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意識と意念

「気功が他の運動と違うのは意念」
と先生が言った。意念とは??

意識と意念

気功や太極拳を習う時、まずは動作の基本的なことを教わって見よう見まねでやってみる。体がほぐれて温まって汗をかいて。ジムやストレッチでもウォーキングでもそれは同じだけれど、気功はただ体を動かし運動するだけではない。心を穏やかに整え、からだを慈しみ、自身と会話をする。
身体をどう動かすか考える知識や理性の部分が【意識】、その時どう感じるか感覚や気持ちが【意念】である。

なるほど。意念という言葉は初めて聞いたけど、そういえば私もその部分に惹かれているのだ。

先生は尚、こう続けた。
「意識だけではダメ、意念だけでもダメ。バランスが大事。」

心とカラダ

先生は山登りに例えた。
【意識】持って行くものを準備する。登山から下山までのスケジュールを立てる。道順やルールを調べる。
【意念】わくわく。楽しい。気持ちいい。疲れた。景色がきれい。

何の準備もしないで山に登れる?楽しいからといって下山の時間を遅らせたらどうなる?雨が降ったらずぶぬれだし暗くなったら道に迷ってしまうかもしれない。
でも逆に、予定のスケジュール通りにこなすことだけに終始して、周りの美しい景色も見ないで黙々と山頂を目指して歩き、登頂したら即下山するなんて残念過ぎる。

仕事に例えたらどうだろう。
知識・理性の部分が【意識】だというから、確かに仕事をする上では大事。だけど仕事も楽しいほうがいい私は、これまでどちらかというと【意念】に寄り過ぎないようにしなければいけないほどだった。楽しむために準備をするのだという自分なりの目的が、仕事のモチベーションを支えていたのかもしれない。どんな仕事にも【意念】は必要だと思うし、楽しくない、わくわくしない、という状態は私にとって異常事態、危機的状況なのである。

忙しいとは、心を亡くすと書く。
人に「忙しそうですね」と言われても、それは誉め言葉ではない。
忙しく見えるってことは、至極カッコ悪い。

割合とバランス

意識と意念は必ずしも天秤が水平になるように半々ではない。人それぞれ、6:4の人もいれば4:6の人もいる。偏っているように見えて、それがその人のちょうどいいバランスなのだ。しかし遊びだからといって0:10はダメだし、仕事だからといって10:0ではいけない。

『仕事は楽しくなくて当たり前。
好きか嫌いかではなく良いか悪いかだ。
一喜一憂していないで粛々と淡々と堅実に。
笑顔をキープ、ただし心から笑う必要はない。
余計な気を回さず、効率よく、コスパタイパ、
いい加減、大人なんだからさ。』

そんな殺伐としたシゴトって奴に翻弄されて自分軸がブレないように、週に一度の駆け込み寺に行く。

*
はぁ、何やら鬱憤が溜まっているようですね…

それではリラックスして呼吸を整えましょう。
骨盤を立てて座ったら、頭の力を抜く、首の力を抜く、肩の力を抜く、胸の力を抜く、ろっ骨を下に向けて、腹の力を抜き、手足の力を抜く。
丹田を意識して、吐く息を【意識】して、、ゆっくり深く呼吸を3回。

「今、何を考えていましたか?」

えっと、、この後帰りに夕飯の買い物をして銀行に寄ってLINEとメールのチェックをして、、今日は何曜日だっけ、あ、クリーニングも取りに行かなきゃ・・・

・・・雑念を振り払い、呼吸だけを【意識】して今の自分を見ることの難しさよ。それが出来なければ次の質問には答えられない。

「今、どう感じましたか?」

姿勢を正して座ったら気持ちが楽になった。お腹が温まってほっとした。頭がすっきりして落ち着いた。胃がゆるんでお腹がすいた。無理してたんだな。ひとつひとつ、また楽しめるかな。

感性とセンス

ひょっこり行った場所で、なんか違和感があって、何が?って言われて言語化を試みるも短くまとまらない、そんなことがある。なんかね、なんとなく違うんだ。これはもう感性の違いとしか言いようがない。

感性とは自分なりに探って見つけて培った軸。意識と意念を総動員して練りに練ってから形作ったもの。そこがもし客観的にも行った方が良い場所で、しかも興味のある好きな事だったとしても、感性が合わないとなんとなく居心地が悪いものだ。う~ん、分かったような分からないような。。

その感性を表現することがセンスだそうだ。感性がインプットならセンスはアウトプット。センスが良いとは、表現が上手いという事。ということは私はセンスが良くないらしい。なんか違う、なんとなく嫌では話が通じない。

気功の先生は、以前こう言った。
「自分の呼吸が楽な場所に身を置くようにする。」

なんとなく気が合わない、嫌な気配がする、気忙しい、息苦しい空気…

なんとなく居心地が良い、阿吽の呼吸、気が楽、気が合う、気が置けない…

など、雲をつかむような「なんとなく」を大切にする。それが『すぐやる脳』にも通じる【意念】なのだろうと思う。



行雲流水

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