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ビジネスにおいて曖昧な言葉は恥ずかしい

ビジネスを成功させるために重要なのは、明確なビジョンを持つことです。

ビジョンがなかったり、目的や目標がない組織やチームは、どこかで体制が崩れたり、成果に結びつかないという事が多々あります。なぜなら、最後に行きつくべきゴールが見えていないということだからです。ゴールがわからないということは、スタート地点からどちらに進めば正しいのかもわからないということです。

ビジョンとは、言い換えれば戦略であり、計画であり、はたまたビジネスモデルであったりを意味します。

組織やチームが明確なビジョンを持つためには、その組織やチームの長となるリーダー自体がビジョンを持たなくてはなりません。指示・命令を行うものが、ビジョンのない指揮を行うと、当然ながら、指示通りに行動する部下やメンバーたちは、ゴールに向かっているかどうかもわからず迷走することになります。

ビジョンを持たないリーダー

しかし、多くの組織においてこのビジョンを明確にもたないリーダーがいるというのが現実です。なぜなら、年功序列と言う仕組みの中で組織のリーダーになる場合や、経営層や上司から気に入られているというだけでリーダーになる場合、自らの意志ではなくやらされてリーダーを任されているケースもあるためです。

これはある意味で仕方のない背景もありますが、いつまでもそうであるわけにはいきません。会社は組織をまとめ、成果(収益)を向上させるために、無理にリーダーをアサインすることもありますが、その無理に決めた人材が、逆に組織をダメにする危険性もあるため、無理に決めたのであれば尚更リーダーを決めた後も、その動向には注意が必要になります。

リーダーを見極めること、リーダーを育成することは、その組織あるいは事業を安定的に成長させられるか否かに大きくかかわります。よほど予測不可能な事態に陥らない限り、なかなか成果が出ないような事業や組織では、ほぼ間違いなく、その組織リーダーの力量不足と言えるでしょう(新規事業は除く)。


優れたリーダー

では、仕事ができるまたは尊敬できるリーダーと、そうでないリーダーにはどのような違いがあるのでしょうか。

それは、”物事を曖昧に進めようとするかどうか”です。

ビジネスを進める上で最重要とすべきは、『物事を明確にしていくこと』です。もちろん最初から全てが明確になっていることと言うのはなかなかお目にかかれませんが、それでも

 ・明確にできるものは、すべて明確にする
 ・明確にできないものは、「いつまでに明確にするか」を明確にする

ことは絶対に手を抜いてはいけません。それは、この仕事を誰がやるのか、いつまでにやるのか、そしてそもそも”できるのか”と言ったことも含みます。

明確にしていれば、進行していく中でそれがブレれば必ず気づけます。

しかし、最初から曖昧なまま、道標もなく適当に進めると、それが間違っているのか、正しいのかも分からなくなることが多々あります。ですから、たとえば「見積書」や「注文書」のように、対外契約上において後で変更不可能な文書などは、どこまで曖昧さを排除できるか?が鍵となったりもします。

この手の重要文書で曖昧さが残っているケースでは、会社にとって甚大な被害を出したり、顧客からクレームを受け、信用を落としたりと、害悪になる可能性も考慮しなければなりません。


ふわふわした指示

たとえば、あるリーダーが

 「△△△の提案資料を作って!」

と指示してきたとします。
あなたはこの指示があまりにも曖昧過ぎると感じたので、

 「提案資料の内容について、具体的なイメージを書いてください。」

と言ってざっと説明してもらったとしましょう。すると、説明している中で、頭で整理できていないのが一目瞭然で、イメージも説明も曖昧だった…と言うことは珍しくありません。

「おそらく、こんな感じ」というぼんやりしたイメージはあるのでしょうが、具体的なイメージまで出来上がっていなかったようです。もちろん、そうした要望にも応えられる人が一流であったりするわけですが、仮に一流のメンバーがいるとしても、だからといって指示する側が曖昧で良い理由には絶対になりません。

指示が曖昧であるという事は、自分自身が明確に理解していない、もしくは想定できていないという事がよくあります。その場合、出してきた成果物に対して、良し悪しの判断もまた曖昧になります。

よく開発現場では、仕事の仕方が「ふわふわしている」という表現をされる事がありますが、まさに"ふわふわしている"と、何が言いたいのかわからないのです。


マッチポンプと言われたくない

結論として、曖昧な指示しか出せない人、曖昧なままにしておきたい人というのは、その仕事に対して明確なビジョンを持っていない事がよくあります。

これは、間違いなく、実力不足によるものです。

そもそも、曖昧さをなくし、より具体的であると言うことは、その情報精度が高く、またその裏付けとして自信や根拠が伴っているものです。それがないから曖昧になるわけですから、指示するにしても、判断するにしても、その根拠が構築できていない状態…あるいは構築できる実力がない状況ということになります。

これは、指示する側…すなわちリーダーやリーダーシップを発揮すべき立場の人すべてに言える事ですが、

曖昧な指示をしておいて、出てきた成果に対して指摘をするのは、
自分で自身を指摘しているマッチポンプと一緒

と言うことを自覚しておかなくてはなりません。そんな恥ずかしい行為をしていないかと、自問自答してみるといいでしょう。


曖昧なままでは徒労となりやすい

さらに曖昧な指示がもたらす弊害は他にもあります。

それは、"無駄にコストを発生させる"という事です。それを残業等の強制的な時間延長で補わなければならないのだとしたら、他人(部下やメンバー)の人生を無駄に浪費させていると言うことに他なりません。

前述した通り、ビジョンを明確にする実力が伴っていない場合は、何度確認しても無駄な行為に終わります。

もし、曖昧な指示を受けた際に、リーダーの思考を読み取って指示内容を理解しようとしても、結果よくわからないという事になるのがオチです。もしくは理解した気になって、思い込みのまま突っ走り、後々ダメ出しをされて全修正…と言う事態を招くことになるかも知れません。

こうしたケースで、リーダーのイメージと違ったという事は本当によくある話なのです。

指示・命令、または依頼などが曖昧にされてしまった時点で、そのことに悩んでいる時間も無駄であれば、それを修正する時間も無駄でしかありません。最初から明確であれば、費やす必要のなかった時間だからです。

そのため、リーダーが正確に指示を行えないと分かった時点で、「確認」頻度を向上するか、複数人に確認して認識の答え合わせをするか、いずれにしても冗長的な時間とコストを浪費しなければならなくなるのです。

なにより作業者の人生を浪費させるというのが、とても問題なのです。

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