2021ファジアーノ岡山にフォーカス50「シーズン総括(MF編)」

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1、2021シーズン出場記録(MF登録選手)

シーズン終了時点に公式HPに掲載されている選手のMF登録の選手

MF登録選手(出場記録)
6喜山 康平(CH・CB:34試合2得点)
7白井 永地(CH・右SH:38試合1得点)
10宮崎 幾笑(右SH:23試合1得点)
11宮崎 智彦(左SB:26試合0得点)
14上門 知樹(左右SH・OH・CF:41試合13得点)
17関戸 健二(右SH・CH:8試合0得点)
26パウリーニョ(CH:30試合0得点)
27木村 太哉(左右SH・CH;42試合2得点)
28疋田 優人(CH・左SH:12試合2得点)
29ユ・ヨンヒョン(CH:0試合0得点)
35山田 恭也(ST・右SH?:2試合0得点)
48石毛 秀樹(右SH・CH・OH:14試合6得点)

2、各選手個別評価(MF登録選手)

背番号・選手名(ポジション):貢献度(高:A~E:低)
出場記録(出場試合数・得点数)

6喜山 康平(CH・CB):A
出場記録(34試合2得点)
 磐田の遠藤 保仁や元岡山の矢島 慎也にも当て嵌まる事ではあるが、視野の広い選手は、ボールのない所での守備が巧い。それを岡山で体現していて、現岡山においての遠藤や矢島と言えるのが、6喜山 康平である。的確なポジショニングやゲームメークは、攻守での貢献度は高く、21シーズンも副キャプテンとして、チームの攻守のバランスを巧く保った。

7白井 永地(CH・右SH):B
出場記録(38試合1得点)
 岡山の歴代の選手を見渡してもトップクラスの運動量。中盤の選手として視野の広さや技術は、優れた選手ではないが、90分間走る事ができるスタミナにより、プレーのムラが少なく、攻守でのプレーの安定感が高く、チームの弱い所へしっかり顔を出し、未然に危険を回避し、防ぐことができた。徳島に移籍することとなったが、中盤の要としてCHとSHで、攻守でチームを助けてくれた。

10宮崎 幾笑(右SH):D
出場記録(23試合1得点)
 高い技術を活かす事ができなかった21シーズン。フィジカルの弱さが逆に武器になるペナルティボックスのプレーを如何に増やせるかがポイントであり、味方のパスで活かされる選手だが、受け手ではなく、出し手でのプレーも求められた中で、守備のタスクも大きく、なかなか持ち味を発揮できなかった。充実の新戦力と新監督の下での輝いて欲しい。

11宮崎 智彦(左SB):B
出場記録(26試合0得点)

 シーズンの途中に加入すると、高い基礎技術と、経験の豊富さを前面に出したプレーは、サッカー好きを唸らせた。トラップの仕方、ボールコントロールの随所に工夫が見られ、予測からのプレーで、先を読みプレスを掻い潜りマイボールにする技術は、22安部 崇士と左サイドで、落ち着きを生み、守備でも連携や距離感でも良い関係を構築した。

14上門 知樹(左右SH・OH・CF):A
出場記録(41試合13得点)

 シーズン途中から得点力不足のチーム状況を打破のためにCFの一角で、STとしてプレー。豊富な運動量と高い集中力で、的確なプレスをかけることで、誘導する守備の形作りができた。また、2列目の選手らしく万能FWとして、相方を選ばないことで、チームの攻撃の要となった。終盤戦の9イ・ヨンジェと19ミッチェル・デュークの下の2列目の形の時は、驚くほど躍動し、48石毛 秀樹とも良い関係性を作れた。

17関戸 健二(右SH・CH):D
出場記録(8試合0得点)

 17関戸 健二と言えば、ハードワークできて緩急を使ったドリブルやパスが武器ではあるが、長期離脱を余儀なくされた怪我により、リハビリやコンディション向上に追われたシーズンとなった。CHの選手に怪我での離脱した選手が多かった事で、攻守で17関戸 健二がいればというシーズンとなった。来季は、完全復活した17関戸 健二をみたい。

26パウリーニョ(CH):B
出場記録(30試合0得点)

 激しい守備が持ち味であり、その分怪我も多い選手であったが、今季は30試合に到達。特に6喜山 康平と7白井 永地の両選手が離脱していた時期は、フル出場を含めて、中盤で、攻守で気を吐き、守備を引き締め、終盤の12試合負けなしへと繋げた。運動量や、ボール奪取力、攻撃時の推進力は、大きな武器であった。

27木村 太哉(左右SH・CH):B
出場記録(42試合2得点)

 ルーキーながら全試合出場を達成。21シーズンは、ドリブルで突破でき、キープできる唯一のドリブラーとして、抜群の存在感を放った。流れを変わる事こそできたが、ボールをキープすべきか、パスを出すべきかの判断の悪さも目立った。ここの判断の正確性が増す事で、クロス・ラストパス・シュートの成功率が高まり、アシストやゴールという得点に絡む仕事ができる選手になれる可能性を感じたシーズンとなった。

28疋田 優人(CH・左SH):C
出場記録(12試合2得点)

 主軸の怪我での離脱により出場機会を獲得した。そのデビュー戦で、ドラマティックかつ凄まじいゴールを決めて、ファジ史上最も華々しいデビューを飾った。早くも今後のキャリアでの代名詞ともなりえるゴール。ただ、それだけではなく、チームとして前から行く意識やハイラインといったチーム戦術へも変化をもたらした。2年目の活躍が楽しみ。

29ユ・ヨンヒョン(CH):ー
出場記録(0試合0得点)

 出場機会にこそ恵まれなかったが、HG選手として、将来の岡山を背負って欲しい選手。力強い守備と華麗な左足を持ったCHとして、潜在能力は高い。外国籍選手の競争を勝ち抜く必要があり、出場へのハードルこそ高いが、状況によっては、CHとして出場機会を掴む事は十分ありえる。そのためにプレー正確性をどこまで高められるかが、課題か。

35山田 恭也(ST・右SH):E
出場記録(2試合0得点)

 ユース出身選手で、夏場の危機的状況の時にMFとしてではなく、FWとして出場。想像以上に体幹がしっかりしていて、基礎技術レベルも高い。バランスの取れた選手であったが、出場機会をより多く掴んで行くためには、武器が必要である。それは、フィジカルやテクニックといったものではなく、判断の部分でも可能で、今後プロとしてそこを見つかられるかどうかが問われていく事となる。

48石毛 秀樹(右SH・CH・OH):A
出場記録:14試合6得点)

 今まで、これだけの実力がありながら、何故結果を残す事ができなかったのか。そう感じられる驚異的なペースでゴールを量産。特にアウェーでの相模原戦でのゴールは、ワールドクラスのゴールで、Jリーグを超えた反響があっても不思議ではないインパクトがあり、週間ベストゴールを獲得。右SHは、入れ替わりが激しく、ラストピースが埋まった事で、チームとしても完成度が高くなった。

3、MF総評

総合評価:B

 最終的なチームの完成度を考えると、A評価でも良いが、持ち味を発揮できた選手が多かった中で、怪我での離脱する選手や、持ち味を発揮できなかった選手。そういった選手も一定数いた。その中で、チームとして中盤が100%機能することで、FWとDFも持ち味を発揮することができる。その部分では、チーム作りに苦労したシーズンと言える。

 問題点であった1つとして、中盤の選手がオーバーワークに陥った点である。6喜山 康平や26パウリーニョ、7白井 永地といったCHの選手が、一度は怪我での離脱があった。ハードワークが求められる中盤にあって、休ませるという部分では、工夫が欲しかった。29ユ・ヨンヒョンや28疋田 優人といった若手を、どうベストイレブンとしてメンバーに組み込むかという点では、甘かった。

 17関戸 健二の怪我で21シーズンをほぼ満足に戦えなかったのも痛手である。来季は、佐野 航大君が加入するが、その辺りのターンオーバーを含めて、怪我を少なくするための起用ができるかどうか、その中で、勝ち点を積み重ねていく事ができるか。そこが来季への課題となった。

 そして、2列目に関しては、収穫と課題があり、難しいシーズンとなった。14上門 知樹が2列目として、高パフォーマンスを魅せる中で、27木村 太哉のドリブルでの存在感。こういった前半戦であったが、得点にどう繋げるかという点では、物足りなかった。14上門 知樹をFWに回す事となったが、その分2列目は手薄となった。

 FWの18齊藤 和樹やCHの7白井 永地を2列目で起用することもあったが、守備が良かった一方で、チームの年間としての課題であった得点力という部分では物足りなかった。監督としての1つの策として41徳元 悠平の左SHでの起用。強化部の解答としては、48石毛 秀樹の獲得。2列目としては、これは大きな前進に繋がった。41徳元 悠平は、攻守において、運動量やフリーランを含めた総合力の高さやFWに回った14上門 知樹との連携プレーで、高い位置で、ボール持つことができるようになった。

 そして、48石毛 秀樹は、アシストとゴールを生み出す高い技術を発揮し、自己キャリアハイのゴールを更新。J1とJ3を含めた週間ベストゴールも獲得した。FW19ミッチェル・デュークの加入や9イ・ヨンジェの復帰も大きかったが、やはりチームとしての右SHに嵌ったのも大きい。選手同士の相性の良さは、組織の中で噛み合った時には、実力を発揮できる。そう感じたシーズンともなった。

 一方で、リザーブに回る事が多くなった27木村 太哉であるが、そのドリブルでの突破力や倒れないフィジカルの強さでのキープ力。これは、上位にも通用し、流れを変えるという点では、代えの利かない選手へと成長した。後は、スタメンとしてもリザーブとしても結果をどう残せるか。既にそういった選手へと立ち位置は、前進した。

 来季は、有馬 賢二監督から木山 隆之監督への代わり、中盤も大きく変わるが、怪我をどう少なくしていくのか。そして、2列目の選手が、どれだけ攻撃に貢献できるのか。10番の宮崎 幾笑を、どう活かすかというのも1つのポイントとなる。木山 隆之監督のリスクマネジメントの観点に立った起用と、確かに選手眼による育成と結果の両立ができるかが問われることとなる。

文章=杉野 雅昭

text=Masaaki Sugino

自己紹介
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。

読んで欲しい試合レビュー

2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」

URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907

読んで欲しいまとめ

2022ファジアーノ岡山 にフォーカス2
「木山隆之新監督についての情報まとめ」
URL:https://note.com/suginote/n/na7a6e0f1028c

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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。