上場有価証券の評価損に係る損金算入

今回は上場有価証券の評価損に係る損金算入について書いていこうと思います。ここは結構シンプルなのでサクッといきます。

まず、上場有価証券ですが日本で言うと東証一部・二部やマザーズ、ジャスダックなどがあり、海外の市場で上場しているものも今回の上場有価証券に該当すると思います。

でもって、会計上でこの上場有価証券の評価損(減損)を計上した場合に、この評価損(減損)を損金算入するためには下記2要件を満たしている必要があります。(法人税法基本通達9-1-7)

① 時価が簿価の50%程度下落
② 近い将来その時価に回復可能性がない

①の時価が簿価の50%相当額の下落は簿価と市場価格を比較すればいいので簡単かと思います。ただ、②の回復可能性があるかどうかは基本通達9-1-7でも「過去の市場価格の推移、発行法人の業況等も踏まえ、当該事業年度の時に行うのであるから留意する」とあるのみであり、明確に記載がないので判断に迷う部分かと思います。

この点、実務上はどのように判断しているかというと税法と金融商品会計の間で大きな差はないものと考えられており、金融商品会計に関する実務指針を参考にしています。

同実務指針では、「株式の時価が過去2年間にわたり著しく下落した状態にある場合や、株式の発行会社が債務超過の状態にある場合又は2期連続で損失を計上しており、翌期もそのような予想がされる場合には通常は回復する見込みがあるとは認められない。」とされております。
従って、これらの要件に該当するのであれば税務上も回復可能性なしということで、損金算入することが出来ます。

また、この回復可能性の判断については監査法人のチェックを受けて継続的に使用される形式的な判断基準を会社で設けているのであれば、上記実務指針の要件でなくても損金算入することが出来ます。
(上場有価証券の評価損に関するQ&A )
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/090400/pdf/01.pdf

以上簡単ではありますが、上場有価証券の評価損に関する記事でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?