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100年企業の倒産はなぜ急増?2024年の上半期に74件の衝撃

今回紹介するのは、100年続く老舗企業の倒産が2024年の上半期に過去最高を更新したニュースです。

100年企業といえば、老舗企業。
「老舗=安泰」というイメージがありますが、時代の変化とともに、それも過去のものとなりつつあるのかもしれません。

今回は、100年企業の倒産を読み解くのと、対応策を考えてみます。


老舗企業の倒産は、2024年の上半期だけで74件

この100年企業ですが、現在日本には4万社存在しています。
老舗企業のイメージとして、「格式」や「伝統」、「安泰」など、長く受け継がれているからこその信用力が大きく、新興企業には、どう頑張っても対抗できないブランド力を持っているイメージです。

倒産は、全くイメージできず考えたこともありませんでした。

そんな100年企業が、2024年の上半期だけで74件消滅し、このままいけば年間の倒産件数が過去最高にいく事は確実の状況です。

倒産の理由は、物価高倒産がトップ

倒産の件数で一番多かったのが「物価高による倒産」で14件(約19%)です。
100年以上経営していると、今まで数々の経営危機も乗り越えてきたのでしょうが、現代の時代変化は、過去の経験が生かしきれない程、変化が激しい事を物語っています。


後継者不在による倒産は約15%

後継者がいなくて倒産した件数も11件に上っています。
後継者がいないというのは、経営者の親族だけでなく、会社内で働く役員などからも抜擢できなかったという事です。

また、最後の手段としてM&A(他社に買ってもらう)も選択肢になるでしょうが、100年の老舗企業でも買ってくれる会社が現れなかったというのは、少し驚きです。

普通に考えれば、老舗企業のブランド力やのれんが手に入るチャンスがあれば、買い手は現れそうですが、現れなかったという事に「大きな理由」が潜んでいるように感じます。

売り手と買い手の想いが一致しない理由とM&Aに対する社会の認識を変えなければ、後継者不足問題の本質は改善しない気がします。


日本は後継者教育をもっと真剣に取り組むべき

私は、偉そうに言うつもりはありませんが、現状の日本の後継者教育は圧倒的に不足していると感じます。

それは、以下のブログでも紹介していますが、後継者不足に悩んでいるのは大人だけで若い世代には、全く届いていない事実を目の当たりにしたからです。


約60万件の中小企業が消滅する可能性の認知度が不足している

大学生に向けて、私が見せたデータがこちらです。

中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」より

約60万社の中小企業が黒字なのに、後継者がいなくて廃業せざるを得ない事実です。

もし、この60万社が本当に無くなった場合に、何万人の雇用が失われ、いくらの地域経済が停滞するのかという事です。

少なからず、今大学生である人々も、就活で影響を受けるでしょう。

ここまで説明をしたときに、はじめて大学生は「自分事」と捉えてもらえました。

私が言っている「真剣に」というのは、若い人たちが自分事と捉えてもらえるような教育が不足しているのではないかと気付き、もっとこの情報をオープンにすべきだと感じたから、真剣にと言っています。


まとめ

以上、老舗企業の倒産についてご紹介しました。

100年企業の倒産が増加している現状に驚きましたが、時代の変化に対応するためには、新たな対策が必要です。
特に後継者不足も大きな課題であり、他社とのM&Aや教育改革を通じて解決策を模索する必要があります。

事業承継に関心を持っている方は、この記事の学びを参考にしていただき、さらに関連するnote記事もご覧ください。

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