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アメリカ臨床大学院での学び④最初の学期が終わって

春休み、1日だけ近くの有名な建築物、Falling waterを1人で見に行ってきました。いいリフレッシュになりました。

前回の記事では一番大変だった授業の一つ、神経解剖生理学に関する記事を書きました。前回の記事はこちら

さて、COVID-19の影響でピッツバーグ大学筋骨格系専門コースの開始が遅れて2021年1月から始まりました。1年間のコースのうち4月いっぱいまでの春学期が終わり、短い春休みの最後の日にこの記事を書いています。

秋学期にはこちら(アメリカ臨床大学院での学び①)に記載したような
・神経生理学解剖
・下肢の整形外科疾患とそのマネジメント、そして問診した上でどのように整形外科テスト
・レッドフラッグスやどこに介入するべきかの分類を含む骨盤から下肢にかけてのクリニカルリーズニング
・エビデンスベースドプラクティスの授業として診断、介入、予後、ガイドライン、システマティックレビュー&メタアナリシスの臨床への応用の仕方を学んできました。
※レッドフラッグスは危険な疾患(理学療法の対象とならない)が潜んでいるサインのこと

大変だった期末テストでは
神経解剖生理学:理論と実習の2つ
整形外科疾患:実技試験+口頭試問および筆記テストの2つ
クリニカルリーズニング:実技試験+口頭試問および筆記テストの2つ
エビデンスベースプラクティス:1つ
と、7つのテストが期末テスト期間に実施されました。私は今回奨学金を得られていないのですが、他国のクラスメイトたちは奨学金を受けている方がほとんどです。このコースは学費のみで700万円かかるのですが、成績が悪い場合、奨学金の停止や卒業不可などもあり得るので必死です。授業や成績に関することはCanvasというシステム内にポストされて、どのような成績分布になっているかが見えてしまいます。なので、誰がその点数を取ったかまではでませんが、勉強が不十分で卒業ラインの点数を下回っているなどは見えてしまうので若干残酷な面もあります。今回、毎週クラスメイトとの復習会なども開きつつなんとか全てAで乗り切れました。

 以前所属していたロマリンダ大学のPost Professional Dotcor of Physical Therapy courseではグループプレゼンテーションを行うことが多く、筆記試験はあっても同時に行われるのが最大2つまでであることが多かったです。それに比べると、今の方が非常に詰め込みで学習しています。

 このコース目的の一つに「病理解剖学が症状と必ずしも症状と関係ないと言われる中、解剖学に基づいたテストなどをどう考えるか?」という問いを、自分の考えとすり合わせをしたかったということがあります。私の中では麻酔など鎮痛と関連した所見をゴールドスタンダードテストとして、それに対して整形外科検査を対応させている場合、「対象者へのもつ主観的症状への介入」という意味がある。しかし、単に解剖学的損傷所見(MRIや関節鏡での所見)をゴールドスタンダードテストとして置いている場合、「機能障害」に対しては意味がある場合がある、と考えていました。そして、仙腸関節の整形外科テストの場合は麻酔を行うことがゴールドスタンダードとなっていて、理学療法介入に有用という判断で、骨盤部の介入をする際に重視しているということを今回の春学期までの時点でも学べました。全てがこの通りというわけではないですが、同じような考えであったことはよかった感じました。そして、自分が使っていた判断基準の論文とは違う判断基準の論文が用いられている部分などは知識をブラッシュアップする意味でとても良い学びになりました。「私はこっちの判断基準を使っていたのですが、どうしてその判断基準を使うのですが?」という問いにも毎回丁寧に答えてくださるので、非常に来てよかったと思っています。論文に書いてあることをどのように解釈して臨床に使って対象者の役に立てるか?そこまでが大事なので、そのトレーニングができる環境は素晴らしいです。

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 今まで行ってきた内容がどのようにつながっていくかということを書いていきます。もちろんまだ受けてはないので、予想もありますが。今後は神経系のレッドフラッグスやTreatment Based Classification: TBCの分類に基づいたクリニカルリーズニングをより詳しく学んでいきます。この論文が近年改訂された出版されたTBCの論文で、それに沿った内容をより深く学んでいく予定です。また、ロマリンダ大学や2回受けたオンラインのAdvanced Vestibular Rehabilitationコースでも学んできた前庭理学療法(めまいやバランスなど)を世界的に著名なDr. Whitneyから直接学べる機会があるので楽しみです。これらの授業の前提には春学期に行ったような基礎的な神経解剖生理学の知識、レッドフラッグスの考え方、論文の情報をどのように判断するか?ということが全て関わってきます。

明日の朝9時から授業が再開され、間に長めの休み時間を含んで午後8時に終わるので、サザエさん症候群になりそうです。が、この記事を書いて自分自身モチベーションを上げることができたように思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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