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変化に適応していくブランドがしていること

僕は人事として、マネジメントとして、組織をより良くしていくことを毎日考えています。

人事と言いながら、働く場としてのブランディングがメインです。採用ブランディングや、エンプロイヤーブランディングと呼ばれている領域です。

そんなわけで色々な会社のブランド活動をいつもウォッチしているのですが、このコロナ禍の中でブランディングとして秀逸だなというケースを何社も見てきました。

例えばこんな会社です。

いずれも3月のタイミングではメインビジネスの枠を超えて、取り組みが進んでいました。コロナ禍の変化を捉えられずにそのまま既存ビジネスを進めている会社が多く、良くて自社のビジネスを守ることが精いっぱいな会社がほとんどな中で、際立った動きに感じます。

これらの例はもちろんブランディングが目的ではない。ただ、大胆な意思決定、社会的な意義、取り組み姿勢を考えれば、絶大なイメージ効果があったことは察するに及びません。

ポイントは動的存在としてのパーパス

どうしてこうした企業は迅速に、変化に適応していけるのか。ふわふわ考えていたのですが、以下の記事をみてなるほどなーと腹落ちしました。

こちらの記事に書かれているブランディング観点でのポイントは以下の3点です。

・明確に言語定義されたパーパスの提示
・パーパスドリブンの意思決定と、事業ドメインと直結した行動力
・極めてアジャイル(迅速)に打ち出し続ける姿勢

ブランディングのベースとなるパーパスとは「スローガン」でも、組織の「らしさを示すだけのもの」でもないということ。抽象度の高い言葉のまま、額縁に飾られてほこりをかぶっている。そんな静的なパーパスでは意味が無い。

パーパスとは、環境や状況、社員や顧客の状態にあわせて有機的に変化して行動を促していくもの。つまり動的な存在である必要があると述べられています。

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動的存在としてのパーパスを示しているのが上図です。(記事内より引用)

パーパス(WHY)が上位概念にあって、HOWやWHATが続くというのが従来のイメージ。そうではなく、パーパス(WHY)は中心にあって、他の要素と有機的につながっていると捉える。

それってつまり・・・

WHYとWHEREの関係は、ミッションとビジョンとも置き換えて捉えられます。WHYは普遍的ですが、WHEREはコロナ禍のようなパラダイムを変える出来事があれば変化します。すると、「意味付け」も当然変わってきます。

WHYとHOWの関係は、どのような切り口やアプローチ、哲学でWHYを実現していくかということになります。WHYとHOWによって「らしさ」が生まれ、POD(Point of Difference)につながります。

WHYとWHATの関係は、何を提供価値としていくのかという話です。価値には機能的価値と情緒的価値がありますが、より今の時代において重要なのは情緒的価値(感情的な支持)であると思っています。

パーパス(=WHY)を中心として、WHERE、HOW、WHATが関係しあっています。そして、取り巻く環境は刻一刻と変化しています。

パーパスを実現していくためには相互作用を通じて、変化に適応していくことが求められます。

これまでの捉え方だとパーパス(やミッション・ビジョン・バリュー)を設定して満足、みたいなことがあったかもしれません。それでは意味がないのです。

シンプルに考えると「WHY」から始めるということ

構造的に捉えるとインターブランドの記事は納得感ありますが、もう少し感覚的に捉えるのであればシンプルな話だと感じます。

つまり、「我々のパーパス(存在意義、ミッション、志など)は何か」ということが明確な言葉になっていること。そしてパーパスに沿って「今、もっともすべきことは何か」を問うこと。それを行動に移すこと。

ただそれだけなんだと思います。

そしてそれは経営レベルの意思決定もあれば、現場スタッフの意思決定で実行できることまで、規模の大小は問わないものだとも感じます。いずれの立場であっても、「今、もっともすべきことは何か」の解に向き合うこと。

ダイソンやテスラのようなことは自分にはできないかもしれませんが、今、自分ができることに向き合うことは、自分にしかできないことです。それを組織に属する1人ひとりができれば、そんなに素晴らしい組織はないなーと感じます。

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