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ケースから一掴みの5曲~鈴木博文編。

 一昨日が鈴木慶一さん、昨日がかしぶち哲郎さんということで、せっかくですから、今日もムーンライダーズのメンバーのソロもしくはソロに準ずる作品にしますね。
 
 というわけで、今日は鈴木博文さんの5曲を選びます。純粋なソロ作品じゃないものも含まれますが、ここはひとつお許しを。
では行ってみよー。

・アートポート「ブロークン・デイズ」from album 『ARTPORT』(PRSA-3501/PRESERVATION SOCIETY)

  アートポートとは鈴木博文さん、白井良明さんとかしぶち哲郎さんの3人によるバンドで、私がその存在を知ったのは雑誌「バラエティ」(角川書店)のムーンライダーズの記事に名前があったからだったはずです。
多分、『青空百景』のプロモーションで露出が多かった時期に名前を知ったんじゃないかな、と。
「ミュージック・ステディ」の徹底研究でライヴ・スケジュールとかが載っていたけど、結局は1986年の10周年記念ライヴまではなかなか表には出てこなかったのでした(『青空百景』の発売記念ライヴにアートポートとは名乗らなかったはずですが、3人で出演していますけど、まあそれは例外でしょうね)。
あ、「ミュージック・ステディ」の2号のバックナンバーにインタビュー掲載されてたのもあるか。。
ライヴ・アンソロジーの意味合いが強い『WORST OF MOONRIDERS』に「ロシアン・レゲエ」が収録されたり、10周年記念ライヴの模様がビデオ『WORST VISUALIZER』という形で発売された時、アートポートが具体的にどんな作品を作ったか明らかにされたわけですね。
この「ブロークン・デイズ」は博文さんのフォーク路線の部分が前面に出た名曲だと思います。
昨日のかしぶちさんの記事と博文さんの記事を繋げるにはピッタリの曲だと思ったので、まずはこの曲からにしました。

・鈴木博文「トーキヨー・インディアン」from best album 『鈴木博文 1987-1994』(compactron-26/メトロトロン)

 オリジナルは博文さんのセカンド・ソロ・アルバム『無敵の人』収録。ベスト盤にはリミックス・ヴァージョンが収録されていますね。
発売時期がバブル期だったことがありまして、東京下町には割と色々な人種の方々が働いていた状況があったからこその歌詞ですね。
この時期、カーネーションが多忙になってきたこともあって、ギターの坂東次郎さんと濵田理恵さん以外は博文さんがトラックを作っています。
2013年のBAND EXPOのライヴに博文さんがゲスト出演した際にこの曲を演奏した記録が残っています。

 長らく博文さんのサポートをしていた西村哲也さん、青木孝明さんがセロファン~タマコウォルズ~双六亭~TRICKY HUMAN SPECIALの河野薫さんと結成したバンドですから、かなり手慣れた演奏ですね。

・鈴木博文「霧の10㎡」from album 『 SINGS MOONRIDERS』(compactron-35/メトロトロン)

 博文さんがムーンライダーズに書いた曲をセルフカヴァーしたアルバムから、まずはこの曲。
『青空百景』にオリジナル・ヴァージョンが収録されていまして、そちらはパーカッションを活かしてあまりコード感がなかったものを、ギター中心のアレンジにして、青木さんのコーラスを入れたヴァージョンですね。
こうしてフォーク・タッチになるのが非常に博文さんらしいと思います。
それではムーンライダーズのヴァージョンをここで。

・鈴木博文「Motel」(compactron-11/メトロトロン)

 この曲にはライヴ・ヴァージョンもありまして、アルバム『Wan-Gan King』が初CD化された『First Compact Disc』に収録されています。
オリジナルは博文さんの弾き語りにカーネーションの直枝政太郎(現・政広)さん、当時カーネーションの棚谷祐一さん、濵田“DARIE”理恵さんがコーラスで参加してます。
ちなみに『First Compact Disc』収録のライヴ・ヴァージョンはカーネーションが演奏を担当しています。

・鈴木博文「月の爪」 from album 『SINGS MOONRIDERS』(compactron-35/メトロトロン)

 オリジナルはムーンライダーズの『AOR』収録曲で、実はそのヴァージョンには博文さんは参加していなんですねー。
ではムーンライダーズのヴァージョンです。

  聴き比べますと、博文さんのヴァージョンはより内省的な仕上がりですね。
ムーンライダーズは白井さんのギターが印象的で、その激しさが外に向かうエネルギーになっているように感じました。
勿論、両方とも他のアーティストにはなかなか出せない部分だと思います。

 「ケースから一掴みの5曲」シリーズは今日でまた一区切りにして、明日からは久しぶりに読書の予定です。
ま、もしかしたらリクエストに応えて「ケースから一掴みの5曲」を続けてやる可能性もありますけど(リクエストがあれば、の話です)。
多分、読書日記の予定ですから、お楽しみに。

 ではまたー。




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