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使わないほうがいい表現

案外、聞いていると「ん?」と気になってしまう表現。

ありますよね。
若いころは気にもならなかったんですけど、いわゆるベテランといわれるようになってくるとビジネスのなかで相手の機微がわかるようになってきます。すると

「ん?その表現ってどうなんだろう?」
「相手はどのように受け取るだろう?」
「別の意味で受け取られる可能性があるんじゃないか?」

時になってしまうことがあります。

無意識のうちに、オフィスで使っているその表現。もしかしたらその中にはあなたのイメージダウンになってしまっているかもしれない表現も混ざっていることを覚えておきましょう。

「できると思います」

「明日までにこれできる?」と上司から仕事を頼まれた際、「できると思います」と答えていませんか?

「思います」では、どこか頼りない印象をもたれがちです。
案外30代、40代になっても使っている人を見かけますが、そもそも個人が「思う」か「思わない」かで物事を判断すること自体、ビジネスの場ではタブーです。ビジネスでは、常に「やる」か「やらない」かしかありませんし、「思う」か「思わない」かで企業や組織の舵取りをしていいものではありません。

もし、口癖のように

 「俺はこうだと思うなー」
 「自分はそうは思わない」

なんて言葉を頻繁に使っている人がいたら、根拠を口にすることもできないか、何の根拠もなく勘に頼っているだけの人と解釈しておいた方が良いでしょう。

基本的に、子供の論調ととられかねません。
商談の場などでは決して使うべきではありません。

こうした人に変に身を任せていると確実に自分も痛い目に逢います。
これでは顧客も上司も安心して、あなたに仕事を頼めないかもしれません。

「できると思います」ではなく「明日までに仕上げます」など、具体的な期日を添えて責任感を持った言葉を選びたいものです。


「たぶん」「おそらく」

"意見を求められた"際に「たぶん」「おそらく」など曖昧な答え方はNGです。
意見を求めると言うことは、確度の高い情報を欲していると言うことです。

「雑談」であったり、個人の「想い」や「見解」を聞いているのであればこうした表現も許されますが、事実関係を求める「報告」の場では決して使うべきものではありません。

許される空気の場合もありますが、基本的には用いないことがベターです。

答えを濁すのではなく、数字や固有名詞を入れて「具体的に話す」「自分なりの答えを返す」ことを心がけてみましょう。自信のない意見しか持たない場合であれば

 「今の時点で断言はできませんが、まずは〇〇で確認してみますので
  そのうえで改めて回答させていただいてもよろしいでしょうか。」

として、いったんペンディング(保留)とする方法もアリです。もちろん「〇〇」とはGoogleで調べるとかそういうことではなく、実験してみるとか、経験のある人の言葉を聞くとか、信ぴょう性の高い情報を確認するという意味です。


「できない」「やりたくない」

「できない」「やりたくない」「自信がない」など、「~ない」がつく言葉を無意識に使っていませんか?

以前にも書きましたが、ビジネスにおいて「NO」「NO GO」を彷彿させる回答は原則禁止です。商談や依頼に対する回答など、何をするにおいても「条件付きYES」しかありえません。条件のハードルを上げて相手に諦めてもらうことはあっても、自ら「NO」とは言ってはならないのです。

否定の言葉ばかり使っているとあなたに対する印象までネガティブになってしまい、上司も

 「じゃあ、何だったらできるわけ?」
 「やったこと無いからできないって、やろうともしなかったら一生できないじゃん」

と心配になってしまいます。
また、マネジメントを担う人であればその引き出しの多さの程度が測れたりもするので、安易に「NO」と言ってしまう人は底の浅いマネジメントしかできない人だという印象を持たれかねません。

言葉の選び方は、あなたのイメージを形作るものです。

 「挑戦してみます」
 「頑張ります」
 「わからないことは聞いてもいいですか」

など、できるだけポジティブな言葉を選びましょう。


「どちらでもいいです」

学生の頃、口癖のように言っていた時期がありました。
まぁ、実際どっちの転んでも良かったからなんですけど。

プライベートであれば個人責任だけの話ですのでまだどうとでもなりますが、ビジネスでは巻き込む対象がとにかく広くなりますから適当な回答は"無責任"の表れにしかなりません。

希望や意見を聞いてくれた上司に対して、自分で決められないからと

 「どちらでもいいです」
 「どこでもいいです」

と答えてはいませんか?

こうしたあいまいな表現と、無言・沈黙は、ビジネスコミュニケーションでは絶対にやってはいけないことと言われています。せっかくあなたを頼りにして聞いてくれた顧客や上司も困ってしまいます。

もしどうしても決められないならば「どちらでもいいです」ではなく、「お任せいたします」などと相手への信頼感を表すような表現をしましょう。

ただし、「どちらでもいい」にせよ「お任せします」にせよ、そう表現した以上は結果がどちらに転んでも文句を言ってはいけません。文句を言うべき相手は自分で決断、判断する責任を放棄した自分自身なのですから。


「でも」

開口一番「でも〜」「ですが〜」「だって」と否定や言い訳から入ることにも気を付けましょう。これもネガティブな印象しか与えませんので、著しく評価を落とす可能性があります。

反論する前に、まずは「承知しました」といったん相手の意見を受けとめられる余裕をもつことが重要です。

すぐに否定してしまうと相手はより攻撃的になってしまったり

 「これ以上、話すのはやめよう」
 「何を言っても無駄」

と忠告してくれなくなったりします。ビジネスの場で討論するようなシーンというのはなかなかありません。基本的に相手は協業するべきビジネスパートナーであるはずです。そんな相手に『論破』を吹っ掛けようとすること自体ナンセンスなのです。

よほど相手を納得させられる根拠がある場合であればまだしも、自信が無かったり、感情論でしか語れないのなら止めておいた方が良いでしょう。少なくとも、自分の考えを伝えるのは相手の意見を受けとめた後からでも遅くはありません。


最後に

こう言ったビジネスコミュニケーションを体得しておかないと相手は必ず不安になっていきます。あるいは下に見るようになってきます。

実際、こうした言葉が真っ先に出てくる人の意見は、私から聞いていても反論の余地がありすぎて滑稽に見えることが多いです。部下やメンバーであれば諭しもしますが、お客さまや同じような立場の人相手であれば、

 「一緒に仕事をしたくない」

と思うようになるものです。というか実際になりますし、周囲も同じ意見であることが圧倒的に多かった印象があります。ビジネスを成功させるための建設的なコミュニケーションに支障をきたし、時間や経費の無駄が生じ、また精神衛生的にも決して良い効果をもたらさないからです。

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