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2023ファジアーノ岡山にフォーカス31『 岡山が輝くために~前半戦総括~ 』J2 第21節(A)vs大分トリニータ

2023 J2 第21節(A)
大分トリニータ 1 vs 0 ファジアーノ岡山
レゾナックドーム大分

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1、組織的守備と攻撃~明暗~


 岡山の布陣を観た時にまず感じた筈だ。岡山のスタメンに外国籍選手が不在であることに、対大分の守備を意識した時には、まさしくベストの布陣に感じた。ただ、試合を終えた時の率直な感想として、守備面で成果をあげたものの攻撃ではやはり物足りないというのが、正直なところだ。

 5柳 育崇を中心に43鈴木 喜丈と15本山 遥の3バックである伸縮自在の守備組織は、スペースを埋めるという点で、13金山 隼樹のファインセーブを生み出し、密集地帯を作る事で生み出した壁で大分の攻撃をブロックできたことで、大分のパスでの崩しからのフィニッシュを寸前の所で、防ぐことができた試合であった。

 また、前からプレスをかけていくという観点からも18櫻川 ソロモンと48坂本 一彩の2トップに後方に控える左WBの42高橋 諒、左IHの44仙波 大志、右IHの14田中 雄大、右WBの22佐野 航大の運動量やアジリティ、27河井 陽介がバランスをとるという形で、時間が推移するとともに、相手のミスパスの誘発やパスコースを消す事や予測することでの奪取が、時間が推移していくなかで増えすことができた試合であった。

 一方で、大分のパスワークを中心としたサッカーを抑えるという観点から27河井 陽介のアンカーとDFラインを含めた4枚では、流石に抑えきれず、AN(アンカー)のポジションに蓋をできる6輪笠 祐士や15本山 遥でないことで、岡山が主導権を握るまで持って行くことができなかった。

 主導権を握れなかった事で、岡山がパスを繋いで崩すシーンや個の力で局面を打開して決定機を作るというシーンはほぼできなかった。岡山の決定機は前線の高い位置でのボール奪取からのショートカウンターのみと言ってもいいぐらいだ。

 対する大分は、選手が誰かまでは流石に目視では確証を持てなかったが、ゴール前の深い位置まで崩して、決定機に近いシーンを何度も作っていたのは大分であった。スコア的には1-0で、大分の勝利であったが、岡山の守備陣が粘り強く守っていた事で、なんとかこのスコアで終えることができたというのが、現状の両チームの差と言える。

 岡山のゲームプランとして、試合開始前地点で2位につける大分へのリスペクトと、東京V戦の敗戦内容の反省点を踏まえたメンバー選出での戦い方も悪くなく、失点するまでの試合推移の内容を振り返ってみても、十分勝利の可能性こそあったが、やはり先制点を奪って、アウェイで、上位に勝つというパワーまでは届かないどころか、勝ち点1すら手にできなかった。

 パスワークの得意な大分の自陣でのパス回しを前からのプレスで嵌めて行くという岡山の守備は観客席で観ていて、確かな手応えを感じていただけに、得点に繋げれなかったもどかしさと、13金山 隼樹が止められなかった失点シーンと、22佐野 航大が決めきれなかった決定機。ほぼ似ていた形だけに、勝負を分けたこの試合を象徴するシーンに、筆者には感じられた。


2、足りなかった覚悟と戦力~敗因~


 結果論であるが、失点シーンを考えても15本山 遥を下げた事が敗因と言える。23ヨルディ・バイスが悪い訳では無く、実際に23ヨルディ・バイスが入った事で、岡山の攻撃における展開力やセットプレーの迫力というのは間違いなく上がった。

 一方で、サイド攻撃におけるスピードへの対応力や中央の守備の柔軟性は下がった。サッカーにおける最速の攻撃はやはりパスである。人がドリブルするより全速力で走る事より、パスやクロスのスピードの方が速い。そこへの対応力が下がるという点と得点力をあげるという点を天秤にかけての選択であり、木山 隆之 監督らしい勝ちに行く、勝負に出た一手だった。

 しかし、大分の攻撃は、ロングパス主体とした攻撃でも空中戦の強さでもない。早くて正確なパスワークにより、DFの隙を生み出す攻撃だ。この試合で、23ヨルディ・バイスを外してまで15本山 遥を起用した意味は、その攻撃に対する対応力にあった筈だ。勝負の一手で決めきれなかったチーム(岡山)に待つ結末は、必然的に敗北であった。

 勝ちにいくために15本山 遥に代えて、23ヨルディ・バイスを投入する決断をした木山 隆之 監督だが、守備を考えるのであれば、15本山 遥のまま戦うか、15本山 遥をANにシフトするか、15本山 遥と誰かをダブルボランチにするなど、何らかの形で、一定のスピードやアジリティ、運動量といった部分の守備力を維持する必要があったはずだ。

 岡山が、ここまで勝ち切れない理由として、やはり攻め切れない点にある。22シーズンは、前掛かりの布陣でも守備が安定していたのは、15ミッチェル・デュークの運動量と7チアゴ・アウベスの守備の読みの深さで、38永井 龍や9ハン・イグォンの交代選手で守備強度や守備の回数で、岡山が主導権を握れたからだ。

 23シーズンは、前からの守備で主導権を握れないため、攻めたいけど、どうしても我慢する必要が出てくる。その中で、耐えきれず失点しまう事やこの試合のように勝負に出た所を、逆にやられてしまう。そういった試合が、どうしても増えてしまっている。

 実は、木山 隆之 監督の采配が悪い訳でも15ミッチェル・デュークが抜けた穴が大きい訳でもなく、別の所に理由があると感じるようになってきている。それは、強化部長の原 靖 元強化部長の退任の影響が実は大きいのではないかというのが、私の中で膨らんできている。

 木山 隆之 監督が、自分達のサッカーができていないのであれば、良い選手が揃っていても編成のバランスが悪く、9ハン・イグォンのように、本来主軸を担うべき選手が、リーグ戦にほとんど絡めなくなっているのは、やはりチームとしての最大値を引き出す編成上の問題と言える。

 有馬 賢二 監督と木山 隆之 監督が、序盤〜終盤にかけてチーム状態を上げて行くことができた(22シーズンは失速こそしたが、チーム最高順位の3位の結果を残せた)のは、やはり強化部の的確な補強の後押しがあったからだ。

 改めて、チームに目を向けて見ると、43鈴木 喜丈こそ絶対的なレギュラーとして活躍していて、42高橋 諒や2高木 友也が、左サイドに違いを出せているが、その代わり9ハン・イグォンが左WBとしてプレーするという選択肢も消えてしまい、9ハン・イグォンの適性ポジションが実質なくなっている。

 また、序盤戦の頃に輝いていた18櫻川 ソロモン、48坂本 一彩(の方は世代別代表と怪我で離脱していたが)の存在感にやや陰りが出てきていて、途中加入右の99ルカオもコンディションを上げてきてこそいるが、ここまで無得点という結果は、正直厳しい結果だ。21山田 大樹、33川谷 凪、20井川 空といったレンタル組もここに来て、ほぼゲームに絡めていない。

 改めて状況を冷静に見て見ると、左サイドこそ強化されていて、特に43鈴木 喜丈の存在は大きく負けない安定感こそあったが、チームとしては22シーズンと比べては、マイナスで、これでは、22シーズンのような爆発力を生み出す事は難しいだろう。

 振り返れば、原 靖 元強化部長時代のシーズンにおける選手の入れ替わりは激しく、チームとして動ける中盤までは新陳代謝や効果的な補強により、上を目指す事ができた。今季のここまでを見て見ると、99ルカオを緊急補強したのみで、チームとしての動きに乏しい。動けない編成。つまり、開幕時点で、完成させてしまったことで、チームとして動けなかったのであれば、アクシデントがあったとはいえ、それは編成上のミスであり、原 靖 元強化部長との大きな違いであるだろう。

 やはり、こうした編成上の不味さは、チームとしての浮上の流れを作れなかった。夏場に補強を準備しているのかもしれないが、それでも本気で「頂」を目指すのであれば、何か手をもっと打っても良かったはずだ。

 もしかすると、現状の戦力に満足しているという評価なのかもしれないが、原 靖 元強化部長であれば、もっと動いていても不思議ではない。試合内容と試合結果から飛躍した内容となってしまったが、勝ち切れないチームと動ききれない強化部。実は、密接に関わっていると言えるのではないか。


3、後少しは何度目だろうか~既視感~


 チーム状況と編成の話をした上で、岡山は後もう少しで勝てるという試合を何度も勝ち切れないで、前半戦を6勝11分4敗で終えた。大分は、12勝4分5敗であった。両チームにそれだけの差があったかと言えば、そこまで大きな差はなかったと筆者は感じている。「あぁ、今日は負けそう。」と感じた試合が、岡山サポーターの中で前半に多かったかと言えば、そうではないはずだが、「あぁ、今日も引き分けか。」と感じた方は多いかもしれない。

 実際に、岡山も劣勢ではあったものの良い守備から決定機を作れていたことを考えると、勝てるチャンスや追いつけるチャンスも十分あった。

 もう一度、この試合の両チームのパワーバランスを整理すると、大分は、自分達の攻撃の形を持っていて、何度もシュートで終える形。もしくは、シュートの手前というシーンをチャンスメークからフィニッシュという流れまでできていた。岡山が、防戦一方かと言えば、そうではなくて、しっかり決定機を演出し、大分ゴールに迫っていた。

 この試合における岡山の形は、あくまで良い守備からカウンタ―であり、自分達が流れを握ってというシーンではなかったかもしれないが、それでも勝てる時には守り方から試合に入っても勝てるのだ。得点に届かなかったとすれば、それはチーム熟成度なのか、攻撃のタレントが足りないのか、チームの戦い方が不味かったのか。

 色々と考えたくなるが、この試合に関しては、自信が足りなかったのではないか。18櫻川 ソロモンが、序盤戦では、フィジカルで無双していたが、ここ10試合は、開幕戦の頃のようなキープができなくなっている。厳しい言い方をすれば、気持ちで負けてしまっているのだ。この試合の18櫻川ソロモンのように、裏に抜け出せそうな場面でシュートまで行けなかったシーンのように、チームとしての強引さ、活力、覇気が、今の岡山から感じられるシーンを大きく減らしている。

 開幕戦のような勢いが出せない理由として、44仙波 大志のような絶好調の選手数が少ないことにある。選手も人間であるので、調子の良い時と悪い時があるが、その絶対数が岡山には少ない。もちろん、首位を独走中の町田にも失速する可能性はあるかもしれないが、町田には資金力があり、後半戦に向けて、更なる起爆剤をチームとして補強という形で用意する資金力があるため、町田を追い抜くというシナリオはあまり現実的でないかもしれない。

 岡山としては、観客動員が伸び悩んでいて、収入面で想定より少ないのであれば、もしかすると、勝負できる補強ができないかもしれないが、夏場の補強が、後半戦の反攻に向けての打開策を打つラストチャンスとなる。6輪笠 祐士の復帰や19木村 太哉の復帰などに期待したい気持ちもあるが、それだけでは足りない。選手を放出してでも可能となる補強やA契約の25人枠に含まれない、J1で燻ぶっている若手の獲得を含めて、岡山としては、補強を前提に後半戦の反攻を考えたいところだ。

 その先に、この試合の大分のように誰が出てもパスサッカーができる編成。町田の昨年の岡山のように個で圧倒出来るサッカーのための編成、東京Vのように生え抜き選手とチームスタイルの融合していく編成。今の岡山には多くの選択肢ある戦い方ができており、岡山の潜在能力をどう勢いに代えて行くのか。またその活力を生み出していくのか。勝負の後半戦が待っている。


4、あの時試合が動いた~岐路~


 この試合での記者の方は、勝負を分けたポイントを選手や監督から聞き出そうとしている。もしくは、選手や監督から発せられた勝負を分けたポイントを掘り下げたものとなっている。奇しくも筆者が試合レビューを書いてきた中で、その部分についても深く言及してきた部分でもあった。

 その部分に関して試合を戦った当事者である選手や監督の言葉から、この試合のよりディープな所を公式コメントからサポーター目線で、掘り下げて行きたい。

 勝負を分けた決定機に関わった両チームの選手達のコメントを振り返っていく。

 まずは、決勝点を決めた18藤本 一輝(選手)のコメントから。

記者(インタビュアー)
--ゴールシーンを振り返って。
18藤本 一輝 選手(大分)
「中に(渡邉)新太くんがいるのも見えていたのだが、相手がスライディングしてくるのが見えて、パスを通すのは難しいなと直感で思った。(岡山の)GKも新太くんへのクロスに反応したように見えたので、ちょっとニアが空いたように見えて、ここしかないという感じで流し込んだ。一瞬の判断だった。」

J.LEAGUE jp (Jリーグ公式HP)
J2 第21節 大分 vs 岡山(23/06/17)試合後コメント(選手)
より一部引用。

 大分にとって、一瞬の判断、岡山としては一瞬の隙を突かれての失点であった事が分かる。得点や失点のシーンの選手1人の1人の動きやプレーの選択が勝敗を左右する。攻守共に、人数をかけることができていた大分の強みを感じられたコメント。

 次に、その隙を許したGKの13金山 隼樹(選手)のコメントに続く。

13金山 隼樹 選手(岡山)
「(失点の場面は)相手の狙いはサイドで数的優位をとってくるというスカウティングはあったので、警戒はしていた。難しい対応だったが、しっかり映像を見てどういう対応ができたか振り返らないといけない。ニアのクロスとゴールを守る兼ね合いの中で、あそこに来ることはある。自分でも対応できたと思った中でポストに当たってしまったので、修正は必要だし、みんなが必死に走って守ってくれていたので自分自身の反省点。」

ファジアーノ岡山公式HP
2023 J2 第21節 大分トリニータ戦 監督・選手コメント
より一部引用。

 自身の反省点と13金山 隼樹が口にしている通り、安定のあるGKは、こういった場面で、判断(失点の場面では、ポジショニング)を間違う回数が根本的に少ない。

 それが動体視力なのか、直感なのか、経験なのか、チームでの連携なのか、少なくとも何が悪かったのか、把握できていないので、13金山 隼樹の経験を持ってしても難しい判断が求められたことが分かる失点シーンと言える。

 逆に決めきれなかった22佐野 航大(選手)のコメント。

記者(インタビュアー)
--ビッグチャンスも築き、紙一重という試合でもあったのでは。
22佐野 航大 選手(岡山)
「自分にもチャンスが1回あった中で、結果論だがそこをしっかり決め切れていれば、勝ちに持っていけたという印象がある。後半は前半よりも比較的ボールを持てるようになったし、相手コートでプレーできていたので、そこでもっとゴールに向かっていかなくてはならないと思った。」

J.LEAGUE jp (Jリーグ公式HP)
J2 第21節 大分 vs 岡山(23/06/17)試合後コメント(選手)
より一部引用。

 この差をどう埋めて、覆して、勝利に持っていくのか。僅かでも対戦チームを上回ることができれば勝利できることもあるが、逆に内容で圧倒していてもワンチャンスで負けることもある。

 岡山に少なくとも怪我や代表で離脱していた選手もいたことも事実だが、大分も主軸選手の欠場の選手もいる。理由は、本当に色々とあるが、GKの判断ミスを生み出した大分の選手の一人一人の動き出しや正確な判断。この部分で、チームとして一体感、ホームのサポーターの後押しという部分で、この試合では、岡山が大分に負けてしまったという試合であった。

 両チームの決定機や試合推移・内容を踏まえた両指揮官の試合を振り返るコメント。

木山 隆之 監督(岡山)
「選手たちがチャレンジをしようと努力していたことは見えたので、その点は悪くなかったが、今の順位の差が少し見えた気がした。プレッシャーに行こうと努力していたが、取れないこともあったし、逆に取ったボールをつなげないことも多い展開だった。
後半は自信を取り戻して、自分たちのボールになった時には相手の1/3に入り込む数も増えた。ただ決定的なチャンスを作る質は作れなかったので、そこは課題。
最後に1点取れるチームと取れないチームの差はあった。しっかり自分たちを見つめて、トレーニングをして頑張っていきたい。」

ファジアーノ岡山公式HP
2023 J2 第21節 大分トリニータ戦 監督・選手コメント
より一部引用。

 実は、この部分は、ハイレベルな部分の要求を監督が選手に対して求めているからこそのコメント。下位のチームであれば、そもそも耐える事が前提。岡山は、2位のチームに対しても攻守で主導権を握るという点に目標を設定していた。ただ、実際には小さい差の積み重ねで、岡山のやりたいサッカーをなかなかさせて貰えなかった。同時に1点差以上の差。それこそ順位相応の差を感じた試合になった事も間違いない。後半での巻き返しに向けて、補強を含めて、選手起用や選手の怪我からの復帰などで、どこまで巻き返せるか。差こそあったが、目標設定や現在地を考えると、厳しいのも事実だが、まだまだ昇格を諦める段階ではないのもまた事実だ。

下平 隆宏 監督(大分)
「特に前半、われわれの良い時間帯があって得点機も何回か作った中でそれを決め切れなかったことが、今日のゲームを難しくしてしまった1つの要因かと思う。ハーフタイムに選手たちにも話したのだが、これは相手のペースというか、岡山さんはこういう展開をしっかりものにしてくる力強さを持っているチームなので、カウンターやセットプレーでやられないように注意しながらというところだった。」

J.LEAGUE jp (Jリーグ公式HP)
J2 第21節 大分 vs 岡山(23/06/17)試合後コメント(監督)
より一部引用。

 両チームの良さが出ていた展開であったことが良く分かる大分の下平 隆宏 監督のコメント。自分達の良さを出しつつ、岡山の狙いを見抜いた上で、そこへの細心の注意を払って戦っていたことが良く分かる。

 更にコメントは続く。

下平 隆宏 監督(大分)
「徐々に岡山さんが選手交代を含めてパワーを出してきて、少し苦しい時間帯があった。だが、われわれも途中交代で入った選手を含めて盛り返すことができて、流れの中でしっかりゴールを決め、1-0で勝つことができた。クリーンシートで終われたこともうれしく思っている。岡山さんのゲームになりそうなところを、後半のああいう流れになった中で選手たちが踏ん張ってしっかり勝ち切れたことに、チームとしての成長を感じられる一戦だったと思う。」

J.LEAGUE jp (Jリーグ公式HP)
J2 第21節 大分 vs 岡山(23/06/17)試合後コメント(監督)
より一部引用。

 岡山へのリスペクトの気持ちと謙虚に岡山の良さに触れるリップサービスというかチームとしての余裕が感じられた。岡山は、こうした試合をものにできなかった通り、リードでもビハインドでも、同点でも同じテンションで戦っている様に映る時もある。

 確かに、この試合で、リードされてからも追いつけそうな雰囲気があったが、歯車が噛み合わないというか、強いチームや雰囲気の良いチームのように、幸運が重ねって、勝利できてたり、内容で圧倒出来る事もあるが、そういった余裕を感じられる試合が、本当に少ない。

 勝ち点を積み重ねることができていない以上に、こうした試合を続けている精神的な部分での蓄積した疲労をどう軽減させていくのか。チームとして〇〇が悪いという明確な問題があるという訳では無く、小さな勝てない理由が多くあり、それが総合力不足を招き、勝ち切れないという状況に繋がっている。

 残された期間は限られているが、どこまでチームの戦い方の合理化や組織力の上積みで、チームの総合力を上げていく事ができるか。ファジアーノ岡山の真価と進化が問われる後半戦になることは間違いない。

 繰り返すが、下を向きたくなる順位ではあるが、まだまだ悲観する勝ち点差ではない。だからこそ何かをきっかけにチームが噛み合う変化を生み出す事で、浮上のきっかけを掴んで欲しいと心より願うばかりだ。

 最後に、後半戦に向けての13金山 隼樹(選手)のコメントで、この試合をレビューを〆たい。

13金山 隼樹 選手(岡山)
「(リーグ戦半分を終えて)リーグ戦は終わってみないとわからない。まだ巻き返すチャンスはあるし、自分たちが諦めず突き進めば道は開ける。自分たちの目指すものに突き進んで、やれることを一つひとつやっていくしかない。
チームを勝たせられるゴールキーパーになるために、これからも成長していきたい。」

ファジアーノ岡山公式HP
2023 J2 第21節 大分トリニータ戦 監督・選手コメント
より一部引用。

文章・画像=杉野 雅昭
text・photo=Masaaki Sugino


引用元公式サイト紹介(選手と監督公式コメント)

ファジアーノ岡山公式HP
2023 J2 第21節 大分トリニータ戦 監督・選手コメント
は、こちら(別サイト)。
URL:https://www.fagiano-okayama.com/news/202306172200/

J.LEAGUE jp (Jリーグ公式HP)
J2 第21節 大分 vs 岡山(23/06/17)試合後コメント(選手)
は、こちら(別サイト)。
URL:https://www.jleague.jp/match/j2/2023/061705/player/

J.LEAGUE jp (Jリーグ公式HP)
J2 第21節 大分 vs 岡山(23/06/17)試合後コメント(監督)
は、こちら(別サイト)。
URL:https://www.jleague.jp/match/j2/2023/061705/coach/


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