Meta広告の基礎知識
1.Facebook・Instagramのメディア動向
Facebook・Instagramの利用者数
Meta社が運営するFacebook・Instagramは多くの方が知っている有名なSNSです。
日本国内では、Facebookが約2,600万人、Instagramが約6,600万人の月間利用者数を誇ります。
Facebookのユーザー属性
総務省の2023年の調査では10代~60代の男性利用率は31.6%、女性利用率は28.2%です。年齢層をみると、30代の利用率が46.5%と最も高くなっています。
全世代でFacebook利用率が落ちているのは気になるポイント
また同調査資料の第5章には各SNS利用率について興味深い記載がありました。
このあたりはメディアの栄枯盛衰の激しさが顕著に表れているように思います。特に10・20代においては他SNSと比較して利用率が低い状況です。
私が働く会社は毎年新卒が3桁規模で入社しており、SNS利用について彼らに質問する機会がちょくちょくありますが、Facebookアカウントをそもそも作っていない20代が多い印象で、総務省の調査データは実感値とズレがないです。
Instagramのユーザー属性
Glad cubeさんの記事での紹介されていますが、Instagramの国内ユーザー数は2019年の3,300万人から倍以上に増え、現在は6,600万人以上だと考えられます(参照:Meta Marketing Summit Japan 2023)。
総務省の2023年の調査によると、10代~60代の男性利用率は41.4%、女性利用率は58.9%です。男性に比べ女性の利用率が高くなっています。
年齢層をみると10代~20代の利用率が70%以上と高く、年代が上がるにつれ利用率が徐々に低くなる傾向です。かつては20代~30代がメインで使っている印象があったかと思いますが、いまや10代~60代まで幅広く利用されています。
Instagram を利用して商品の発見や購入を検討しているユーザーは80%以上に上り、商品の発見や購入を促すプラットフォームとして広告配信にも多く利用されています。
また直近ではReels、Stories、ショッピング機能、コラボ投稿などユーザー目線&広告主目線で使い勝手の良い機能アップデートが続いている印象です。
2.Meta広告の基本構造
Meta広告の特徴
Meta(旧Facebook)の広告ターゲティングは、実名制であるという点で他のSNSと一線を画しています。
名前や性別、年齢、居住地、勤務先や興味関心などを把握できるため、細かくターゲティングできるのが特徴です。
その他の特徴としては、出稿金額が少額からでも広告配信できること、また、InstagramやMessengerなどMeta社のほかの媒体にも配信する可能です。
ここからはMeta広告の基本構造である、アカウント構造について説明していきます。
Meta広告アカウントの3層構造
Meta広告は「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3層構造で成り立っています。
ここからは3層構造それぞれの目的や設定できることをまとめていきます。
1.キャンペーン
最上位の階層であり、広告の目的(ブランド認知、リード獲得、コンバージョンなど)を設定します。
また、キャンペーンレベルで予算の一括管理も行え、Metaの「キャンペーン予算最適化(Campaign Budget Optimization)」機能を使用すると、複数の広告セットに自動的に予算が割り振られます。これにより、効果的な広告配信が可能になります。
2.広告セット
ターゲティング設定、入札戦略、広告の表示場所を決定します。
ターゲティングには、年齢、性別、地域、興味・関心などのパラメータを設定し、どのユーザー層に広告を配信するかを細かく調整できます。
広告セット内での配信場所として、FacebookやInstagram、Messengerなどの選択肢もあります。
3.広告
実際にユーザーに表示されるクリエイティブコンテンツ(画像、動画、コピーなど)を設定します。
広告セット内に複数の広告を作成し、A/Bテストを行うことで、どのクリエイティブが最も効果的かを検証できます。
この構造を理解し、適切に運用することで、Meta広告のパフォーマンスを最適化し、費用対効果を高めることが可能です。
3.Meta広告のターゲティング機能
Meta広告(旧Facebook広告)のターゲティング方法について、本項では主要な3つのタイプを紹介します。
1.コアオーディエンス(Core Audience)
コアオーディエンスは、ユーザーのデモグラフィック情報、興味・関心、行動、地理的な位置情報に基づくターゲティングです。
たとえば、性別、年齢、居住地、興味のあるトピック(スポーツや旅行など)を使って、潜在顧客を絞り込みます。(参考:Zalster InsightsSocial Media Dashboard)
2.カスタムオーディエンス(Custom Audience)
カスタムオーディエンスは、自社のデータを使ったターゲティングです。
例えば、ウェブサイト訪問者、アプリ利用者、または既存の顧客リストを基にしてターゲティングできます。
これにより、過去に自社と接触したユーザーに対して再度広告を表示するリターゲティングが可能です(参考:Social Media DashboardKonstruct Digital)
3.類似オーディエンス(Lookalike Audience)
カスタムオーディエンスを基に、類似した特徴を持つ新しいユーザーをターゲットにする手法です。
これにより、まだ自社と接点のない潜在顧客層にリーチできます。類似性の高いオーディエンスを選択することで、より精度の高いターゲティングが可能です。(参考:215 MarketingDigital Culture Network)
これらのターゲティング方法を適切に活用することで、広告の効果を最大化できます。
利用者に表示されるMeta広告はどのように決まるのか?
ここではMeta広告が配信される流れについて整理します。詳細な流れはMeta社の公式説明を参照したいと思います。
4.Meta広告運用における3つの最適化設定ポイント
機械学習モデルを適切にワークさせるために
Meta広告では機械学習が用いられており、最適化機能が働くポイントを理解しておくことが重要。
最適化できた状態とは、設定した目標を達成するためにターゲットに対し広告が適切にリーチしている状態を意味します。
Meta広告で広告が配信されると、システム側で配信対象者や配信面、広告を最適化するように機能します。
機械学習を用いた広告配信が適切にワークするために押さえておきたいポイントは以下の3つです。
Point1.配信対象の最適化ポイント
Meta広告で活用されている機械学習は過去のデータをもとに、ターゲットユーザーを分析・予測し、最も効果的な配信対象に絞り込むことができます。
配信対象の最適化機能が働くポイントは、管理画面で設定する以下の項目や実績です。
考慮されるポイントには、ピクセル設定やターゲット設定があります。これらを考慮しつつ、Meta広告は、様々なシグナルを参考にして、適切なユーザーに絞り込みます。
これらの設定を調整することで、Meta広告はリーチするユーザーを効率的に絞り込み、広告効果を最大化します。
たとえば、低コストでリーチできるユーザーに広告が届いた場合、最適化がうまく機能しているといえます。
Point2.配信面の最適化ポイント
広告がどこに表示されるか、つまり配信面の選定も非常に重要です。
配信面の最適化ポイントでは、ターゲットに対し親和性の高い配信面の予測が行われます。
配信面の最適化機能が働くポイントは、管理画面で設定する以下の項目や実績です。
これにより、ターゲットに対して親和性の高いプラットフォームが自動的に選ばれ、広告の効果を最大限に引き出します。
Point3.広告の最適化
最後に、広告そのものの内容(クリエイティブ)も最適化されます。
広告が適切なユーザーに、適切なプラットフォームで表示された後、次に重要なのはその広告クリエイティブが効果的であるかどうかです。
Meta広告では、以下の設定を基に広告クリエイティブを最適化します。
広告フォーマットやサイズをもとに、ターゲットユーザーがどの広告をクリックするのかを学習します。そして、ユーザーに最適な広告クリエイティブを表示します。
結果的にターゲットユーザーがより関心を持ちやすい広告が表示され、クリック率やコンバージョン率が向上します。
5.その他参考にしたい記事
本項ではMeta広告運用を行う際に参考にしたい記事をまとめていきます。
Meta(Facebook・Instagram)広告運用の基本|配信面・広告の最適化
Meta(facebook・Instagram)広告運用の基本|配信対象の最適化
Facebook広告・Instagram広告 興味関心ターゲティング全種紹介(24年12月更新)
10 Must-Know Facebook Ad Targeting Tips for More Conversions
以上です。引き続き勉強を続けます。