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日本の組織の戦略性の低さ、その原因とは?

こんにちは。

対話による組織変革の会社Co-Evolutionの
末広信太郎です。

今日は、

「日本の組織の戦略性の低さ、その原因とは?」

です。


前回は、日本の組織の戦略性の低さに
ついて書きました。


目的達成のための明確なストーリーがなく、
「これをやって何になるのだろう?」と
多くの社員が感じながらも、それを
変えられない。

大局観に基づいた全体戦略がない、
部分最適の縦割り組織。

日本の組織はどうしたらこうした課題を
乗り越えられるのでしょうか?



それを考えるためには、そもそもなぜ
日本の組織はこうなのか、その原因・背景
への洞察が必要です。


比較してみると、西洋など大陸の組織
文化は、かなり「戦争」に最適化されて
います。

なぜなら、隣の集団との境界線は陸続きで、
弱い集団は戦争により滅ぼされてしまう。

そこでの一番の怖れは、
「負けること」。

負けること=死です。

従って、「勝つ」という明確な「目的」が
共有されている。

そしてその目的を確実に達成するための
「戦略」を作り共有することに慣れている。



一方で、日本は島国だったこともあり、
比較的「平和」な時期が長い。

隣の集団に滅ぼされる危険が少ない。

そうすると、自分の所属する共同体(村)
の中での関係性が大事になります。

そこでの一番の怖れは「孤立すること」。

村八分になること、社会的な死は、
肉体的な死を意味しました。

孤立すること=死です。



西洋の組織は「勝つ」ことに最適化されている。

日本の組織は「関係性の維持」に最適化
されている。

これはどちらがいい悪いではなく、単に
文化の違いです。



日本の組織は、顔が見える集団規模では
強い力を発揮します。

長期間にわたって構築した信頼関係を
ベースに、以心伝心のチームワークを
発揮します。

明確に言語化されていないことでも
お互いに察し合える関係性がある。

長期に構築された暗黙知と「察する」力に
より、高品質な製品を生み出します。

自動車や家電といった、顔が見える範囲の
すり合わせで製品を作るビジネスで、
日本の組織は圧倒的な力を発揮しました。

全体戦略がなく部分最適だとしても、
その「部分」の力が強いので、
戦略の不在を補うことができました。

日本型組織は、「品質」勝負にはとても
強い組織です。

「目的」がなくても、「戦略」がなくても、
その製品そのものを「良くする」ことを
がんばれる。



しかし、そうした日本組織の強みは、
顔が見える範囲を超えた連携が必要に
なると、弱点に変わります。

協力しなければならない集団規模が
大きくなると、「察する」能力の限界を
超えてしまいます。

「言語化」をあまりしないので、小集団を
超えて全体で、目的や戦略を共有できない。

顔が見えない人たち、長期的に信頼関係を
構築してきていない人たちとうまく
連携できない。

結果、多くの日本型組織が、全体の目的、
全体戦略が不在のまま、各小集団が
部分最適でがんばるしかない。



日本型組織が得意な、「一つひとつ」の
製品の「品質」が高ければ売れる時代は
終わりつつあります。

そのビジネスが顧客に対して生み出す
「全体」としての「体験」・「価値」が
が問われる時代。

各部署、各現場が個別にがんばるだけでは
求められる価値を生み出すことは難しい。



日本型組織を体に例えてみると、たしかに
腕力はある。
脚力もある。
背筋も腹筋も胸筋もある。

でも、体全体を連動して動かせてない。

連動して動かせなければ、どんなスポーツ
でも勝つことはできません。



連動して動かすために必要なのが、「目的」。

そして目的達成のために全体がどう連携
するのかという「戦略」。

そして、「部分」を超えて全体が連動する
ために必要な血液にあたるのが、

「言語化」

です。


非言語で「察する」だけでなく、
言葉にして伝えあう。

部分を超えて全体に情報を循環させる
ためには、私たち日本人がちょっと苦手な
「言語化」をしていく必要があります。

私たちは、自分に見えていること、
気持ちや想いを言語化するのがそんなに
得意ではないかもしれない。

空気を察することは得意だけど、自分から
発信するのは抵抗があるかもしれない。

言語化すると、

意見が衝突するかもしれない。

面倒くさいことになるかもしれない。

孤立するかもしれない。
(それは日本人にとってとても怖いこと)

でも、言葉で伝え合わないと、全体で
連携して動くことはできません。


言葉で伝えあって、組織必要な血液を
循環させる営みが、

「対話」

です。


日本の組織の進化のためには、「対話」を
文化にしていくことが必須です。

対話の力は本当にパワフル。

内面で感じていることを伝え合えれば、
全員が見ている風景が統合されます。

今までは部分しか見えていなかった。

対話により、部分がつながりあった
「全景画」が見えてきます。

大局観が全員で共有されます。

同じ全景画を共に見ることができれば、
共に目的を実現していくストーリーも
見えてきます。

日本の組織が、大局観に基づく高い戦略性
を持つ組織に進化します。


対話は、「察する力」という日本人の
強みを、顔の見える小集団を超えて、
会社全体、そして社会へ拡げていく
ブースターになります。

対話がなければ、察する力は忖度に
使われてしまいます。

対話があれば、察する力は、大局観を
養うことに使われます。


だから、言葉にして伝え合いましょう。

あなたが思う以上に、あなたの状況、
あなたの想いは伝わっていません。


今日、あなたは周りに何を伝えますか?


それではまた次のメールで。

末広信太郎

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