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短編小説から見る社会

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菅原ゼミで読んだ短編小説の書評を順次掲載していきます。書評は全てゼミ生が書いています。授業期間中の毎週末ごろ更新です。  ※ネタバレありですので気になる方はお気をつけください。
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#マンガ

大島弓子「毎日が夏休み」書評(2)(評者:山口莉乃)

大島弓子「毎日が夏休み」書評(2)(評者:山口莉乃)

大島弓子「毎日が夏休み」書評(『つるばらつるばら』(白泉社文庫)収録) 
評者:山口莉乃

 私達にはそれぞれの人生がある。その人生は人によって様々で仕事や家庭・価値観など全部同じ人はいない。私達は卒業を経てこれからどんな人生を築いていくのだろうか。仕事がしたいと強く思える日はあるのだろうか。この作品は私にとって人生について考えさせられる作品になった。
 彼らはほとんど会話をしないスクラップ家族で

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大島弓子「毎日が夏休み」書評(1)(評者:竹中菜南子)

大島弓子「毎日が夏休み」書評(1)(評者:竹中菜南子)

12月24日の4回生ゼミは漫画回でした。大島弓子「毎日が夏休み」を読みました。

大島弓子「毎日が夏休み」書評(『つるばらつるばら』(白泉社文庫)収録)
評者:竹中菜南子

 毎日が夏休みだったらと考えたことは人生で一度はあるだろう。学校や仕事に行かずに明日からをどう過ごそうかと自分で計画を立てて、夏休みを堪能できる。そんな日々が毎日続くのなら、どれほど楽しいだろうか。しかし夏休みとは学校や仕事が

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大島弓子「四月怪談」書評(2)(評者:吉岡渚)

大島弓子「四月怪談」書評(2)(評者:吉岡渚)

大島弓子「四月怪談」(白泉社文庫『四月怪談』収録)

評者:吉岡渚

  四という数字は日本では死と同じ発音をする為に忌諱されている。怪談ともあればそれをいっそう掻き立てる。四谷怪談という一字違いが存在するせいかもしれない。けれども、一字異なれば意味も大きく異なる。日本での四月は入学式や入社式と新年度が始まる、始まりや出会いの季節と呼ばれる。この物語も、怪談とついているが四月のタイトルの通り出会

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大島弓子「四月怪談」書評(1)(評者:古賀芽生)

大島弓子「四月怪談」書評(1)(評者:古賀芽生)

今週の3回生ゼミでは、初の試みとしてマンガ作品を取り上げてみました。扱ったマンガは、大島弓子の往年の名作「四月怪談」です。

大島弓子「四月怪談」(白泉社文庫『四月怪談』収録)

評者:古賀芽生

 自分の取り柄は何かと問われた時、すぐに答えられる人はどれほど存在するだろうか。おそらく大抵の人は即答できずに考え込んでしまう。だが重要なのは取り得の有無ではなく、今の自分で幸せだと言えるかどうかでは

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