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正しいプロセスにこそ、正しい結果が宿る

私の中にあった座右の銘、その最後です。

とは言ったものの、実際には正しくないプロセスを経ても、正しい結果を導き出すことはできます。これを

 例外

と言います。

「例外」は、通例にはずれることや、原則と合わないことを言います。当然ながら、普通にやって、あるいは常識的に進めて、得られるようなものではなく、極稀に様々な条件が整った時だけに発生する

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と同じ扱いです。例外を基準にして行動計画を立てるのは、言い換えればただのギャンブルと同じです。ゆえに、成果や結果が出た時、最も重要にしなければならないのは、その結果に至るまでの『プロセス』の方なのです。

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すこし、わかりやすくマトリクスにしてみるとこんな感じです。

ここでは、一律して「プロセス」と言いますが、要するに

 ・過程
 ・流れ
 ・進め方
/手順

と言った感じでイメージしてください。

ゴールから考えるようになること

先日説明したように

最初に「結果」すなわち正しいゴールを前提として、そうなるように逆算したプロセスを考えた時、それは"正しいゴールに至るまでの最短ルート"となります。正しいゴールに到達するためだけに、余計な回り道をしないで、必要最低限のことだけを検討すれば、自ずとそうなりますよね。

ですから、まず「結果」を見た場合に

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の2つに分けてみてください。「どちらかと言えば」でかまいません。

この時、「望まれない結果(悪い結果)」となった場合は、正しい最短ルートを選択していない(計画していない、または計画通りに行動していない)と言うことです。したつもりだったかもしれませんが、できていなかったのです。結果がそうなっている以上、反論の余地はありません。

「望まれない結果」となった時点で、どんな言い訳をしても無駄です。結果に至るまでのプロセスのどこかに問題があったことが証明された…と言い換えてもいいでしょう。必ず「望まれた結果」となるように考えなければなりません。

世の中が『成果主義/結果主義』と言われる所以です。


望まれない結果だったとしても他責をしてはならない

この時、行うべきは「責任の所在を明らかにする」ことではなく、「他責にする」ことでもなく、唯一

 真因を特定すること

であり、それ以外のルートは「失敗を価値あるものにする」と言うゴールに対して、すべて最短距離以外の選択となります。

もちろん、他人の妨害によって望まない結果になることはあります。お客さまのせいで望まない結果になることだって、今までたくさんありました。だから、「自分は正しかった」「悪いのは他人だ」と言いたくなるのもよくわかります。私だって、感情で言えばそうです。

ですが、そう言ったら失敗は無かったことにできるのか?と言うと、答えはNoです。失敗は失敗。結果は覆りません。できることと言えば、その失敗を省みて、次に活かすことだけです。

では、どう活かせばいいのか?

答えは幾通りもあるでしょうが、私なら必ず

 「そういう存在が身近にいることは分かった。
  そしてどういう傾向で妨害するのかもわかった。
  性格的に推察される類似妨害も(完璧ではないけど)予測できる。
  次からはそう言ったことが『できないように』予防線を張るか、
  あるいはされても『被害を最小限にできるように』対策を講じるか、
  それともその両方を準備しておく」

とします。

なぜか?
それは

 他人をコントロールすることは不可能でも、
 自分をコントロールすることは可能だから

です。自分に責任が無いわけじゃないんです。そういった不測の事態(コンティンジェンシー)に対する備えを怠ったことが問題なのです。

もしも。もしもですよ?

もしも、このコンティンジェンシーに対する備えを怠っていながら、それでも「妨害してくる人が悪い」「悪いのは自分じゃない」と言う人がいたら、その人は、

 福島原発事故を起こした「東京電力」を責める資格はありません

もしも、地震大国『日本』において、地震の備えをしていない人が、地震に見舞われて「自分のせいじゃない」「だから備えていた人は自分に食料を恵むべき」と言ってきたら、あなたならどう反応しますか?

 可能性はゼロではなかったのに、なぜ備えていなかったのか?

と言いませんか?

予測すべき、備えるべき立場にある人が、最大限備えておく…と言う自己責任を放棄して、他責にはしることがどれだけの大惨事、どれだけの醜い結末を生み出したかをすべて物語っています。


望まれた結果だったとしても手放しで喜ばない

「成果主義」とは、日本の「ノルマ制」とは違います。

ノルマとは、定量的な要求のことで、「結果良ければすべて良し」の考えの上に成り立っています。悪意や害意があっても、ズルをしても、他人を蹴落としても、とにかく数字的に基準を超えていれば喜ばれますし、評価されます。なぜなら、「望まれた結果」以外のすべてがどうでもいいからです。

成果主義は、結果が「望まれた結果」であることを大前提としますが、それが安定して繰り返されるものであることが重要となります。ゆえに、「たまたま」「運よく」望まれた結果になったものは評価の対象になりません。もちろん喜ばれますが、決して実力で得たものではない以上、

 「今後も同じ成果を期待できるプロセスとなっているか?」

と言う問いに答えることはできないからです。

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ノルマしか見ない経営者の巣くう企業は、日本国内の場合、多くがブラック化していきます。なぜなら、出した結果に対して、組織として健全であるかどうか、そのプロセスを一切重要視されていないということだからです。

そうすると、現場は「ズル」「不正」をする人が出てきます。

「ズル」しようが、「不正」をしようが、結果的に数値(売上や利益)が高ければ、経営者は手拍子で喜ぶからです。その結果は、ここ数年の報道を見ていれば自明でしょう。

ですから、私は

 「定められたとおりにすれば、凡人でも非凡な結果を残せるプロセス」
 「自分じゃなくても、誰でも同じ結果がだせるプロセス」

を重要視しています。『「望まれた結果」を導くためのプロセス』こそが、最も企業成長に必要で、最も尊いと考えているからです。

「望まれた結果」を出すことは絶対条件ですが、そのうえで「運」でもなく、「たまたま」でもなく、「自分だから」でもなく、

 誰でも

同じ結果が出せるようになることが大事なんです。それができて初めて仕事の『プロセス』と呼んでいいのではないかと思っています。


「そんなことできるわけねー!」

そう言う人もいるかもしれません。

けど考えてみてください。

プロの料理人が書いてくれた「料理のレシピや作り方」って、そのプロの料理人じゃないと作れないんですか?

もしそうだとしたら、

こんなの見るだけ無駄ですよね。

でも、無駄じゃないから多くの閲覧者がいるわけです。マクドナルドのバイト店員にも、昔からマニュアルがありますよね。だから、どこの店頭へ行っても同じ対応をしてくれるのです。彼らは、『「望まれた結果」を導くためのプロセス』を提供され、その通りにまずは実践しようとしてくれるから、「望まれた結果」を量産できるようになっているわけです。

こうして、「正しい結果」を導くための「正しい手順や流れ」をこそ、私はプロセスと呼び、そのプロセスを大事にしているのです。

私はこの、

 「正しいプロセスにこそ、正しい結果が宿る」

と言う言葉を実践すべく、日々多くの成功プロセスを文書にし、それを自ら実践したり、あるいは他部署、他人に実践してもらったりして、そのフィードバックを日々更新しています。

以下は、私が管理している業務PCのソフトウェア開発に関するプロセスをまとめたものです。

 「100.developer」フォルダで300ファイルほど
 「200.education」フォルダで2100ファイルほど
 「300.compliance」フォルダで2400ファイルほど

あります。

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まぁ、改版してバックアップを残していたりもするので、清書しているのは70%ほどかも知れませんが、どんな些細なモノでも、"誰がやっても"正しい結果になるプロセスは、汎用性があり、応用が利き、誰に渡しても活用できるものなので、重宝すると思います。

ただ…私の身の回りの人たちは、ちょっと文章が長いと「長い」と言って読みたがらないので、最近では私から気持ちよく開示することはめったにありませんが。

たとえば、以下は私が4年ほど前に作った「顛末書作成ガイドライン」の一部です。当時、あちこちの部署であまりにも問題ばかり起きていて、しかも当時の部門責任者の方々はきちんとした対応が取れず、お客さまから叱責を受けることが多かった時期がありました。

私もそのうちの3~4件は解決とフォローに回っていましたが、あまりに頻発したため、役員の一部から「ちゃんと誠実に謝って、対応する手続きもできんのか」と言われる部門責任者の方々のために作ったものです。

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私の中では、幾度も"代わりに"作らさせられていたので、なんてことない定常作業の1つでしかなかったのですが、あまりに周囲が酷すぎたので作りました。

が、ほとんど私が解決してしまったので、「喉元過ぎれば…」じゃありませんが、役員たちもそれ以上は何も言わず、忘れ去られていきました。表紙含めて17ページほどありますが、結局これもロクに読まれることなく、お蔵入りです。

ですので、透かしで「社外秘」と私が勝手に入れていますが、実のところ私が勝手に「そうなるだろう」と思って入れただけで、公式文書でもなんでもないので、特に気にする必要はありません。まぁ、どこの会社でも、突き詰めてしまえば、同じようなプロセスになりますしね。企業固有の知財にもなりません。

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