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ゴールから逆算すべし

何をするにしても「計画」と言うのは、最後に期待する結果を思い描いているからこそできることです。そして計画する以上は、思い描いている「結果」に辿り着いてほしいと、みなさん思っているはずです。

 「できるだけ失敗したくない」

そう本気で思えば思うほど計画していると思います。

たとえば、「飲み会の幹事」
たとえば、「友人との旅行」
たとえば、「恋人とのデート」

自分以外の人も絡んでいて、しかもちょっとした失敗でものすごく関係性が悪くなりそうなイベントって、ものすごく綿密に計画立てますよね。

でもなぜか不思議なことに「仕事」になると計画を立てない人が出てきます。なぜなんでしょう?

「ゴール」=「目標」=「結果」

本当に正しく仕事をしたいのであれば、基本的にゴールを先にイメージしておかなくてはなりません。

 "最後にどうなっているべきなのか?"

を定義せずして、その途上にある仕事(プロセス)の正当性は絶対に証明できません。仕事とは、常に「最後に○○となっているためには、何をしなければならないのか?」と言う発想によって生まれます。これは、

  「仕事をする」
 →「売り上げる」
 →「利益を得る」

の流れを汲むための絶対条件です。
商売の基本を思い出してください。

お客さまは"お金を払ってもいい"と思うからお金を払うのであって、"払う価値もない"と思ってしまったら払ってはくれません。事実、皆さんも消費者側の立場に立った時、そう思っているはずです。そのため、お客さまが「お金を払ってもいいよ」と思える結果(=ゴール)が何なのかを、まずは明確にしてください。

たとえば、

 『要求事項を満たした製品を納品してほしい』

という要望に対して、その契約条件を満たすことで対価を支払う…と言う請負契約を結んだのであれば、この条件を満たさない限り金銭を支払う必要性がないことを民法によって定められています。

であれば、

 「何から作ればいいか」
 「どう作ればいいか」

と言った目先のことではなく、

 「絶対にこのゴールに達するためには、
  最低いつまでにどのような状態になっていなければならないのか」
 「そのためには、確実に何をしなければならないのか」
 「その作業はいつまでに終わっていなければならないのか」
 「その作業を始めるためには、
  どのような事前準備が整っていなければならないのか」

と言うように、スケジュールをゴールから現在まで、ゴールするために必要不可欠な条件をすべて逆引きで設定しなくては絶対に成立しません。


大事なのはクリティカルパス

特にこの影響を受けやすいのがスケジュール計画です。

たくさんの人が密接に関係するプロジェクトであればあるほど、スケジュール計画を逆引きできなければ、大抵の場合はいきあたりばったりになります。場合によってはマネージャーの力量では手に負えず、ギブアップと言い出す羽目になるでしょう。逆引きでスケジューリングする際に最も重要なのは、細かいWBSではありません。

最も重要なのは

 クリティカルパス(仕事の経路)

の設定です。

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クリティカルパスとは、マネジメントにおいて、必要な時間を積算したときに最長となる一連の活動を意味します。つまり、そのクリティカルパス上の活動に遅延が生じると、プロジェクト完了予定日に直接的な影響が発生することになります。

上記のケースの場合、

 ①→②→④→⑤のルートを作業する人は、計12日
 ①→②→③→④→⑤のルートを作業する人は、計14日かかります。

③の活動は、②の活動が終了しないと始められないことを意味し、④の活動は、②と③が終了しないと始められない経路であることを意味します。

この場合、クリティカルパスは①→②→③→④→⑤のルートであり、もしこの経路上で遅延が発生すると⑤が完了する期日も遅れることになると言う計算になります(①→②→④→⑤のルートは、最悪2日遅れても間に合う)。

納期や報告のタイミングなどにおいて、絶対にずらすことができない期日を遵守するためには、このクリティカルパスを絶対に無視することはできません。

上記のケースの場合、⑤を確実に14日目で完了させるためには、④の期日は12日目がデッドラインでなければならず、①→②→④→⑤のルートで活動している人は、②の活動においてのみ2日間の余剰日数があって、それ以外の各活動では絶対に遅延させてはいけないことを意味します。


成功する人は多かれ少なかれ、誰でもやっている

このように正しく仕事を遂行し、正しい期日に、正しい結果を収めたいのであれば、

 まずゴールを知り、
 ゴールに至るまでに必要な経路を明確にし、
 ゴールに至るまでに割り当てられる遊びがどの程度あるのか把握する

ことを実践しましょう。作業内容やその作業ごとのスケジュールを決めることは、全ての計画の土台になります。

これを疎かにすると、どんなに良かれと思って進めていても必ずお客さまを困らせることになり、あわせて信頼や信用を損ねることになりかねません。

たまたま記事を見ていたら、R25の取材でGacktさんも言っていますね。

ホント、その通りだと思います。
成功したければ成功するゴールを定めて、そこに最短距離で進められるように逆算して計画を立てていくべきです。仮に未来予測が困難で、リスクを懸念して複数の選択肢を設けるとしてもその場で判断や行動できるよう、より具体的に明確化することです。

 「何が正しいか?」

をあらかじめ知るのは困難ですが、

 「結論が正しいかどうかはわからないけど、
  そう言う状況になったら、〇〇と決断する」

と決めておくことは可能なはずです。もちろん状況によって見直しをかけることは大前提として決めておくのです。だから、一度決めたからと言って必ずしもその通りにしなければならないわけでもありません。それでも、あらかじめ決めておくことは

 「変更すべきか否か」を正しく判断できる基準として機能する

という1点において、あらかじめ決めておかない進め方の数倍、数十倍価値があります。また、より正しい結果にしたいのであれば、その決断に正しいと思う根拠を添えるようにしておくと成功確率が向上します。「〇〇の方がいいと思ったから」程度の、何も根拠を持たないような決断ではただのギャンブルにしかならないのです。


最高のマネージャーは「主婦」

ちなみに。

私の中では、家計をやりくりする主婦毎日の晩御飯を時間通りに作れる母と言うのは、その辺の偉そうにしている大の男どもより、はるかにマネジメントができていると思っています(まぁ、そう言う女性が増えているのか減っているのかは知りませんが)。

限られた予算、限られた時間、限られたリソース(食材や道具)の中で、家族の料理を切り盛りする母親は、意外とこのクリティカルパスを感覚でわかっています。恐らくはそのあたりのビジネスマン顔負けなくらい普段から実践していることでしょう。

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なぜなら、調理した出来立てを美味しく食べてもらうために、複数のおかずやごはんを同じ時間に出来上がるように、出来上がるまでの時間を逆算して調理するよう、毎日のように実践しているからです。

規模は違えど、会社で偉そうに威張り散らしているだけの男性マネージャーよりもよほどマネジメントができていると言えるかもしれません。もちろん、料理屋の店員などにも同じことが言えます。

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