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まいにち短編

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【まいにち短編】#4 グッドバイ、線香花火

【まいにち短編】#4 グッドバイ、線香花火

きっと、これが人生で最後の花火になるだろう。

何故なら、花火を燃やしたときに発せられるガスの中に人体の健康を脅かす有害物質が含まれていることが新たな研究で発覚し
一斉に規制がかかった。
だから、これは人生で最後の花火で、ちょっとしたテロ行為にあたるだろう。
見つかったら逮捕されてしまうかもしれない。

「…綺麗だね。」
「うん、とても綺麗だ。」

闇夜に煌めく、赤や青の光。
隣に座る、最愛の彼女

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【まいにち短編】#3 紫陽花の誘い

【まいにち短編】#3 紫陽花の誘い

腰の痛みで目を覚ます。

時計を見ると日付がいつの間にか変わっていた。深夜25:00。
話題になっていた韓国ドラマを観ようと意気込んでいたが、冒頭30分でどうやら途中で寝てしまっていたようだ。

ネタバレにならないよう、垂れ流されていたドラマを停止すると、部屋は張り詰めたような沈黙でいっぱいになった。
1LDKの部屋は、こんな時にとても広くて怖い空間のように感じる。

明日の予定は特にない。片付け

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【まいにち短編】#2 金曜夜の十柱戯

【まいにち短編】#2 金曜夜の十柱戯

男性と二人っきりでボーリングなんて、26年生きてきて初めてだ。
これまで何人かと映画を見たり、美術館に行ったことはあったけれども、
ボーリングという選択肢を挙げてきた人はこの人だけだった。しかも飲んだ後に。

私も彼も、アルコールの匂いがほんのり香っている。
さっき食べた上品な魚たちは、今頃胃の中でワインと混ざってぐちゃぐちゃにされてしまっているだろう。
満腹感と少しの酔いで、眠気が襲ってきている

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【まいにち短編】#1 香り

【まいにち短編】#1 香り

松茸って、大してそんなに美味しくないのに、この扱われ方は一体どういうことなんだろう。

スーパーで買い物途中、これでもかという位に貼られたPOPを見て、ふとそんなことを思う。

昔ばあちゃんが作ってくれた松茸のおこわを思い出した。

その時初めて食べた松茸は、醤油とみりんの味しかしなかった。

相当美味しいものだと母が言っていたので、とてもワクワクして口に運んだけれども、とてもがっかりしたことを覚

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