菅原一道@税理士

1982年生まれ。税理士法人を3社、小規模→EY(Big4)→令和会計社(パートナー)…

菅原一道@税理士

1982年生まれ。税理士法人を3社、小規模→EY(Big4)→令和会計社(パートナー)を経て2021年独立開業。上場企業グループを中心にサービスを提供中。書いてほしい記事があればコメントください!お仕事のご依頼はコチラからhttp://onekaikei.com/contact/

最近の記事

外形標準課税有利不利判定ツール

無償減資による節税を行う会社が多いようなので、その中の外形標準課税部分に関する有利不利判定ツールを作成してみたのでご自由にご活用ください! 少しでも役立ったらTwitterなどフォローしてもらえると嬉しいです笑

    • マンスリーマンションの消費税

      今回は、消費税が非課税とされる住宅の貸付について書いていこうと思います。この記事を書こうと思ったきっかけは、クライアントからレオパレスのマンスリーマンションについて質問があり、意外に深い論点だなと思ったので書いています。(単純なようで難しいなと思いました) 住宅の貸付の一般的な取り扱いについては、下記タックスアンサーをまず確認してみてください。 タックスアンサー No.6226 住宅の貸付け 今回の記事を書くきっかけとなったレオパレスのケースについて考えてみたいと思います

      • 減資に係る発行会社の会計・税務処理(有償減資編)

        前回に引き続きで減資に係る発行会社の会計・税務処理について書いていこうと思います。 前回記事かこちら:減資に係る発行会社の会計・税務処理① 前回は減資に係る下記パターンのうち①②を見ていきましたが、今回は③を見ていこうと思います。 ①資本金減少のみ ②資本金減少→欠損填補 ③資本金減少→剰余金配当 ③のパターンは一般的に有償減資と言われるもので、資本金を減少させてから剰余金の配当を行うという行為です。 まずは会計上の取扱いを見てみましょう まず、資本金を減少した場合には

        • 減資に係る発行会社の会計・税務処理(無償減資編)

          今回は減資に係る会計・税務処理について書いていこうと思います。 自己株式の取得と減資で似たところもあるので下記記事も良ければ見てみてください。 自己株式取得に係る取得会社の会計・税務処理 自己株式取得に係る各株主の会計・税務処理 まずは減資について簡単にご説明しようと思います。 減資というワードを聞いたときには剰余金の配当を伴うものをイメージするのではないかと思います。これはいわゆる有償減資と言われるもので、資本金を減少させてから剰余金の配当を行うという行為です。 一方、無

        外形標準課税有利不利判定ツール

          自己株式取得に係る各株主の会計・税務処理

          今回も前回に引き続き自己株式の取得について書いていこうと思います。前回は取得会社側の処理を書きましたが、今回は株主側の処理になります。 前回記事:自己株式取得に係る取得会社の会計・税務処理 今回は早速数字を使って書いていきます。(前回の記事と同じ数字で行きますので、前回の記事も合わせてご覧ください) まずは会計上の処理ですが、会計上は単純で今回のケースでは交付金銭、いわゆる売却価額が1,000円で取得価額が300円なので700円の売却益が生じることとなります。 次に税務

          自己株式取得に係る各株主の会計・税務処理

          自己株式取得に係る取得会社の会計・税務処理

          今回は自己株式の取得について書いていこうと思います。頻繁に出てくるわけではないので、みなし配当などどのように計算するのか迷いますよね。 まずは会計上の処理から見ていきましょう。 会計上はいたってシンプルで自己株式を取得したときは取得原価を純資産の部の株主資本から控除することになります。下記仕訳のとおりこれだけです。 次に税務上の処理を見ていきますが、こちらが少しめんどくさいですね。 税務上は自己株式の取得を資本の払戻しと考えていてイメージとしては純資産の部の払い戻し、すな

          自己株式取得に係る取得会社の会計・税務処理

          役員給与の未払計上について

          今回は役員給与の未払計上について書いていこうと思います。 本題に入る前に少しだけ役員給与の概要について触れておこうと思います。 役員給与は無条件に損金算入されるわけではなく、定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与のいずれかに該当しない限り損金不算入となってしまいます。(詳しくは国税庁の「役員に対する給与」をご覧ください) 実務的に一番多いのは毎月定額の役員給与とする「定期同額給与」に該当させて損金算入するというものだと思います。 今回のテーマはこの毎月定額というのは

          役員給与の未払計上について

          役員報酬の減額の方法(返納orカット)による法人税と所得税の処理

          今回は役員報酬の減額について法人税、所得税の両面から考えていこうと思います。 まず、法人税の取扱いですが役員報酬を期中に減額する場合には下記の要件に該当しない限り損金として認めてもらえず損金不算入となってしまいます。(役員に対する給与の基本的な取り扱いについてはこちら) ①3月以内改定 事業年度開始日から3月以内の改定 ②臨時改定事由 役員の職制上の地位の変更、職務内容の重大な変更に伴う改定 ③業績悪化改定事由 経営状況が著しく悪化したことによる改定 例えば新型コロナウ

          役員報酬の減額の方法(返納orカット)による法人税と所得税の処理

          民法上の組合の組合員(出資者)の会計、税務処理①

          今回は民法上の組合の会計処理と税務処理について書いていこうと思います。長くならないように頑張ります。 まずは、民法上の組合とはなんぞやというお話からしたいと思います。 民法667条では「組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。」とあります。 例えば共同事業契約書で出資比率を定め、出資比率に応じて損益を分配するみたいな契約になっていれば民法上の組合に該当することになります。 (契約形態によっては判断が難しいので実務的にはいろ

          民法上の組合の組合員(出資者)の会計、税務処理①

          BIP信託の受益権確定時の処理(法人税)

          前回はESOP信託の受益権確定時の処理について書いていきましたが、今回は題名にあるとおりBIP信託の受益権確定時の処理について書いていこうと思います。 BIP信託の場合には対象者が取締役などになるため従業員の場合のように無条件に損金算入されるということはありません。平成29年度税制改正で変更になった部分でもあるので下記表にまとめてみました。 改正後の損金算入要件である業績連動給与については下記の要件を満たす必要があります。これらの要件を満たすように制度設計をする必要がある

          BIP信託の受益権確定時の処理(法人税)

          ESOP信託受益権確定時の処理(法人税)

          今回はESOP信託(株式給付信託)の受益権確定時の会計処理と税務処理について書いていこうと思います。(ESOP信託は受益者等課税信託に該当するという前提です) まず大前提として、ESOP信託は従業員が対象なので在任時交付型(給与所得)でも、退職時交付型(退職所得)でも損金算入されることに変わりはないのでご安心ください。(役員を対象としたBIP信託については一定の要件に該当しないと損金算入されないのでご注意を) BIP信託についてはこちら ちょっと事例をもとに書いていこうと

          ESOP信託受益権確定時の処理(法人税)

          上場有価証券の評価損に係る損金算入

          今回は上場有価証券の評価損に係る損金算入について書いていこうと思います。ここは結構シンプルなのでサクッといきます。 まず、上場有価証券ですが日本で言うと東証一部・二部やマザーズ、ジャスダックなどがあり、海外の市場で上場しているものも今回の上場有価証券に該当すると思います。 でもって、会計上でこの上場有価証券の評価損(減損)を計上した場合に、この評価損(減損)を損金算入するためには下記2要件を満たしている必要があります。(法人税法基本通達9-1-7) ① 時価が簿価の50

          上場有価証券の評価損に係る損金算入

          イギリスの芸能法人に対する出演料等に係る源泉徴収

          今回はイギリスにあるプロダクション(芸能法人)や芸能人の日本における出演料に係る源泉徴収について書いていこうと思います。(アメリカで書いたやつとほとんど変わりません) Q&A形式でいきましょう。 まずQの前提から、 ・公演名:キングスマン in JAPAN 2019 ・出演者:キングスマンさん(非居住者) ・契約先:キングスマン社(外国法人、日本にPEなし) Q:スポンサーからの相談 キングスマン社に出演料の支払いを行う予定ですが、源泉徴収の必要はあるのでしょうか。 A

          イギリスの芸能法人に対する出演料等に係る源泉徴収

          「人的役務の提供事業の対価」と「給与等の人的役務の提供に対する報酬」

          今回は題名にあるとおり、「人的役務の提供事業の対価」と「給与等の人的役務の提供に対する報酬」について書いていこうと思います。 非居住者への支払いに対する源泉徴収を考えるときに、迷いやすい項目だと思います。(海外がらみの源泉徴収は難しいし間違えるとインパクト大きいんだよなあ) この記事も参考にしてみてください。 韓国人ヘアメイクさんへの報酬と源泉徴収について 非居住者に対して国内源泉所得の支払いをする場合には下記表(「源泉徴収のあらまし」から)にあるとおり、その国内源泉所得

          「人的役務の提供事業の対価」と「給与等の人的役務の提供に対する報酬」

          アメリカの芸能法人に対する出演料等に係る源泉徴収

          今回はアメリカ(米国)にあるプロダクション(芸能法人)や芸能人の日本における出演料に係る源泉徴収について書いていこうと思います。 Q&A形式でいきましょう。 まずQの前提から、 ・公演名:アルマゲドンコンサート in JAPAN 2019 ・出演者:アルマゲドンさん(非居住者) ・契約先:アルマゲドン社(外国法人、日本にPEなし) Q:スポンサーからの相談 アルマゲドン社に出演料の支払いを行う予定ですが、源泉徴収の必要はあるのでしょうか。 A:回答 人的役務の提供事業の

          アメリカの芸能法人に対する出演料等に係る源泉徴収

          合併と連結納税の加入制限

          今回は連結納税の加入制限について書いていきたいと思います。少し迷ったケースがありましたので、そちらは具体的事例として検討していきたいと思います。 まず、連結納税の加入制限とは何かと言うと、連結納税を行っていた法人のうち、国税庁長官の職権により連結納税の承認の取り消しを受けた法人または連結納税の取り止めの承認を受けた法人は、それから5年間は連結納税をすることが出来ません。(親にも子にもなれません) また、連結親法人との連結完全支配関係がなくなったことにより、連結納税の承認を

          合併と連結納税の加入制限