2024ファジアーノ岡山にフォーカス4『 ≫≫メンバーから探る勝利へのアプローチ≪≪ 』J2 第1節(H)vs栃木SC プレビュー(岡山編)



1、両チームの3バックの狙い


2024両チーム編成予想

 先日の栃木SC編のプレビューに引き続き岡山編のプレビューをお読みいただき有難うございます。栃木の武器はやはり、5バックで高さや強さを武器にしっかり相手の攻撃を跳ね返して、サイド攻撃やセットプレーで、チームとしての高さで、得点を奪い最少失点で、勝利を目指すことにあるでしょう。

 田中 誠 監督と柳下 正明 ヘッドコーチのコンビで、両名の名前からTYシステム(TY-BOX)といった磐田の伝説のN-BOXに挑戦する可能性もあるかもしれませんが、今回は、継続性をベースとした一般的な予想の方を前提にか聞き進めて来たい。

 TYシステム(TY-BOX)が気になる方は、是非、栃木編のプレビューを読んでいただけたらと思います。記事や動画の紹介、出場データと資料多めで、文章量はやや多めですが、どういった形になるか予想しています。読むのが大変という方は、予想編成図だけでもチェックしていただければと思います。

 岡山としては、何を隠そう3-4-3(3-4-2-1)をメイン戦術に2024シーズンは戦って行くことになりそうです。木山ファジと言えば、3-1-4-2のイメージが強いと思いますが、基本的に、守備よりも攻撃を主眼に置いた戦い方を好んでいるように感じます。

 その形(3-1-4-2)を栃木が採用する訳ですが、岡山と比べて、5バックを意識しているように感じます。岡山は、両WBに攻撃的な選手を配置する傾向にありましたが、栃木は守備もしっかりできる選手を好んで起用してきた傾向にあります。

 近年の両チームの戦いでは、その栃木の守備的な形に攻めあぐねるという試合がどうしても多くなっていたように感じます。それはやはり、岡山の守備の強度が足りていなかった事と、攻撃の迫力。特に、ゴール前での人数や攻撃の形が少なかった上に、決定力が足りなかったことにあるでしょう。

 22シーズンは、チアゴ・アウベス 選手とミッチェル・デューク 選手の個の力で、高い得点力とプレー強度で、押しきることができましたが、23シーズンは、前線に怪我の選手が多かったことで、得点力不足に苦しんだシーズンとなってしまいました。

 その点、今季は、強靭な編成(怪我に強い編成)で、挑戦するシーズンとなります。22シーズンも23シーズンもチーム作りや方向性という観点で、10敗しかしていない事からも考えても23シーズンの4-3-1-2の形を含めて、負けていない訳ですが、攻守のバランスは、破綻していなかったと言えるでしょう。

シーズン成績比較
22シーズン
岡山:20勝12分10敗(61得点42失点)
栃木:11勝16分15敗(32得点40失点)
23シーズン
岡山13勝19分10敗(49得点49失点)
栃木10勝14分18敗(39得点49失点)

 ここを観ると、23シーズンの方が、苦しんでいる事からもリーグとしても厳しさが増したシーズンであったとも言えるかもしれません。

 岡山としては、10敗しかしていない事を考えましても、引き分けを勝利に変えるという事を多くの方が、1つの解決策として話されています。スタジアムで、多くの方と、話をしていても「引き分けが勝利だったら…」と、何度も聞きました。

 今季も3-1-4-2ではなく、3-4-3と”意図的“に表記されたり、発信されているようなので、攻撃で主導権を握ることになっていくのではないかと思います。

 そして、今季のチーム目標も「頂」ですから、J2でのチーム最多得点の61得点を大きく更新する70得点以上と10敗を更に減らして、9敗より少なくしていくこと。そして、引き分けを勝利に変えることで、その目標を達成して欲しいと思います。

 では、その部分について、次項から話していきたいと思います。前置きが、一番長くなってしまったかもしれませんが、よろしくお願いします。

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2、開幕予想メンバー


 まずは、開幕戦の予想メンバーからいきたいと思います。

2024ファジアーノ岡山開幕戦予想メンバー

 私と同じ予想の方をSNSで多く見かけました。実は、政田で、初めてミニゲームの練習を観た時から、GKとDFライン、41田部井の5選手に関しては、開幕もあるぞと感じていました。それだけのパフォーマンスであったと思います。

 後の選手に関しては、キャンプの情報が入ってくる中で、こんな感じではないかと固まっていった感じです。ただ、非公開の中で、アピールした選手がいれば、数人ぐらい違ってくるかもしれませんが、大きくは変わらないのではないかと感じますね。

 私の開幕戦予想メンバーの特徴として、リザーブメンバーまで考えることでしょうか。そして、私が悩むポイントとして、新人枠として、25吉尾 虹樹 選手基軸と11太田 龍之介 選手基軸の2パターンを想定しています。

 木山 隆之 監督の開幕戦の傾向を観ますと、22シーズンで、佐野 航大 選手のリザーブメンバー入り及び途中出場の起用。23シーズンも山田 大樹 選手をGKで、スタメンとして起用されていました。

 そう考えますと、ベストメンバーでもありますが、そういったチャンス枠を24シーズンも取り入れるのではないかと感じます。

 そこでポイントとなるのが、雉球さん(いつも記事及びSNSで学ばせてもらってます)が、仰られていましたが、WBの負担の大きくなるシーズンとなるのではないかというご意見に、ヒントを貰っています。

 そのため、左右のWBの交代枠を2人をどう確保するかという点が、唯一迷った点で、19木村 太哉 選手をスタメンで起用すると、左WBの42高橋 諒 選手に加えて、もう1人右のWBの選手が必要です。

 キャンプの映像を見る限り、得点シーンに16河野 諒祐 選手があまり絡めていないようなので、リザーブメンバーでも今回は見送って、25吉尾 虹樹 選手を入れるのではないかと感じています。

 25吉尾 虹樹 選手のクロスとプレースキックは、16河野 諒祐 選手に負けていないですし、1.5列目で起用できるので、新人選手を積極的に起用する傾向のある木山 隆之 監督がリザーブメンバーに入れる可能性は十分あるでしょう。

 そして、もう1つの11太田 龍之介 選手のリザーブメンバー入りを想定していた11太田 龍之介 選手基軸に関しては、19木村 太哉 選手が、リザーブメンバーに控える事で、右WBと2列目を兼ねる意図があります。

 ポジションのイメージ的には、特徴こそ違いますが「11太田 龍之介 選手=10田中 雄大 選手」と「25吉尾 虹樹 選手=27木村 太哉 選手」で、スタメンとリザーブのバランスを図るイメージですね。

 もちろん、キャンプで形の良かった形で試合に入り、5柳 育崇 選手を投入して、WBを18田上 大地 選手や4阿部 海大 選手を回したり、17末吉 塁 選手のフル出場などで、対応する可能性も十分あります。

 その場合は、25吉尾 虹樹基軸の形で、25吉尾 虹樹を11太田 龍之介 選手に入れ替える形です。もちろん、あくまで、キャンプの非公開TMを含まない形の状態での予想になりますので、2週間もあれば、序列は、十分変わることもあるでしょう。

 また、新人枠の11太田 龍之介 選手基軸で、19齋藤 恵太 選手を入れたり、16河野 諒祐 選手を入れる可能性や、WBとして15本山 遥 選手なども考えられます。

 どういったメンバーで、開幕戦に栃木を迎え打つのかとても楽しみですね。次項からは、各ポジションについて言及していきたいと思います。


3、GK考察


GK(4)
1堀田 大暉 選手、13金山 隼樹 選手
21川上 康平 選手、49スベンド・ブローダーセン 選手

 49スベンド・ブローダーセン 選手の開幕の守護神と予想しましたが、1堀田 大暉 選手を筆頭に他の選手が開幕スタメンの守護神となっても不思議ではないです。

 ただ、やはり開幕戦は大事ではありますが、開幕戦だからこそ動きやすい、挑戦し易いという面は当然ありますから、今季の目玉選手として獲得した49スベンド・ブローダーセン 選手で、挑むというのは、自然の流れかと思います。

 後は、カップ戦も今季は2大会ありますから、そこで誰を起用するかもありますし、チームとして、高いモチベーションでプレーする中で、木山 隆之 監督が、選手起用で、モチベーションの維持をどう図っていくのか。

 また、戦術的な起用で、状況に応じて、起用していくのかといった感じで、開幕戦を含め、今後の正守護神争いには、注目ですね。


『 ≫≫スギさん的深掘り≪≪ 』

 各選手持ち味が違うGKと言えると思いますが、木山 隆之 監督は、選手の組み合わせに応じて戦い方を変えて、微調整することに定評のある監督で、指示というよりは、選手起用や方向性を示すことで、戦術的なムーブメントを起こす事が上手い監督です。

 それは、個性豊かなGKにも当てはまり、例えばDFラインとGKの関係性という点で、DFラインの高さやビルドアップの組み立て方や、各選手の距離感やチームとしての動き出しの部分に変化をつけていくように感じます。

 今季は、選手層が厚いので、DFラインに言える事ですが、チームみたいな感じで、多少セットで考える事もあるかもしれません。

 という事で、今季は「GKとDFラインの関係性」と「パスの選択の違い」などに注目してみると、木山ファジの凄さへの気付きが発見できるかもしれません。


4、DF考察


DF(6)
4阿部 海大 選手、5柳 育崇 選手、15本山 遥 選手
18田上 大地 選手、43鈴木 喜丈 選手、55藤井 葉大 選手
※注釈:公式の登録ポジションではなく、起用が想定されるポジション※

 DFラインは、左から43鈴木 喜丈 選手、18田上 大地 選手、4阿部 海大 選手というチームと、左から55藤井 葉大 選手、5柳 育崇 選手、15本山 遥 選手というチーム制にする可能性もあるかもしれません。

 前者を18田上さんチーム、後者と5柳さんチームという感じにしますと、18田上さんチームの場合は、18田上 大地 選手が、DFリーダーとして長短のパスでの左右の幅を使いながらパスを繋いで組み立てることができるので、自陣での攻守の安定感を作っていく事に長けたDFリーダーと言えます。

 4阿部 海大 選手とも相性が良く、じっくりと繋ぐビルドアップではなく、ロングパスを交えつつも、自身も積極的に攻撃参加する事を含めて、より前を意識してプレーし易い相乗効果が期待できるしょう。

 18田上さんチームの場合は、こうしたDFラインの隙を消す事で、自分達がボール保持する事で、守備機会を減らす事で、被シュートを減らし、攻撃機会を増やす事で、勝ちにいくことに長けています。

 一方で、5柳さんチームの場合は、15本山 遥 選手の身体能力や視野の広さを活かしたプレス回避で、左右のCBでプレスの圧を回避していく感じで、23シーズンの事を考えれば、43鈴木 喜丈 選手の方がやり易いかもしれませんが、55藤井 葉大 選手であれば、守備強度が高く、DFリーダーの5柳 育崇 選手を含めて、身体能力で、跳ね返す事に長けたDFラインと言えます。

 ただ、一方で、強度で上回られた時に、持ち味が消えてしまうので、破綻してしまう怖さもあります。それでも空中戦と対人守備で、どちらでも相手を上回る事があれば、空中戦で跳ね返して、突破も許さないというかなりの堅守になります。

 どちらの守り方を採用するかですね。


『 ≫≫スギさん的深堀り≪≪ 』

 上記の内容を砕いて表現すると、フィジカルが武器の栃木に対して、安定感で勝ちに行くのが18田上さんチームで、力と力で勝負に行くのが5柳さんチームです。

 GKとの関係性も関係してきますし、中盤の選手の関係性を考えても”対栃木”では、18田上さんチームリードに感じますが、試合展開によっては、5柳 育崇 選手をDFラインに入れて、18田上 大地 選手をDH(ダブルボランチ)やAN(トリプルボランチ)、もしくは左右のWBに回す形で、5バック気味に戦う事ゲームプラン。前線に入れてパワープレーという選択肢もあるのではないかと感じます。

 連戦を意識してのターンオーバーでも対戦相手に応じた戦い方との両面でもこの選手層の厚さは、今季の強みであることは間違いないでしょう。

 あくまで、今回の予想は、対栃木で、色々な組み合わせの可能性もありますし、GK編でも切り込んだ通り、DFラインの高さであったり、パスの組み立ての形や距離感。徹底した個人を活かす選手術での綿密な”自由“という名のハーモニーをどう奏でていくのか、今季のDFラインにも注目ですね。


5、MF考察


MF(12~15)
DH(6~7)
6輪笠 祐士 選手、7竹内 涼 選手、14田部井 涼 選手
20井川 空 選手、24藤田 息吹 選手 、44仙波 大志 選手
(15本山 遥 選手)
WB(6~8)
2高木 友也 選手、16河野 諒祐 選手、17末吉 塁 選手
25吉尾 虹樹 選手、42高橋 諒 選手、88柳 貴博 選手
(27木村 太哉 選手)、(55藤井 葉大 選手)
※注釈:公式の登録ポジションではなく、起用が想定されるポジション※


 ボランチに関しては、24藤田 息吹 選手と14田部井 涼 選手、7竹内 涼の3選手が有力候補。サプライズで、15本山 遥 選手や20井川 空 選手も考えられますが、攻守のバランスや木山 隆之 監督の方向性を考えると、攻撃に舵を切ったメンバーで、有力ではないかと感じます。

 個人的には、24藤田 息吹 選手は、攻守でのハードワークが効いていて、存在感を示している14田部井 涼と似たタイプで、より頭脳的な守備が得意という認識です。その24藤田 息吹 選手と組むことで、試合の序盤~中盤にかけて、運動量と技術で、主導権を獲りにいくのではないかと感じます。

 DFでも触れましたが、展開によっては、守備を引き締める意味で、7竹内 涼 選手の投入する形も有力な選択肢になると感じています。追いつかれるという展開を避けたい中で、守備一辺倒にならず、攻撃でも持ち味を出せる7竹内 涼が、リザーブメンバーに控えているのは大きいでしょうし、もちろん先発として手堅く入るのもありだと思います。

 24藤田 息吹 選手と14田部井 涼 選手の運動量を後半にぶつけるという選択肢もあるでしょう。ただ、23シーズンの継続性であれば、柔から入って、後半は剛で勝負するという事が可能性も高いように感じます。

 WBに関しては、17末吉 塁 選手と88柳 貴博 選手が、攻守でフィジカルを武器に戦えるという事で、ほぼ確定ではないかと感じます。ただ、プレー強度が求められるポジションであるので、90分間で、どう維持するかという点で、交代枠を左右で1選手ずつの2枠確保するのか。スライドかフル出場でカバーするのかという2点で考えておきたい所です。

 そういった意味で、42高橋 諒 選手が、一歩リードしていて、16河野 諒祐 選手なのか、19木村 太哉 選手をベンチに置く形を採用するのか。25吉尾 虹樹 選手の堂々のリザーブメンバーがあるかどうか。


『 ≫≫スギさん的深堀り≪≪ 』

 イメージ的には、5バックとして守るというイメージよりも5トップのようなイメージで戦う感じになると思います。しかし、それでもWBにも守備免除という事なく、守備のタスクを担って、戻る訳ですから消耗がかなり激しいことは間違いないです。時には、上がったスペースのカバーにボランチの一人がスライドして埋めたり、縦横無尽にピッチを走り回る事が十番に求められる感じになるでしょう。

 後半に、運動量が落ちた時間帯にロングパス比率を増やしていくのであれば、7竹内 涼 選手を入れていく事であったり、今回の予想では全く想定していないですが、55藤井 葉大 選手や15本山 遥 選手を5バック気味に起用するゲームプランや4バック気味に守るプランもあるかもしれません。

 もし、前半に「繋ぐ」。後半に「闘う」みたいな戦い方を採用するのであれば、23ベースですし、その辺りをバランスにシフトして、バランス良く90分間一貫性を持って試合を進めるのか。スタメン選手だけではなく、FWとDFも絡んだ選手起用で、チームのゲームプランや方向性が見えてくるかもしれないですね。


6、FW考察


FW(8~11)
OH or ST(4~6)
8ガブリエル・シャビエル 選手、10田中 雄大 選手
19岩渕 弘人 選手、27木村 太哉 選手
(25吉尾 虹樹 選手)(44仙波 大志 選手)
CF(4~5)
9グレイソン 選手、11太田 龍之介 選手
29齊藤 惠太 選手、99ルカオ 選手
(5柳 育崇 選手)
※注釈:公式の登録ポジションではなく、起用が想定されるポジション※

 9グレイソン 選手と99ルカオ 選手のタイプの違う1トップを軸にした編成であることは間違いないでしょう。9グレイソン 選手は、ファジ待望の中央で仕事ができるストライカーで、そこでのチャンスメークを含めて、得点にも期待したいですし、99ルカオ 選手には、中央だけではなく、サイドでもフィジカルを活かしての突破からのチャンスメークに期待したい選手です。

 99ルカオ 選手は、9グレイソン 選手は、外に流れるイメージですから11太田 龍之介 選手をリザーブいれて、中で仕事できる1.5列目(2列目)の選手を同時に起用するのも面白いでしょう。また、29齋藤 恵太 選手と、同時起用でフィジカルでごり押しを狙って行くのも面白いかもしれません。栃木とはいえどもスピードとパワーのある両選手を抑えるとなると大変でしょう。そこでDFが乱れた所で、もう1人のシャドーの選手がみたいな形も理想的ですし、中盤の選手もパワーがあれば、飛び込めれば面白いかもしれません。

 MFですが、FWの仕事として、技巧派アタッカーとして、27木村 太哉 選手や10田中 雄大 選手、19岩渕 弘人 選手、44仙波 大志 選手、25吉尾 虹樹 選手。ここに8ガブリエル・シャビエル 選手も入って来る訳ですから楽しみですよね。


『 ≫≫スギさん的深掘り≪≪ 』

 9グレイソン 選手 or 99ルカオ 選手を頂点とした岡山のハイプレスが、今季どこまで機能するかというのが、実は今季を左右するポイントになりそうな気がします。押し込めれば、三枚+αの前から行く守備を採用する訳ですから、ここで、最低限遅らせることができれなければ、3バックの横のスペースであったり、人数をかけたカウンターの餌食になる可能性もあります。

 本日開幕したJ1の広島vs浦和ではな、浦和のプレスを巧みなボールコントロールやフェイント、お洒落なパスで、プレスを無効化したことで、広島が立ち上がりの劣勢を押し返して、主導権を握って、2-0の完封勝利でした。

 岡山は、どちらかと言えば、パワータイプの選手やドリブルで運ぶタイプの選手が多い感じなんで、ここの所で、失う回数は、どうしても多くなってしまう部分はあるかと思いますが、そこで、ネガティブトランジション(攻撃→守備の切り替え)が問われていく事になるのではないかと思います。

 栃木が、TYシステム(TY-BOX)を採用してこない限り、5バックで壁を作って、カウンターやサイド攻撃、セットプレーといったリスクが小さく、シンプルにフィジカルを活かすサッカーが、想定されると思いますので、その辺りのポジティブトランジション(守備→攻撃への切り替え)というよりは、ボールを落ち着かせて、事故的失点を避けつつ、カウンターを狙えないのであれば、18田上 大地 選手や中盤の41田部井 涼 選手などの攻撃に持ち味を出せる選手や両WBの選手の選手、左右のCBの攻撃参加など、厚みのある攻撃を仕掛けた上で、如何に中で最後に仕事できるか。ここが、最終的に問われて行く事になるのではないかと感じます。

 スタメンを意識すると25吉尾 虹樹 選手軸の予想になりそうですが、やはり栃木を意識した時に11太田 龍之介 選手の中央で、攻守でハードに戦える選手がいても面白いかなと感じます。


7、各ポジションの注目選手


GK:49スベンド・ブローダーセン 選手


 セットプレーやクロスからの高さを活かした攻撃を武器とする栃木に対して、如何にハイボール処理やポジショニング、そして、最後のセーブで、その強みを発揮できるかだと感じています。18田上 大地 選手は、5柳 育崇 選手と比べて、空中戦の高さの部分で多少不安がありますから、そこを補うプレーが、49スベンド・ブローダーセン 選手に一番求められるプレーです。

 1堀田 大暉 選手や13金山 隼樹 選手、21川上 康平 選手とした実力者揃いですから、そこを推すサポーターが唸るぐらいの活躍を期待したいですが、気持ちとしては、継続性の下で「繋ぐ・運ぶ」をフル活用して、出番が少ないのが一番かもしれませんが、サッカーには、ピンチとチャンスが高いレベルではどうしてもある訳ですから、そこをしっかり守って勝利に繋げて欲しいです。


DF:4阿部 海大 選手


 18田上 大地 選手には、かなり時間を割いて語ってきたことと、43鈴木 喜丈 選手は、説明不要ぐらいの実力者です。であれば、開幕戦に予想した4阿部 海大 選手について、触れて置くべきかと思います。

 状態の良い15本山 遥 選手ではなく、4阿部 海大 選手を推す一番の理由は、前への強い拘りです。相手の自由を許さない抑え込む守備は、秋田への期限付き移籍で、取り戻していましたし、判断が全体的に速くなった事で、思い切りの良いプレーもできるようになりました。1秒でも判断が遅れれば、相手のプレスの餌食となるという事は当然ありますし、そこで決断良く、クリアするのか、前に蹴るのか、繋ぐのか、戻すのか。ここがシンプルに良くなっています。

 そして、もう1つ良くなっていたのが、攻撃参加への強い意識です。流石にフルコートだと回数は限られるかもしれませんが、やはり3バックだと基本的にサイドが一枚ですからCBの攻撃参加が、許されたポジションですから、そこで如何に上がれるかです。ミニコートでは、WBの様なサイドの駆け上がりやシュート練習でもFW顔負けの強烈なシュートもありました。セットプレーでの得点源としても期待できますし、行き詰まったサイドを外から駆け上がる事で、攻撃に厚みを作れる選手へと成長を遂げていました。

 攻守ともにより積極的に、アグレッシブに、戦える。栃木戦は、奇麗に繋ぐというよりは、球際がより問われる試合となると思いますので、とりあえず、初戦は、4阿部 海大 選手の良さが活きるイメージが沸いていたので、開幕スタメンの可能性は高いと思いますので、岡山と秋田で培った力を見せつけて欲しい。


MF:14田部井 涼 選手


 「涼」からは想像できない「臙脂色(えんじいろ)」の魂の色をしたプレーが、岡山でも代名詞となりつつあります。これだけ、技術力と創造力のある選手が、攻撃に守備に走ってくれたら、チームを助けるし、走った後の精度も半端ない。

 栃木の厚い壁を崩すには、8ガブリエル・シャビエル 選手がいない時には、そのアイデアが、キーとなる。なぜ、進出希望の運動量は、「なぜそこに?」といった驚きの得点やアシストを記録してくれるかもしれない。

 24藤田 息吹 選手との小刻みなパス交換や左足から繰り出される大きな展開のパスで、有利の局面を創出するような場面を作る事ができれば、18田上さんチームの場合は、より主導権を握った戦い方、5柳さんチームの場合は、跳ね返したボールを拾って、二次攻撃を防ぎ、自分達のターンに持って行くプレーで、期待できます。

 キャンプの動画を観ても、攻撃のスイッチを入れるシーンでのパスでの始点は、14田部井 涼 選手からで、この栃木戦でも彼が絡めば、攻守で主導権を引き寄せるプレーが期待できる。そういった充実のプレーに期待したい。


FW:11太田 龍之介 選手


 9グレイソン 選手と99ルカオ 選手は、やってくれるはず。しかし、岡山のホーム開幕戦で、11太田 龍之介 選手がメンバーに入れるかどうか。個人的に、ここは、FWの中で、再注目ポイント。勝利だけ考えれば、別の選手をメンバー入れる可能性も高いですが、11番という番号からも期待も大きい。22シーズンの佐野 航大 選手のように、多くのファジサポの期待を起用から演出していく。鼓舞する。成長しながら戦って行く。そこへのプレゼンテーションと指針という意味で、今後に繋がりそうな気がします。

 ユニフォームの人気から考えてもスタメンは難しくてもリザーブメンバーに入れたい選手だと思いますし、キャンプこそ出遅れましたが、そういった力がある選手だと思います。慎重に起用していくという考え方もあると思いますが、1年目から二桁得点の11点以上ぐらい決めれる力を秘めた選手だと思いますし、メンバーINを期待したい。

 その辺りの、木山 隆之 監督の決断に注目したい。


8、プレビューまとめ(おさらい)


①両チーム編成予想

2024両チーム編成予想

シーズン成績比較
22シーズン
岡山:20勝12分10敗(61得点42失点)
栃木:11勝16分15敗(32得点40失点)
23シーズン
岡山13勝19分10敗(49得点49失点)
栃木10勝14分18敗(39得点49失点)

「両チームの特徴」
3バックの特徴(岡山)
・5トップも意識した攻撃的3バック
3バックの特徴(栃木)
・5バックを意識した守備的3バック
・TYスタイル(TY-BOX=N-BOXのイメージ)


②開幕予想メンバー&考察

2024ファジアーノ岡山開幕戦予想メンバー

考察(GK)
①ハイボール処理を意識
②ワールドクラスのプレーに期待
③内外に納得できる安定感に期待
④DFラインとGKの関係性に注目
⑤ビルドアップなどの変化にも注目

考察(DF)
①18田上選手軸は、主導権を握る力が武器
②5柳選手軸は、跳ね返す力が武器
③ゲームプランとして守備固めの形に注目
④スライドを含めた選手起用の幅に注目

考察(MF)
①DHとWBの運動量に注目
②最後に引き締めるなら7竹内選手リザーブスタート
③最初手堅く行くならスタートから7竹内選手
④DHとWB共に守備的プランの可能性(選択肢)もある

考察(FW)
①9グレイソン選手と99ルカオ選手を軸に
②組み合わせストロングポイントを変える
③スタメンとリザーブからゲームプランが見える
④攻撃だけではなく、守備の切り替えにも注目
⑤他のポジションのフォロー待つ攻撃にも注目


③注目選手

「各ポジション注目選手」
GK:49番 スベンド・ブローダーセン 選手
DF:4番 阿部 海大 選手
MF:14番 田部井 涼 選手
FW:11番 太田 龍之介 選手


9、開幕戦に向けて


 最後までお読みいただき有難うございます。少し駆け足で、上手くまとめられなかった。表現できなかった部分もありますが、その部分はレビューで語る事ができたらと思っています。

 広島の新スタでの完勝と名古屋のホームでの完敗と天国と地獄のホームチームの結果になった訳ですが、両チームの試合後の充実度や内容を考えましても、どちらに寄れるかというのはあると思いますし、本当に天候が心配される中でも多くの方が、スタジアムに足を運び、夢を信じて、悲願のために勝利を目指す。

 今季は、全選手のチャントが容易されて、屋根があるからとはいえ、メインスタンドの売れ行きも好調。多くのサポーターが、それぞれの形で、チームを全力で後押ししていく。

 本当に貴方の声が拍手が、歓声が、選手を後押ししていく。どういった結果になってもベストを尽くす。後悔がないように、全力で戦って、サッカークラブを応援できる喜び、観戦できる喜びを噛みしめつつ、最高の開幕戦にしよう。

 J2昇格同期の栃木も岡山に対して、勝ちに来ますから、球際で厳しく来る栃木のパワーに、ピッチでも応援でも負けない。強く最後まで、90分間戦いきりましょう。

 今季もよろしくお願いいたします。

こちらもよろしくお願いします。

文章・図=杉野 雅昭
text・figure=Masaaki Sugino


筆者紹介
 冷静さと熱さを両立した上で、自分の感じた事を自分の言葉で表現することを大事にしている。ハイライトやテキスト速報をレビューを書くために確認するが、極力SNSは、情報を遮断して、レビューを執筆している。流石に通知なので、軽く目にすることこそあるが、綿密に分析するというよりは、サッカーというスポーツの魅力を発信することを一番大事にしており、ファジアーノ岡山だけではなく、対戦クラブにも最大限のリスペクトの気持ちで、サポーターとの交流や魅力を語り合うことが好きで、レビューを書き始めて、中断期間や書けなかった試合もあるが、10年以上、ファジアーノ岡山を中心にサッカーのある生活をエンジョイしつつ、応援してきた。


10、アディショナルタイム(ファジ造語24)


『 ≫≫力を出し切る三原則≪≪ 』
「決め切る・勝ち切る・逃げ切る」という課題と語ったGMの服部 健二 氏の言葉から想起した「力を出し切る三原則」という2024シーズン第一弾のファジ造語とさせていただいた。来季を観て行く上で、勝利するために、チームがどう強くなったのか、是非、結果から「力を出し切る三原則」をクリアできているか注目したいですね。

『 ≫≫虹色の右足≪≪ 』
24シーズンがルーキーイヤーとなる24番吉尾 虹樹 選手の右足から放たれるパスやクロス、シュート、プレースキックの全てが、高精度であることをより魅力的に伝えるファジ造語。24吉尾選手の名前の「虹樹」の「虹」があり、「虹色の右足」に相応しい選手であると思います。プロとして経験を積む中で、「虹色の右足」は、大樹のようにチームを支えることができる可能性を秘めていることも間違いないでしょう。

『 ≫≫木山マジック≪≪ 』
固定概念を作らない木山 隆之 監督の自由で大胆な決断により、チームを勝利に導くことができる試合采配や選手起用を指すファジ造語。誰にも思いつかない自由な発想と大体な一手で勝利を手繰り寄せてきた将棋で一時代を築いた羽生 善治先生の一手が「羽生マジック」と呼ばれていたが、そこに由来して、「木山マジック」と命名した。22シーズンは、サポーター間でも浸透した。24シーズンでも聞きたいワードですよね。

『 ≫≫剛よく剛を制す≪≪ 』
「サッカーにおいても剛強なものが、剛強な力によって、無慈悲にも剛強なものを押さえつけてしまうという弱肉強食の世界である」という意味の造語」本来は「柔よく剛を制す=柔軟性のあるものが、そのしなやかさによって、かえって剛強なものを押さえつけることができる」という意味の造語だが、99ルカオ選手のフィジカルが、あまりに凄すぎるので、諺(ことわざ)を弄ることでその強さを表現したファジ造語。


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