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やたらと流行ってる気がする “自立” という言葉について

率直に言って私は、やたらとYouTubeやSNSで流れる
『精神的な真の自立に目覚めましょう』
的なフレーズがあまり好きではありません。

そういった言葉の響きを生理的に受け付けなくなったのは長男を妊娠した時期がきっかけでした。
妊娠して1ヶ月くらいからつわりに始まり、
ちょっとした風邪がきっかけで咳喘息に襲われ、
生まれて初めて痔になり、
妊娠2ヶ月目の時点で、胎児の遺伝子疾患の結果を貰い、
毎日マンハッタンの通勤ラッシュの電車にハァハァ呼吸困難になりながら乗って、パートタイムに減らした仕事に通っていました。

出産してからも
授乳が始まり、
産後12週目で息子は重度のアトピーを発症し、
息子は生後16か月でてんかん発作を発症し、
彼が18か月で元旦那は家を出て離婚をし、
息子が2歳になってすぐ、ニューヨークはコロナのロックダウンの状態になりました。

全く知人もいないフロリダに移住してからも、
息子の成長は著しく他の子供達とは違うことに薄々気づきながらも慣れない地で育児を続け、
3歳になる前に重度の自閉症の診断が下り、
その翌月には正式な遺伝子検査の結果として病名を告げられ、
息子の発達障害の診断が下りてから
特別学級が始まるまで、7ヶ月かかりました。
特別学級の入学には、様々な医療機関や療育機関の審査結果や報告書が必要だからです。

私は妊娠するまでは、超がつくほど『精神的自立はあって当たり前!』と思っている自立推奨派でしたが、その考えは母親になるという数年の経験を経て全く違うものに変わりました。

きっと私だけが大変な思いをしていたのではなく、世の中、出産と育児を経験した女性たちは
(分かってもらいたい!)と
心の中で叫んだことは誰でもあっただろうと思います。

世の中には毎日ずっと寝ないで自分以外の存在のために、身も心も犠牲にして命を育んでいる人や、どんなに頑張っても、他の人たちと同じように効率的に体や精神を動かせない人たちがいるのです。

『なんでももらって当たり前』と言っているわけではありません。

流行りのスピリチャル的思考とか、人生の成功術とか、お金の運用術とかって持論をSNSで語っている方々が、
『本当の自立を確立しましょう。』
と言っているのを耳にしますが、精神的にも体力的にも毎日限界を超えていて、誰かの助けを心から求めている人、助けが必要な人が世の中には存在します。

そういった人たちを、
『波動が低い人』とか
『いつもネガティブ思考で何をやってもうまくいかない人』
とかって、くくっている発言に、私は毎回呆れています。

noteでよく拝見させていただいているコピーライターの川中紀行さんがアップしていた記事を読んで、少し論点はズレてしまうかもしれませんが、『自立』について私は自分の意見を書かずにはいられなくなってしまいました。

世の中、子育てに追われているお母さんはすでに、自分のことを二の次にして毎日を捧げているのに、『自立しろ』って変な言葉です。

そんなこと言ってる人って大抵、
『自分が選んで結婚して、子供産んだんだろ』
って思ってると思いますが、
そんなこと言ってる人達もみーんなお母さんの体から生まれてきて、
誰かにおっぱい飲ませてもらって、
オムツも替えてもらってきて、
ご飯食べさせてもらってきたんですよ。

ご両親を亡くされた障害がある人たちのための手当が減額されて、本当に彼等に『自立しろ』って言えますか?
ご両親が亡くなっていなくたって、障害のあるお子さんを育てているご両親が、普通に外にフルタイムで勤めに出る事は、とてもハードです。
体力的、精神的に常に限界を超えます。

そのための福祉ではないのですか?

そのために世界中どの国に住んでいても、税金の何割かは福祉のために振り当てられているんですよね?

そういった公的手当を受給している人達を本当に
『楽してる』とか
『いつまでも自立しない奴ら』
と思っていますか?

私は
障害がある or ない
子供がいる or いない
に関わらず、人それぞれの事情があり、助けが必要な人たちは、どこにでもいると思っています。

今まで仲良くしていた人が、ビジネスで失敗したとか、離婚したとか、何かやらかしたとか…、人生のピンチになった時、
『波動が下がる』とか
『ネガティブな波動がうつる』って言って寄り付かなくなる人もいるんでしょう。
けれども、そういうことを思ってる人たちも、あと数十年もすれば、歳をとって認知症になったり、介護が必要になるかもしれないんですよ。
どんなにそれまでお金を稼いだとしても、有名になったとしても、誰かがいつかあなたのお世話をしなくてはいけない時が来る。


今回はウザイほど、感情的に綴ってしまいましたが、身近な人たちを大切に、少しでも助けが必要な時に助け合えるような、人間関係を世界中どこに住んでいても、築いていきたいですね。

それは、自分自身から努めていくべきことと、忘れないようにしておきます。

今現在、ギリギリでピンチの人が、罪悪感なしに、
『今マジでヤバイんです!助けてください!』
ってしっかり言える社会が存在するといいですね。

そういった人に笑顔で話を聞いてあげて、自分の身近な人たちに声をかけ、暖かく迎えてあげられるような人間になりたいですね。

そして、行政や政治のしっかりとした助けがあれば、この上なくありがたいと心から願うばかりです。

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