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アメリカ臨床大学院での学び

いつの間にやら慌ただしくtransitional DPT courseをカリフォルニアのロマリンダ大学で修了し、ピッツバーグ大学に来て勉強をしています。

ほんとは20代のうちに来たかったアメリカの臨床系大学院、辿り着くまではなかなか大変でした。

今回はどんな科目を履修しているのか?を書いていこうと思います。今いるピッツバーグ大学のコースは学位としては修士課程で、すでに臨床博士、Doctor of Physical Therapyの学位を取得しているので学位としては意味がありません。しかし、DPT教育(大学卒後に3年間かけて理学療法士の資格を取るコース)のランキングが米国No.1になっている臨床教育とはどういうものか?非常に興味がありました。

問題は学費、毎年上がり続ける米国の学費はそれのみで1年のコースで700万円、ピッツバーグ大学の前に日本の年金や奨学金返済猶予を駆使しても自己資金としては半分程度しか集められませんでした。それでも、先に決めてなんとかしてでも来てみたかったわけです。

今は下記のリンクのMusculoskeletal concentlationという、筋骨格系の内容を重視しつつも、神経解剖からそのレッドフラッグススクリーニング、前庭リハビリテーション(めまいやバランス)もカバーします。

今はSpringという2021年1月から4月いっぱいまでのsemesterで受講しているのは

HRS 2314 - Fundamentals of Neuroscience for the Orthopedic Clinician, 
週に4時間、神経の解剖と生理学を詳しく学びます。事前学習のビデオや資料がポストされるので、資料を予習した上で臨み、終了後は臨床との関連や復習できるような内容の課題が出るのでそれを行います。
HRS 2362 - Evidence Based Practice - Clinical Considerations for the Lower Extremity
週に3時間、下肢に関連した疾患学を論文ベースにかつ、スペシャルテストを適切に考慮するための問診プロセスや、治療法、プロトコールなどを学びます。
HRS 2372 - Advanced Clinical Practice, The Lower Quarter
ピッツバーグ大学はTreatment Based Classification を提唱しており、それが近年新しくなりました。痛みのある方を担当するにあたって必須である心理的側面の考慮、担当する方にほんとにレッドフラッグス(理学療法士が担当すべきではない危険な疾患がある可能性)がないか?など含むようになりました。ディスカッションをしながら、クリニカルリーズニングをしていきます。
HRS 2907 - Clinical Investigations
これはEvidenceの読み取り方の講義で、予防に必要な絶対リスク減少、検査にあたって判断の基準となるpretest probability(事前の疾患確率)とノモグラムの考え方といったことを学び、課題や論文批評のディスカッションがあります。

これらはそれぞれ独立しているわけではなく有機的に絡み合っていて、特にHRS 2372 - Advanced Clinical Practice, The Lower Quarterのクラスではそれらを統合するようなディスカッションが多くなされます。知識を受け取って、それらを使える知恵レベルに統合する時間が大人数の学びでは難しいと思います。今のコースはCOVID-19の影響もあって、14人のクラスで毎回多くにクラスメイトと共に発言、質問をしながら目の前の方への最適解を探すための学びをしています。

ということでアメリカの臨床大学院についての一回目はこれくらいで😄

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