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新しい働き方が今なぜ求められるのか?

2016年も終わりに近づいています。

今年は、いろんなニュースがありました。

一経営者として、深く考えさせられたのが、電通で起きた加重労働による過労自殺の件です。

私自身も、新しい働き方に関する研究会に参加して、議論に参加させてもらっていますが、同じ経営者として、そしてクラウドソーシングという新しい働き方を提供している事業者として、とても他人事ではありません。

柔軟な働き方に関する研究会を設置します(経済産業省)

そして、この流れは一過性のものではなく、長期的な産業競争力につながるテーマになると考えています。

今回は、その辺りの事象と背景、現時点における今後の見立てについてを整理してみたいと思います。


現在の産業界にかかるプレッシャー

電通の事件後、一部上場企業をはじめ、企業の経営者と話すと決して対岸の火事ではないと誰もが口を揃えて言います。

事実、朝日新聞社野村証券エイベックス、な有名企業が労基署の是正勧告のニュースが次々に出ました。

ニュースにまではなっていないものの多かれ少なかれ、どの企業経営者も労基署の指導強化だけじゃなく、世間の目のプレッシャーについても感じているという事がこれまでと違うということのようです。

そして、この問題は、この年末にトップの引責辞任というニュースにつながっていきました。

電通社長、違法長時間労働問題で引責辞任(東洋経済)

政府や国、経済界だけではなく、私自身も一経営者として、また社会で働く一社会人として、そしてこれからを生きる子供の一人の親として、これまでの日本の働き方を大きく変える転換点にしないといけないと考えています。


世界と比較すると低い労働生産性

日本は、ついに「1人あたり」で韓国に抜かれるというニュースが、センセーショナルに取り上げられていました。

残念なことに、この傾向は今に始まった事ではありません。

出典:日本生産性本部「労働生産性の 労働生産性の 国際比較国際比較 2016年版」

韓国に抜かれる云々の前に、破綻したギリシャにすでに抜かれているということに驚きます。


サービス業の生産性向上がテーマ

「日米産業別労働生産性水準比較」という公益財団法人 日本生産性本部が出している資料を見るとサービス業の生産性が大きく異なることがわかります。 

・産業別にみた日本の労働生産性水準(2010~2012年平均)は、化学(143.2%) や機械(109.6%)で米国を上回り、輸送機械(92.7%)でも遜色ない。
・一方、サービス産業をみると、運輸(44.3%)や卸売・小売業(38.4%)、飲食宿 泊(34.0%)などの主要分野で格差が依然として大きい。

これは、見方を変えれば同じ対価で、どれだけ人手をかけたサービスが受けられるかの(日本/米国)比を示していると考えることもできる。

同じ対価で、日本では、運輸で2.3倍、卸売・小売業で2.6倍、飲食宿泊で3倍のサービスを受けることができるという意味でもある。

逆説的に言えば、それだけ労働投下を求めるマーケットだということもできるます。

経営者が無能であると断ずるのは簡単ですが、構造的課題であることを見落とすと単に首をすげ替えただけで、解決できるほど簡単な問題でもなさそうです。

これは、我々消費者一人一人の課題でもあるということが見えてきます。

そして日本の生産性が下がったのは、産業構造が製造業からサービス業へのシフトしていった時代と重なっています。

では、我々が生産性向上に取り組む時に重要となると私が考えている3つのポイントを挙げておきたいと思います。そしてこの3点は、何らかのテクノロジーを通じた形で各産業に組み込まれていくものと想定しています。

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