性が上がる

もちろん、死ぬほど怖いことからは逃げることもアプローチとして大いにありだと思うのですが、あえて向き合うことによって解決する方法もあるよ、というお話でした。

この話が恐怖を抱えるどなたかに参考になればうれしいです。
恐怖によって行動が制限されてしまっている人が、少しでも減ることを祈ります。

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