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Meta広告の基礎知識

1.Facebook・Instagramのメディア動向

Facebook・Instagramの利用者数

Meta社が運営するFacebook・Instagramは多くの方が知っている有名なSNSです。

日本国内では、Facebookが約2,600万人、Instagramが約6,600万人の月間利用者数を誇ります。

▼日本の主要SNSの利用者数ランキング
1位:LINE 9,500万人
2位:YouTube 7,120万人
3位:X(旧Twitter) 6,658万人
4位:Instagram 6,600万人
5位:Facebook 2,600万人
6位:LinkedIn 400万人
7位:YOUTRUST 20万人

筆者調べ 2024年 SNS利用者数 ランキング

Facebookのユーザー属性

総務省の2023年の調査では10代~60代の男性利用率は31.6%、女性利用率は28.2%です。年齢層をみると、30代の利用率が46.5%と最も高くなっています。

Glad cube【2024年5月版】主要 SNS のユーザー層を比較/年齢層・特徴を徹底解説 Facebookユーザー層

全世代でFacebook利用率が落ちているのは気になるポイント

また同調査資料の第5章には各SNS利用率について興味深い記載がありました。

「Facebook」の利用率は、全年代で減少。 「Instagram」の利用率は、全年代で一貫して増加しており、「LINE」に次ぐ利用率。

○ 全年代では、「LINE」の利用率は一貫して増加し、90%を超過。年代別でも、10代から50代で90%を超過。

○ 動画共有系では「YouTube」の利用率が高く、10代から30代で90%を超過。「TikTok」は10代で60%を超過。

総務省情報通信政策研究所 令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書

このあたりはメディアの栄枯盛衰の激しさが顕著に表れているように思います。特に10・20代においては他SNSと比較して利用率が低い状況です。

総務省情報通信政策研究所 令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書 P12

私が働く会社は毎年新卒が3桁規模で入社しており、SNS利用について彼らに質問する機会がちょくちょくありますが、Facebookアカウントをそもそも作っていない20代が多い印象で、総務省の調査データは実感値とズレがないです。

Instagramのユーザー属性

Glad cubeさんの記事での紹介されていますが、Instagramの国内ユーザー数は2019年の3,300万人から倍以上に増え、現在は6,600万人以上だと考えられます(参照:Meta Marketing Summit Japan 2023)。

Glad cube【2024年5月版】主要 SNS のユーザー層を比較/年齢層・特徴を徹底解説 Instagramユーザー層

総務省の2023年の調査によると、10代~60代の男性利用率は41.4%、女性利用率は58.9%です。男性に比べ女性の利用率が高くなっています。

年齢層をみると10代~20代の利用率が70%以上と高く、年代が上がるにつれ利用率が徐々に低くなる傾向です。かつては20代~30代がメインで使っている印象があったかと思いますが、いまや10代~60代まで幅広く利用されています。

Instagram を利用して商品の発見や購入を検討しているユーザーは80%以上に上り、商品の発見や購入を促すプラットフォームとして広告配信にも多く利用されています。

また直近ではReels、Stories、ショッピング機能、コラボ投稿などユーザー目線&広告主目線で使い勝手の良い機能アップデートが続いている印象です。

Instagram Reels
InstagramのReelsは、短時間の動画(3〜90秒)を使って、視覚的に魅力的なコンテンツを提供できる機能です。TikTokと似ており、音楽やエフェクトを使って編集できるため、特に若年層にアピールしたいブランドに適しています。(参照:The Shelf

ストーリーズ(Stories)
ストーリーズは、24時間後に消える投稿形式で、短期間に強いインパクトを与えるのに適しています。インタラクティブなステッカー(アンケート、質問、カウントダウンなど)を使用してフォロワーとの双方向コミュニケーションを促すことができます。(参照:Sprout Social

ショッピング機能
Instagramのショッピング機能は、写真やストーリー内で製品をタグ付けし、直接購入ページに誘導できます。特にInstagram内で決済が完了する「Instagram Checkout」機能は、アプリ内でスムーズに買い物ができるようになっており、eコマースを促進します​。(参照:Social Media Dashboard

コラボ投稿(Collab Posts)
この機能は、2つのアカウントが同じコンテンツをシェアできる機能で、インフルエンサーや他の企業との提携を透明かつ効果的に伝える手段です。

両方のアカウントのフォロワーに同時にリーチできるため、より広範なオーディエンスにアプローチすることが可能です​。(参照:Social Media Dashboard

Chat GPTにて情報収集したInstagramの特徴的な機能

2.Meta広告の基本構造

Meta広告の特徴

Meta(旧Facebook)の広告ターゲティングは、実名制であるという点で他のSNSと一線を画しています。

名前や性別、年齢、居住地、勤務先や興味関心などを把握できるため、細かくターゲティングできるのが特徴です。

Apple社のITP・ATT影響から計測精度&配信最適化の精度は低下傾向
昨今はApple社がATT(App Tracking Transparency:アプリベースのトラッキング管理)とITP(Intelligent Tracking Prevention:ブラウザベースのトラッキング防止)というプライバシー保護の取り組みを進めている為、実名制SNSのfacebookであっても、広告の効果測定や行動データのトラッキングが制限されています。なので、Meta広告の精度は従来ほど担保されないのが現状です。

日本においてはスマートフォンデバイス利用者の約6割がiPhoneユーザーなので、ITPとATTは影響度が大きい話です。

【補足】Meta広告のターゲティング精度について

その他の特徴としては、出稿金額が少額からでも広告配信できること、また、InstagramやMessengerなどMeta社のほかの媒体にも配信する可能です。

ここからはMeta広告の基本構造である、アカウント構造について説明していきます。

Meta広告アカウントの3層構造

Meta広告は「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3層構造で成り立っています。

Meta広告アカウントの3層構造

ここからは3層構造それぞれの目的や設定できることをまとめていきます。

キャンペーン・広告セット・広告について

1.キャンペーン
最上位の階層であり、広告の目的(ブランド認知、リード獲得、コンバージョンなど)を設定します。

また、キャンペーンレベルで予算の一括管理も行え、Metaの「キャンペーン予算最適化(Campaign Budget Optimization)」機能を使用すると、複数の広告セットに自動的に予算が割り振られます。これにより、効果的な広告配信が可能になります。

2.広告セット
ターゲティング設定、入札戦略、広告の表示場所を決定します。

ターゲティングには、年齢、性別、地域、興味・関心などのパラメータを設定し、どのユーザー層に広告を配信するかを細かく調整できます。

広告セット内での配信場所として、FacebookやInstagram、Messengerなどの選択肢もあります。

3.広告
実際にユーザーに表示されるクリエイティブコンテンツ(画像、動画、コピーなど)を設定します。

広告セット内に複数の広告を作成し、A/Bテストを行うことで、どのクリエイティブが最も効果的かを検証できます。

この構造を理解し、適切に運用することで、Meta広告のパフォーマンスを最適化し、費用対効果を高めることが可能です。

3.Meta広告のターゲティング機能

Meta広告(旧Facebook広告)のターゲティング方法について、本項では主要な3つのタイプを紹介します。

1.コアオーディエンス(Core Audience)
コアオーディエンスは、ユーザーのデモグラフィック情報、興味・関心、行動、地理的な位置情報に基づくターゲティングです。

たとえば、性別、年齢、居住地、興味のあるトピック(スポーツや旅行など)を使って、潜在顧客を絞り込みます。​(参考:Zalster InsightsSocial Media Dashboard

2.カスタムオーディエンス(Custom Audience)
カスタムオーディエンスは、自社のデータを使ったターゲティングです。

例えば、ウェブサイト訪問者、アプリ利用者、または既存の顧客リストを基にしてターゲティングできます。

これにより、過去に自社と接触したユーザーに対して再度広告を表示するリターゲティングが可能です​(参考:Social Media DashboardKonstruct Digital

3.類似オーディエンス(Lookalike Audience)
カスタムオーディエンスを基に、類似した特徴を持つ新しいユーザーをターゲットにする手法です。

これにより、まだ自社と接点のない潜在顧客層にリーチできます。類似性の高いオーディエンスを選択することで、より精度の高いターゲティングが可能です​。(参考:​215 MarketingDigital Culture Network

これらのターゲティング方法を適切に活用することで、広告の効果を最大化できます。

利用者に表示されるMeta広告はどのように決まるのか?
ここではMeta広告が配信される流れについて整理します。詳細な流れはMeta社の公式説明を参照したいと思います。

Facebookで利用者に表示される広告はどのように決まるのですか。
Facebookで利用者に表示される広告は、広告主が選択した広告のターゲット設定と、広告の入札の結果という2つの主な要素に基づいて決定されます。

まず、広告主はFacebookのセルフサービスツールを使ってターゲット設定します。オーディエンスは、年齢や性別などのカテゴリーのほか、Facebookページでの「いいね!」や広告のクリックなど、利用者がアプリでとるアクションに基づいて作成されます。

次に、Facebookのシステムは、利用者に表示する広告を決定するために、広告主が選択したオーディエンスにその利用者が含まれる広告を収集します。これらの広告は入札ステージに進みます。

入札に進む広告に対し、Facebookは全体的な価値のスコア、つまり広告主の価値と広告品質の組み合わせが最も高い広告を、利用者に表示する広告として選択します。Facebookは、広告の入札価格に推定アクション率を掛けて、広告主の価値を算出します。つまり、定式化すると下記になります。

全体的な価値=入札価格×推定アクション率+広告品質

これは、その特定の利用者が、広告主が希望するアクション(広告主のウェブサイトへのアクセスや、アプリのインストールなど)をとる可能性を示す推定値です。これに、広告の全体的な品質を判断する広告品質スコアを加算します。Facebookでは、このプロセスに情報を提供するために、以下で説明するように機械学習を利用しています。

機械学習とは何ですか。Facebookは広告配信に情報を提供するために機械学習をどのように使うのですか。
機械学習は、明示的にプログラミングされていなくても、新しいデータを受け取ると学習し、複雑なタスクを迅速かつ効果的に実行するシステムです。Facebookは機械学習を使用して、合計価値の計算式に使用される推定アクション率と広告品質スコアを生成します。

機械学習モデルは推定アクション率を見つけるために、広告主が広告に選択するビジネスの目的(ウェブサイトへのアクセスを増やす、購入を増やすなど)に基づき、広告主の期待するアクションを特定の利用者がとる可能性を予測します。Facebookのモデルではそのために、その利用者のFacebook内外での行動、および広告のコンテンツ、時間帯、利用者と広告のやり取りなどのその他の要素も考慮します。

・機械学習モデルが考慮するFacebook内での行動には、広告のクリックや投稿への「いいね!」のように、Facebookアプリを使用している間に利用者がとる行動が含まれます。

・Facebook外での行動には、ウェブサイトへのアクセス、商品の購入、アプリのインストールなど、ビジネスツールを通じてビジネスがFacebookとシェアする利用者のFacebook外での行動が含まれます。

広告の品質スコアを生成するため、Facebookの機械学習モデルは広告を見た人や非表示にした人からのフィードバックのほか、低品質なコンテンツ(広告画像内のテキストが多すぎる、扇情的表現、エンゲージメントベイトなど)の評価を考慮します。

広告主の入札、推定アクション率、広告品質スコアを組み合わせることで、広告の入札における広告の全体的な価値のスコアが算出されます。

気になる疑問にお答えします: Facebookは広告の配信で機械学習をどのように利用しているのですか。

4.Meta広告運用における3つの最適化設定ポイント

機械学習モデルを適切にワークさせるために

Meta広告では機械学習が用いられており、最適化機能が働くポイントを理解しておくことが重要。

最適化できた状態とは、設定した目標を達成するためにターゲットに対し広告が適切にリーチしている状態を意味します。

Meta広告で広告が配信されると、システム側で配信対象者や配信面、広告を最適化するように機能します。

機械学習を用いた広告配信が適切にワークするために押さえておきたいポイントは以下の3つです。

Point1.配信対象の最適化ポイント

Meta広告で活用されている機械学習は過去のデータをもとに、ターゲットユーザーを分析・予測し、最も効果的な配信対象に絞り込むことができます。

配信対象の最適化機能が働くポイントは、管理画面で設定する以下の項目や実績です。

・ピクセル設定:ユーザーの行動データを追跡して、広告の効果を測定します。
・最適化設定:目標に応じた広告表示の調整を行います。
・学習エンジン:データを基に最適なターゲットを自動で選定します。
・アカウント構成:広告アカウントの運用方法を決めます。
・効果最大化CV数:コンバージョン数の最大化を目指します。
・予算設定:予算に基づいて最適な配信頻度を設定します。
・ターゲット設定:広告の対象となるユーザーの条件を定義します。
・除外設定:配信から除外するオーディエンスを設定します。

考慮されるポイントには、ピクセル設定やターゲット設定があります。これらを考慮しつつ、Meta広告は、様々なシグナルを参考にして、適切なユーザーに絞り込みます。

これらの設定を調整することで、Meta広告はリーチするユーザーを効率的に絞り込み、広告効果を最大化します。

たとえば、低コストでリーチできるユーザーに広告が届いた場合、最適化がうまく機能しているといえます。

Point2.配信面の最適化ポイント

広告がどこに表示されるか、つまり配信面の選定も非常に重要です。

配信面の最適化ポイントでは、ターゲットに対し親和性の高い配信面の予測が行われます。

配信面の最適化機能が働くポイントは、管理画面で設定する以下の項目や実績です。

・配信面設定:広告が表示される場所の指定(例: Facebook、Instagram)。
・広告サイズ:デバイスやプラットフォームに最適な広告サイズを選定します。
・入札設定:広告の表示頻度をコントロールするための入札方式を設定します。

これにより、ターゲットに対して親和性の高いプラットフォームが自動的に選ばれ、広告の効果を最大限に引き出します。

Point3.広告の最適化

最後に、広告そのものの内容(クリエイティブ)も最適化されます。

広告が適切なユーザーに、適切なプラットフォームで表示された後、次に重要なのはその広告クリエイティブが効果的であるかどうかです。

Meta広告では、以下の設定を基に広告クリエイティブを最適化します。

・広告フォーマット:動画、静止画、カルーセルなど、ユーザーに適したフォーマットを選びます。
・広告サイズ:プラットフォームごとに最適なサイズを自動で選択します。
・品質スコア:広告の品質や関連性を測定し、改善します。
・評価指標:クリック率やコンバージョン率など、広告の効果を計測します。
・同時掲載本数:一度に表示される広告の数を管理します。
・差し替えサイクル:広告クリエイティブの更新頻度を決めます。
・アセットカスタム:広告に使われる画像やテキストをカスタマイズします。

広告フォーマットやサイズをもとに、ターゲットユーザーがどの広告をクリックするのかを学習します。そして、ユーザーに最適な広告クリエイティブを表示します。

結果的にターゲットユーザーがより関心を持ちやすい広告が表示され、クリック率やコンバージョン率が向上します。

5.その他参考にしたい記事

本項ではMeta広告運用を行う際に参考にしたい記事をまとめていきます。

Meta(Facebook・Instagram)広告運用の基本|配信面・広告の最適化

Meta(facebook・Instagram)広告運用の基本|配信対象の最適化

Facebook広告・Instagram広告 興味関心ターゲティング全種紹介(24年12月更新)

10 Must-Know Facebook Ad Targeting Tips for More Conversions

以上です。引き続き勉強を続けます。

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