2021ファジアーノ岡山にフォーカス52 「シーズン総括(ワード編)

 全文無料公開。選手の表記は、見易さの観点から省略させていただいく場合もありますが、○○(選手)の意識で、全ての選手や監督、読者の方々に最大限のリスペクトをもって、文章にさせていただいています。そして、目標としているスタイルは、客観的視点で発信していくこと、前向きになれる批評。少しでも良いクオリティを目指していますが、まだまだ未熟ゆえに、おかしな点などあるかもしれませんが、最後までお付き合い頂けると幸いです。そして、よろしければスキやフォロー、購読などもして頂けると嬉しいです。

1、 ファジ造語とは?

 シーズンが進んでいく中で、有馬 賢二監督がサッカーを改善点に対して、的確な修正や解決策を掲示し、チーム強化をして行く中で、チームとして進化し、チームスタイルが形となっていきました。そのチームの成長に対して、私が良い表現がないか考えて行くなかで、表現したワードが、ファジ造語です。あくまで、サッカーファンであるサポーターの1人の表現に過ぎないが、その時のサッカーを表現したいと考えたワードで、そこを時系列で振り返ることで、総括となるのでは?というのが、このフォーカスの趣旨です。

2、時系列で振り返るファジ造語

「ファンタジスタシステム」

 2トップに技術のある選手を据えて、中央にポジションをとる。中央を通そうとするパスコースを制限し、サイドへ出した所を狙う。そこを突破された後も、粘り強く守り、ボールを奪ったら2トップにボールを集め、技術のある選手が攻撃に移った時に、2トップの傍にいき、技術と創造性を活かして、ゴールに迫るやや攻撃よりの作戦。

解説
 14上門 知樹と20川本 梨誉の2トップ形。ボール奪取のためにパスコースを制限し、中央へのパスを通させずサイドでボール奪取する有馬ファジの基本方針が1つの形となったスタイルを表現した造語。また、2トップの得点力も高く、技術のストライカー2人のプレーは見ていて心躍るプレーが多かった。ただ、ロングパス主体の攻撃のチームに対しては寄せて行かないといけないので、難しい点もあった。

「ミッチェルプレス」

 速さ・高さ・強さ・巧さ・持続力によって、19ミッチェル・デュークがプレスを繰り返して行く中で、攻撃的なMFが追随する中で、相手のパス回しの自由を大きく制限する。また、後方の選手もハイライン、中盤もコンパクトに保つ事で、高い奪取力を発揮する。ただ、チームとしての消耗も大きく、19ミッチェル・デュークの1トップ時しかできない作戦。

解説

 待望のCFの適性もある19ミッチェル・デュークの加入のチームの変化を表現した造語。岡山デビュー戦は、岡山サポに衝撃をもたらした。驚異的な運動量で、ボール保持者へのプレスを続けた。ファンタジスタシステムは、プレスを必要最低限であったが、こちらは、積極的にプレスをかけていくことで、相手に制限をかけて、パスを誘導させて奪取する。14上門 知樹の状況判断の良さも後押しし、サイドに誘導して奪う形の対応力をより広げた。

「勝利の方程式」

 リードした場面で、4バックから3バックにシステム変更し、重心を完全に後ろに置く分けではなく、中間に位置をとり、遊撃に専念しつつ、カウンターにより追加点を狙う。スペースを空けずに、岡山の守備時の集中力や献身性を活かし、守備にハードワークし、攻め手側のミスを誘発させて、時間を稼ぐことで、同点や逆転のリスクを小さくし、逃げ切る作戦。

解説

 夏場以降の補強により、チームが良くなる中で、リードして後半終盤に入る形も増えてきた。0-0やビハインドの状況でDF一枚削って、得点を奪いいくという狙いも多かった3バックが、リードを守り切る意味合いが強くなった3バックとなった。リードして3バック(5バック)の逃げ切りの成功率は高く、バーや判定に助けられた試合こそあったが、幸運なプレー1つでも勝ち点3に繋げる事ができた接戦に強い3バックであり、4濱田 水輝が投入された時のチームとしての安心感があり、まさに勝利の方程式と言える造語。

「高低縦横の攻防」

 得点を狙う攻撃スタイルの属性の指標。9李 勇載と19ミッチェル・デュークが揃う事で、縦の攻撃と横の攻撃。どちらでも高い質の攻撃が可能となる。また、低い(グラウンダーの)クロスやパス、高い(浮き球)のクロスやパスの多彩な出し手も揃った事で、多彩な攻撃と柔軟性のあるチームスタイルが可能となった有馬ファジが目指す理想系の1つの形を感じさせる要素。

解説

 9イ・ヨンジェと、19ミッチェル・デュークの2トップは、J2トップクラスのコンビであることを表現する造語。9イ・ヨンジェの縦へのスピードとパワーで、地上と縦を支配し、19ミッチェル・デュークは、空中戦の強さで空を試合し、運動量で、横もカバー。まさに、前線の2トップで、あらゆる空間で主導権を握る事で、上位対しても前線で勝負できる形を作った。怪我や代表で、なかなか2選手が揃う事は限られたが、出場した試合では、J2の上位である磐田や京都に対しても一歩も引かないプレーができた事を表現した造語。

「守備は最大の攻撃」

 良い守備からの攻撃が主な攻撃パターンの岡山のチームスタイルを表現する言葉。岡山が意図した展開の時は、自陣でのプレー時間が短く、シュート数が多くなる。ただ、現状は得点まではなかなか繋げられず、攻撃は最大の防御と言えるぐらい質の高い攻撃ができない現状のチームが行き着いた勝負に徹する岡山の献身性が反映されたプレースタイルと言える。

解説

 攻撃は、最大の防御が一般的ではあるが、岡山は良い守備ができることで、良い攻撃ができた。ただ、長い連勝ができていないように、得点力の部分では、まだJ2トップと比べると差もあったのも事実。しかし、守備を整理し、選手の特徴を最大限活かす事で、攻撃の質が、試合を重ねる毎に伸びて行き、守備の良さの攻撃への貢献度が高くなっていた事を表現した造語。

「+1を作る3の原則」

 攻守のあらゆるプレーで、数的有利を効果的に作る事で、守備時にはスペースを空けない。攻撃時には、対応が難しい攻撃パターンを多彩化することで、守り辛くする。また、守備では危険なシーン自体を少なくするリスク管理、攻撃では、良い形を作るための迅速さ。こういった部分を最低でも3人で、そして第3の動きを強く意識したチームで戦う。

解説

 守備での数的有利に加えて、攻撃面でも個性豊かな武器を持ったスペシャルな選手が揃ったことで、攻撃でも数的有利局面が作れるようになった。この数的有利は、純粋な人数対人数ではなく、個の力で相手の守備組織を乱し、スペースという限定的な場所での数的有利を作る。そこにスペースという+1を作るサッカーができていた。最終節の千葉戦でこそ敗れたが、この+1を更に個の力で+2の効果のように得点を重ねて、勝ち点も伸ばした。そういったサッカーの基本とも言えるが、それが難しいが、高いレベルの完成度に到達した有馬ファジの集大成として、「+1を作る3の原則」という造語に行き着いた。

3、 最後の総括に向けて

 このフォーカスでは、目に見える変化が見えたチームの成長を感じたチーム作りに対して、巧くその凄さを少しでも伝えたいという想いからファジ造語という項目として、レビューのファーカスの最後尾に付け足していた。その造語の意図や由来について伝えていくことで、有馬ファジの凄さが改めて少しでも伝わっていると嬉しい。木山ファジでも開幕当初から想起すれば、ファジ造語は採用していきたいと考えています。

 21シーズンの最後の総括では、ここまでGK~FWまで総括してきたが、そういった要素を含めた最終的な有馬ファジの強さと、ファジ造語だけでは伝えきれなかった有馬ファジの強さについて、私が感じた事をまとめていきたいと思っています。そこからは、22シーズンに向けての情報をまとめていきたいと思っています。合間には、企画ものもまとめつつアップできそうならしていきたい。

 それでは、ここまで読んで下さり有難うございました。次回のフォーカスの方もよろしくお願いいたします。

文章=杉野 雅昭
text=Masaaki Sugino

自己紹介
 某ゲームから野球派からサッカー派へと移籍。当時チーム名が、ジェフユナイテッド市原であった現ジェフユナイテッド千葉に興味を持つ。オシム(監督)と阿部 勇樹(選手)を中心にJリーグと代表をチェックしてきた。2008年より地元クラブであるファジアーノ岡山のサポーターデビュー。そこから、多くのファジの試合を見てきた。忘れることのできないエピソードが年々増え、シーズンを重ねる毎に想いは強く深くなり、2021シーズンは、初めて号泣。心からサッカー好きで、戦術の奥深さや、プレーの凄さなど、サッカーの本質での攻防にフォーカスを当てて、客観性と冷静さを意識した文章を投稿している。そのレビューへと突き動かす原動力は、サッカーへの情熱。熱さと冷静さを兼ね備えたフォーカスを今後も目指して、投稿を目指していくことで、サッカーの魅力の発信と、サッカーを通じた交流による、感動の共有と縁の繋がりが、楽しみ。ただ、たまに調子に乗り過ぎて失敗する悪癖もあるので、治したいとは思っている。そんな私ですが、noteやSNS、スタジアム等で、交流できたら嬉しく思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

試合レビュー

2021ファジアーノ岡山にフォーカス46
J2:第42節:ファジアーノ岡山 vs ジェフユナイテッド千葉
「有難う有馬さん、有難う椎名さん、有難うファジ」

URL:https://note.com/suginote/n/n511a1b501907

まとめ

2022ファジアーノ岡山 にフォーカス2
「木山隆之新監督についての情報まとめ」

URL:https://note.com/suginote/n/na7a6e0f1028c


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自分の感じた事を大事にしつつ、サッカーを中心に記事を投稿しています。今後とも、よろしくお願いいたします。