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短編:【見た目年齢で試されて】

化粧品、スキンケアや美容健康商材では神の如く重宝される、魔法の言葉。『見た目年齢』。実はこれ、案外日常生活の中でも気にすることがあるようで…

「スミマセン…」
オジサンの私が、
さらにちょい上のオジサンから
街中で声をかけられる。
「“国鉄”はどう行けば…?」
見た目60代の地方から来た観光者?
いや、ぷらっと散歩している軽装。
小さなサイドバッグ。
「JR?そこ。信号渡って…」

咄嗟に“国鉄”を“JR”に変換して。
ハッと気づいてしまう。
常日頃から良く外国人観光客に道を聞かれる私だが、何故日本人の、オジサン…?

オジサンはニタッと笑う。
「どうも!」
足取り軽やかに信号を渡る。

試された。
見た目年齢でわかる世代かどうかを賭けたのだ。
ズバリ、国鉄が解る年代か否か…

私もオジサンからみたら、オジサン。
若者ではない。
そんな古い言葉を知っていそうな見た目年齢だと言うこと。

国鉄がわかって何が悪い(笑)!

     「つづく」 作:スエナガ

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