コミュニケーションルールの重要性
どんな情報であっても、従来のコミュニケーションパス内で完結するようにそれぞれのマネージャー、それぞれのリーダーが己の管理するグループごとにしっかりルールや手順を決めて運用できていれば会議体なんてものは常に
例外
となっているはずです。会議体を頻繁に起こせば起こすほど、己のコミュニケーションマネジメントのレベルが低いことを露呈しているのだといい加減気付いた方がいいでしょう。
会議というのは、
「日頃からのコミュニケーションだけでは解決できません」
と公言しているようなものです。多発させれば多発させるほど、
日頃からの情報管理をしていない
自らのコミュニケーション能力が不足している
まとめてやらないとロクにマネジメントできない
ということが露呈していきます。
ただの情報共有であれば、参加者全員の生産活動をすべてストップさせてまで会議体を開くほどの理由にはなりません。メールでもチャットでも、さらにはCMSのようなものでも実現できるわけですから、あえて会議体という手段を選択する理由はもっと他にあるのでしょう。
「口頭で会話しないと機微が伝わらない…」
そう言うケースはあると思います。ですがそれは会議体という場でなくてもいいはずです。なんなら雑談でも済むケースだってあるでしょう。それを会議体にするだけで
『会議体時間中の参加者全員の生産性はゼロになってしまう』
ことに対してだれが責任取れるのでしょう。しかも会議体なんてものはそもそもスケジュールや作業見積りの工数にも大抵積まれていないのに、です。
たとえば
マネージャー「コレいつまでに終わる?」
担当者 「ん-…2日あれば」
と答えたこの作業見積りには会議体は含まれていないにもかかわらず、この2日間の間に「ちょっといい?」とか「念のため出といて」なんてテキトーな理由で会議を増やし、だけどスケジュールは見直さない…なんてマネージャーのなんと多いことか。
おそらく今までにおそらく200人以上は見てきたと思います。
プロジェクトなどの組織体制を構築するのと相まって、このコミュニケーションルールを明確にしておくのはとても重要です。体制は私個人が「人間性」という観点から最も重要なポイントの1つと定義していましたが、こちらのコミュニケーションは
「プロジェクト成功確率」
という観点から最も重要なポイントの1つと言っていいでしょう。
仕事というのはプロジェクト活動も含め、すべて『伝言ゲーム』で成り立っています。それはソフトウェア開発のほぼすべてにおいても同じことが言えます。
・顧客との情報連携(I/F:仕様書、設計書、議事録、課題管理表、etc.)
・工程間の情報連携(I/F:設計書)
・機能間の情報連携(I/F:設計書)
・プログラム間の情報連携(I/F:引数・戻り値)
(個人的に設計書を軽視するエンジニアを好きになれないのは、このことを正しく認識せずにただ「プログラムをつくればいい」と思っているから)
一般的にプロジェクト計画書の「コミュニケーション」というと多くの企業、多くのチームが
「会議体」
の設定だけすればいいと思っているのではないでしょうか。そう謳うWEBサイトなんかもあるかもしれません。
ですが、私はそれだけではコミュニケーションプラン全体の20%に満たないと思っています。その証拠に、それだけしか記載していないプロジェクトでも炎上プロジェクトやトラブルプロジェクトは未だに絶えていませんから、間違いなく「足りていない」であろうことがわかります。
現状の方法でうまくいっていないケースがあると言うことは、現状の方法に固執する理由がないということでもあります。
それを見直さずして、改善なんてできるわけがないんです。
私は少なくとも
またそれとは別に緊急時のエスカレーションプランについても定めておくべきだと考えています。さらには各工程間、成果物間の情報のrelationについても目を光らせておくべきだと思っています。
「顧客とのコミュニケーションで必要なことは何があるか」という切り口ではなく、
「メンバーを含むステークホルダー間で情報齟齬による
業務上の問題や生産性低下を発生させないための
必要十分かつ最低限で済むコミュニケーションのルールや手順は
どうあるべきか」
という観点で記載するべきだと思っています。
なぜそこまで言うのか?
それは炎上プロジェクトやトラブルプロジェクトの真因というのは、突き詰めていえばその大半が
「コミュニケーション不良」
によって起こっているからです。
技術的な問題でも、バグが多いからでも、生産性が低いからでもありません。それらはコミュニケーション不良が真因となって起きた事象の1つにすぎません。
ほぼすべてコミュニケーション…言い換えるなら
・情報が正確に伝わること(伝えることではなく、伝わること)
・情報が正確に共有されること(され続けること)
に支障があることで、何かしらの「ミス」や「抜け漏れ」へと発展しているにすぎません。そのことを理解できないないうちは、どんなに個人として優秀であってもマネージャーになった途端、上手くいっていないのではないでしょうか。
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