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獲物の分け前〜越美晴『echo de MIHARU』

 引っ越しの際、紛失したり処分したCDが山のようにありまして、その中には必死に探しているCDには自分にとって大切な作品も複数あるのです。
探し始めてあっさりと見つかる作品やひたすら時間をかけてもなかなか見つからない作品もあったりするので困ったものです。

 ちなみにこれは時間がかかった作品ですね。
しかも入手して到着したのを見たら、何とこれは1993年に再発された盤なのでした。
じゃ、行ってみよー。

・越美晴『echo de MIHARU』(SXCR-303/シックスティ)

 このアルバムのオリジナル盤は1987年に発売されました。
シックスティ・レコードの販売権が移行したのに伴い品番とレーベルのデザインを変更されたのを今回購入したというわけです。
シックスティのカタログは整理されていない部分がありまして、販売権の移行で廃盤になってしまったものゆもあります。
品番とレーベルのデザインが変更されて再発された作品にはPresedent BPM (近田春夫さんの変名)の『HEAVY』が挙げられます。

 この『echo de MIHARU』は帯のデザイン、惹句ともオリジナル盤を再現していて、某大手通販サイトで出品されているのを見て、てっきりオリジナル盤だと思ってしまった私です。
到着したのを見て、これが再発されていたことを初めて知ったというのは不勉強故ですね。反省。

 内容について触れますと、プロデュースを担当した細野晴臣さんがノン・スタンダードが活動停止することになった時期に骨折し、作品を発表する場所を模索していた時期なんですねー。
その時期、近田春夫さんの誘いでBPMレーベルから12インチ・シングル「COME BACK」を発表するわけなんですが、BPMレーベルの流通はシックスティだったのでした。
その上、President BPMのサポートをKing of computerつまり戸田誠司さんが担当していた偶然も重なったりしたわけです。

 細野さんがこの時期多用していたイミュレーターというサンプリング・キーボードのはしりが、古い音像を再現するのに適したことから昔のサウンドトラックを音像含めて再現することになったわけです。
ムーンライダーズの鈴木慶一さんと博文さんをゲストに迎えたのも、所謂最新のサウンドを追求するのではなく、古き良き時代を再現するためだったようですね。

 このアルバムについては発表当時、雑誌「TECHII」で特集が組まれていて、非常に興奮しながら読んだ記憶があります。
ただ、アルバム『ボーイ・ソプラノ』までの越さんのテクノ・ポップ路線が大好きでしたから、クラシカルでエレガントな方向に向かっていくことは心配でしたね。
結局は想像を超えた越さんでしかできない路線に向かったわけですが。

 先日、山下達郎さんのラジオ番組で越さんの曲が流れて、山下さんによる越さん評が聞けたのですが、かなり高評価だったんですよ。
越さんがデビューしたレコード会社の関係で山下さんがコーラスを担当したこともあったりするのです。
それもあって越さんのCDを探すようになったわけです。これが大正解。
越さんはもっと評価されるべきアーティストだと実感しました。

 ではまたー。


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