2022ファジアーノ岡山にフォーカス41『Rodo to J1 22~23補強ポイント』Part7(4-2-3-1考察編)

 本日は、動きはなかったですが、第一報から来季の岡山もやってくれる。そういった期待感を抱けるここまでの動向であると思います。木山 隆之 監督の意向が、大きく反映されるであろう22~23シーズンに向けてのストーブリーグ。新強化部長の下、どういったクラブの選手やどういったタイプの選手が、岡山の選手に新たに加わるのか、そして、22シーズンの主軸がどれだけ残ってくれるのか。公式HPを何度も開き度々チェックすることが習慣の日々になりましたね。

22/12/03(木)情報まで。
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1、フォーメーション分析

フォーメーション分析
1、4-1-2-3:適性(6位)伸び代(2位)
2、4-2-3-1:適性(5位)伸び代(5位)
3、4-4-2:適性(3位)伸び代(4位)
4、3-1-4-2:適性(1位)伸び代(3位)
5、3-4-2-1:適性(4位)伸び代(6位)
6、3-3-1-3:適性(2位)伸び代(1位)

 今回の記事の4-2-3-1の適性と伸びしろの順位の理由について、この項では触れたいと思います。まず、重要であることは、この項では、22の戦力をベースに、この順位を決めているという点です。この項では、木山ファジと4-2-3-1の関係性や相性を考察していきたい。

適性(5位)

 22シーズンベースであると、得点に絡めるボランチの選手が不在であった。そこで、守備的ボランチ一枚の形をメインとなった。また、強力なストライカーが二人いて、得点に絡める選手が多く、揃っていたこと。そして、木山 隆之 監督は、前から行くというサッカーを強く志向していたこと。

 そう考えると、4-2-3-1は安定していたが、メインに添えるには、ややパワー不足であった側面は否定できないと思います。

 編成と監督の志向を考えると、1トップだけで得点できて、トップ下も同じぐらい得点ができる。両SHも得点に絡める。この形が実現できない限りは、メイン戦術としての優先度は低くなってしまうシステムであり、適性は5位とさせていただきました。

伸び代(5位)

 木山 隆之 監督は、ボールを繋ぐサッカーをしたいという意識のある監督であるものの、そこを落とし込むという部分での実績に乏しい。岡山を含めて、クラブの戦力なども関係している可能性こそあるが、”規律"ではなく、”自由"を重んじる監督であり、選手を”縛る"というのを好まない監督のように感じる。

 組織から入って、戦術を落とし込んで上で、個を活かしていくチーム作りに向くものの、個を活かすために組織的に戦うという一見同じようでも優先度が、組織>個なのか組織<個によって、このシステムの伸び代は変わって来る。

 木山 隆之 監督が、23シーズンでチーム作りや方針転換すれば、ここも変わって来るが、今後の補強やチーム強化に向けての情報を待ちたい所である。

2、22シーズンの挑戦

 フォーメーションの分析を終えた次の項では、22シーズンの採用理由と断念理由を振り返っていく。課題と補強ポイントをこの項では探っていきたい。

採用理由

 4-1-2-3の採用していたが、一部の選手に負担かかかり過ぎていたこと。DFラインのビルドアップが安定せず、当初考えていた相手陣地で長くプレーするという狙う内容どころか、苦し紛れのロングパスが増えて、前線に収まらずボールロストするシーンが目立つようになった。

 また、各ポジションに求められる選手へのクオリティが高過ぎて、組織的に機能させるためには、課題も多く、適材適所も叶わず、完成までの期間的にも厳しかった。

 チームの目標は、土台作りではなく、昇格を目指すという目標があるという事で、チームを1ランク上げるため4-2-3-1へのシステムへの変更を決断した。

 このシステム変更の狙いは、WGがSHに降りてくることで、SBとSHの関係性を良くする事。次に、ダブルボランチにすることで、中盤を絡めたビルドアップを安定させる。途中加入した8ステファン・ムークと15ミッチェル・デュークのハイプレスと運動量を活かすという狙いでこの形に挑戦した。

 ここにすぐ試合途中から2トップに変更して、個の力で流れを変えるという狙いも加わって、これで一つの勢いが生まれた。

断念理由

 必勝系が発見できたかと思われたが、この形で最後まで行く事はなかった。やはり、90分間で考えた時に、守備へのバランスが寄り過ぎていたこと。そして、攻撃での貢献度が高いボランチの主軸レベルの選手が、27河井 陽介に限られていたこと。6喜山 康平や28疋田 優人、17関戸 健二も試したこともあったが、4-1-2-3の時以上に27河井 陽介をフル出場に近い試合が多く、かなり負担が大きくなっていた。

 27河井 陽介は、結局オーバーワークにより負傷離脱することとなった。オーバーワークした選手は27河井 陽介だけではなかった。41徳元 悠平も同じ試合で、負傷離脱することとなった。

 しばらくは、この形で戦って来たが、悪くはないものの、やはりJ1を昇格を目指す上で、プレーオフ圏内に入り、更にその上を目指すためには、まだ足りなかった。

 これでも戦えていたが、木山 隆之 監督の志は高く、怪我人が続出した問題への改善点への着手に取り込んでいくこととなる。同時に、より得点力を高める形を探っていくこととなる。

3、補強経過とポイント

全体の補強ポイント
GK:絶対的守護神の確保(堀田が期限付き→完全移籍)。
DF(CB):後で備えるタイプのCB(鈴木を獲得)。
DF(SB):方向性に沿ったタイプのSB。
MF(DH):得点に絡めるタイプのDH。
MF(SH):FWよりの武器を持ったSH。
MF(OH):正確無比のプレーができるOH。
FW:(WG):1対1で勝負できるドリブラー。
FW:(CF):足の速いストライカー。

4-2-3-1図式整理

ポジション別の補強ポイント

4-2-3-1 22シーズン編成 23シーズン経過&ポイント

補強ポイント(GK)

 GKに関しては、正守護神の35堀田 大暉が、期限付き移籍から完全移籍となった。精神的支柱である13金山 隼樹、将来の正守護神候補の31谷口 璃成との契約更新が、発表された。人数4人確保するのか、少数精鋭の3人体制で、今季を戦うのかという状況で、ほぼGKのメンツは固まったと言えるだろう。

補強ポイント(DF)

 CBは、23ヨルディ・バイスの更新に始まり、水戸の鈴木 喜丈を完全移籍で獲得。鈴木 喜丈は、MF登録だが、本人のコメントからもCBである可能性が高い。一時期流行ったボランチの選手が、DFラインの真ん中で、攻守でバランスを取るCBであることは間違いない。

 鈴木 喜丈は、実は、J1からも声がかかっていたというメディア情報もある通り、過去在籍した選手で例えるなら竹田 忠嗣のようなタイプではないかと思われる。ただ、空中戦にも強く、よりCBとして洗練されていて、J2レベルでもこれだけの選手が、J2のカテゴリーのクラブを選ぶ時代となった。そして、そういった選手が岡山に来てくれたことは心強い。

 後は、5柳 育崇と契約更新できれば、3バックを軸と考えたチーム編成を目指すように感じる。状況に応じて、4バックも採用していければ、誰か1人出れないという状況でも戦うことができるので、更新できるかどうかは注目される。

 4濱田 水輝や3阿部 海人も3バックであれば、出場機会は増えてくることも十分考えられる。杉山 耕二の去就と合わせて今後の動向が注目される。CBが1人増えたので、4バックであれば、契約更新できれば、陣容は、揃う形となるが、どうなるか・・・。

 SBに関しては、41徳元 悠平が、FC東京に完全移籍し、2廣木 雄磨の契約満了の発表の2点のみで、今のところは、続報が待たれる状況だ。本格的に3バックに取り掛かるのであれば、本職がSBの選手の獲得は、必要最低限になる可能性こそあるが、4バックの選択肢を捨てるのは、戦術的な柔軟性も損なわれるので、流石に補強や16河野 諒祐の契約更新や24成瀬 竣平の期限付き移籍延長、デューク・カルロスや下口 稚葉、松木 駿之介のレンタルバック、既に更新された34輪笠 祐士と、まだ契約更新の発表はないが、26本山 遥のSBへのコンバートも考えられる。

 今後の動向で、およその方向性が、見えてくるので、続報を待ちたい。

補強ポイント(MF)

 34輪笠 祐士の契約更新こそあったが、現状動きはない。34輪笠 祐士をどこで、起用するかも現状は見えてこない。守備的ボランチか左SBかは、今後の続報も待ちたい。

 補強がありそうなポイントとしては、ダブルボランチを採用する上で、攻撃面で、巧いではなく、凄いと感じるタイプの攻撃的なボランチの獲得して欲しいところだ。26本山 遥と34輪笠 祐士のダブルボランチは鉄壁ではあるものの中央を経由しないチームに対しては、守備力を活かせない状況が生じてしまっていた。

 そこで、楔形パスやスルーパスを配給できるだけではなく、得点に絡める選手の獲得は、必須だ。ただ、守備&守備、攻撃&攻撃といった特徴の被る選手の選択肢もありなので、そういった組み合わせのバリエーションを増やす上で、考え得る選択肢だ。

 また、4-2-3-1を目指す上で、2列目のクオリティの強化は、必用不可欠である。昨季の新潟や日本代表で良く採用されたように、やはり巧い選手が多く揃った時に力を発揮するシステムだけに、ここを高める事ができる武器のある選手を揃えられるか。

 もし、そういった選手を揃える事ができれば、22シーズンのプレー強度にテクニックが加わって、違った魅力のある攻撃ができるようになるかもしれないので、採用する可能性がでてくると言える。

補強ポイント(FW)

 22シーズンの3選手を更新できるのが、理想であるが、声がかかっているという情報や交渉が進んでいるという情報もあり、引き留めに動いているもののなかなか厳しい現状だ。

 また、少なくとも1トップを採用するのであれば、3選手とも残れば、福元 友哉やハディ・ファイヤットのレンタルバックの可能性も低くなる。ここに動きがあったとして、どれだけの人数が揃うかで、2トップか1トップか見えてくる。

 ベストは3選手とも残ってくれることに間違いなく、このポジションも今後の動向を見守りたい。

4、総括

主軸の更新を目指した上での
補強優先度
DH≒SB>2列目

 Part6に続いて、2つ目のポジション考察となる。4-1-2-3と同様にSBの補強が、必須と言えるシステムはあるものの4-1-2-3に比べて、SHやDHとの距離が近く、SBに求められるタスクが軽くなる分、導入し易いシステムであることに変わりない。ただ、その分、中盤の攻撃面でのクオリティやバリエーションを増やす事ができる選手の獲得も必要となってくる。

 他のシステムを採用する上でも、そういった選手を獲得できれば、チーム力の底上げできるという点では、共通なので、今後の動向次第では、22シーズンの逆パターンで、3バックから4-2-3-1や4-1-2-3に変更する流れも否定できない。

 また、木山マジックで、色々な可変システムで、驚くべき戦い方を採用する可能性もある。補強ポイントではあるが、現状の動向とリンクさせて、記事を作成している。今後の残りのシステムを執筆中には、もっと動きがでてくると思うので、また論調や結論が変わって来ると思うが、そこを含めて、読んで頂けると助かります。本記事も最後まで読んで下さり有難うございました。

文章・図=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino

4-1-2-3編は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/n8b7ee800fa78

4-4-2編は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/nbb06c4f61497

3-1-4-2編は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/nff4820a85cce

全体の詳細な補強ポイントは、Part5を確認下さい。

Part5は、こちら(別記事)。
URL:https://note.com/suginote/n/nba18b52c99ad#cb6ba3bb-3af4-4b1c-ac71-46ff38eba154

ファジ造語

木山マジック
 あらゆる選択肢と可能性にセオリーや絶対はない。挑戦から修正、そして正解に近づいて行く中で、サッカーの完成度、総合力を高めていく。チームとしての戦術の幅は広がり、対応できないサッカーにより近づく。徹底した個人戦術と、組織的に戦術を兼備。予測不可かつ大胆な起用や策は、実は最適格。正攻法もしっかり採用し、その本質を見抜く慧眼と決断する豪胆さを持った勝負師でありながらリアリスト。その一手で、勝利を手繰り寄せる。


筆者紹介

杉野 雅昭
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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