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逃げた先には

 この場から急いで離れたい。
 さもなければ、私の命は散るだろう。

 そんな生き方をずっとしていた。
 異端なるものは、いつの時も狙われてしまう。

 私が何をしたというの?

 そんな言葉さえ届くことなく、
 見えない道を走り逃げる。
 
 そろそろ諦めが心を侵食していく。
 いっそ全てを諦めたら……と。
 本当に逃げることなど、最初から出来ない。

 そんな時に私は一人のヒトに出逢う。
 そのヒトは私を慕っていく。
 そしてーー私の手を取り願ってきた。

「共に生きていきたい」

 あぁ、なんてことだろう。
 そんなありきたりな言葉だというのに。
 私も共に生きていきたいと願った。


 ーー初めての恋に、私は落ちた。
 

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