自粛を活用して、アフターコロナに備える!
宇宙一外食産業が好きな須田です。
さて、コロナにばかりに注意を奪われていてもしょうがないので、前に進めるため新たな記事を書きます。
明けない夜は有りませんので。
今弊社でも、開発中の案件が複数進行中でしたが一旦緩やかなスピード感になっていますが、先月、ベンチマークしていた時に体験したことが有りましたので、そのことをお伝えさせて頂きます。
そのお店は、クラフトビール専門のビヤパブでした。
オープンして15年ほど営業なさっているお店でしたので、お客様の支持をシッカリと集めているお店のようでした。
ハイカウンター席と、テーブルもハイテーブルの、イギリスの古いパブをイメージした内装でした。
客層も若い世代の方から60オーバーの世代まで、幅広く獲得していました。
クラフトビールの種類と特性がわからなかったので、若いアルバイトの青年におすすめを聞きながら、オーダーをしました。
その時の混雑具合は、満席率70%程度の丁度良い込み具合と言った感じでしたが、カウンターのプリンターを見ると、伝票が帯になっていました。
なんと、オーダーが溜まりまくっておりました。
奥のキッチンには男性が1名、フロントのカウンターには男性が1名と先ほどのホール兼ドリンカーの青年が1名と女性スタッフも1名おりました。
10坪ちょっとの店舗規模でテーブル4卓16席、カウンターには立席10名ほどの席数ですから、オーダー数を考えても、それほど渋滞するとは思えませんでしたが、オーダーが溜まっていました。
案の定、我々が注文した商品は15分経っても20分経っても来ることは無く、やっと30分になろうかという時に1品目がそれから10分経って2品目が、そこからまた少しインターバルが空いて3品目となりました。
ビールだけは先ほどの青年を呼ぶと、まあまあオーダーを取りに来てくれる状態でした。
結局4人で2時間半居て、料理はファーストオーダーの4品しか消費できませんでした。
売上も客単価も低い結果となってしまい、クラフトビールは、売価は高いですが利益はそれほどよい商品ではありませんから、我々は利益貢献度の低い客だったと思います。
さて、この状況を作ってしまった原因はなんだと思いますか?
ここまでの情報ではなかなか判断がつかないと思いますが、一つずつ解説していきます。
このお店は仕組化がなっていませんでした。
彼らなりのルールはありましたが、混雑時に対応できる仕組みではありませんでした。
カウンターの男性は一応ドリンクと軽いフードの担当でしたが、どうも彼がオペレーションの鍵を握っているようで、各メンバーに指示を“時々”出しておりました。
この彼の指示が兎に角遅く、指示待ちのスタッフは伝票を見て自ら作業をすることは有りませんでした。
恐らくこの彼がシッカリとおさえ込んでいるのでしょう、彼がルールとなっているようでしたので、経営者なのか店長なのもしれませんが、全ては彼を通して作業指示が出ていました。
プリンターも1台のようで、全ての注文が1台のプリンターから出て来ます。
奥のキッチンには、この彼が口頭で料理のオーダーを流してから伝票を指定の位置に置く仕組みで、奥のスタッフは恐らく声でのオーダーは聞こえていないと思います、必ず伝票を確認してから作業を行っていたので、声は聞こえていないようでした。
このお店の仕組みは経営者なのか店長なのか、この彼が原因でスムーズに流れることは有りませんでした。
その結果、最初はなんとなくにぎやかな店内でしたが、料理が出てこなく催促が多く入るようになり、この彼がいらつき出し、奥のキッチンに強めに伝言をする、すると奥のキッチンのスタッフも怪訝な感じとなり、出てくる商品のクオリティが悪くなり、お客様に不満が貯まるそんな感じでした。
これらの現象の一番の原因は、お店と常連客との関係です。
この店長らしき人が、常連客と一緒に楽しく盛り上げっていて、肝心の仕事をしていません。
そのうちに、一緒に飲みだしてしまい、益々、仕事がおろそかになりましたが、他のスタッフが活躍することは、この彼にとっては気分が悪いようで、悪い意味でコントロールしておりました。
この店長らしき人とカウンター越しに飲むことが楽しい常連客によって、維持されている印象のお店でした。
我々は、昔からおつきいしているグラフィックデザイナーの方と、クライアント先の店長さんと一緒にお邪魔していましたが、全員が飲食業界の人間ですから、分析しながらある意味楽しく飲んでいましたが、隣の女子会の3名のOLさんは会社の愚痴からお店への愚痴に以降していきました。
さて、この経営者なのか店長さんなのかの彼ですが、恐らく、
常連さんを大事にすること=一緒に盛り上がること=一緒にお酒を飲むことと信じているようです。
これは、昔のスナックの店長のやり方です。
お客の金で酒を飲んで、店の売上にするやり方です。
悪しき水商売の頃の伝統芸です。
仕組み以前の飲食業に対する考え方が古いことが原因でした。
以前にも同様のことがクライアント先で起こっていたことが有り、店長が常連を自分が立っているカウンターの前に座らせて、常連さんとだけ話をする、お酒を酌み交わすそんな状況となっているケースがありました。
経営者の方と相談をして、その店長の考え方を修正して頂くようにしましたが、スタッフからの不満が爆発してしまい、ついにその店長には退職勧告となってしまいました。
飲食店は差別があっては絶対にいけません。
でも、区別はしなければなりません。
ご新規のお客様と、常連さんと、ご贔屓さんと、それぞれ区別した対応をしなければなりません。
しかし、常連さんといえども、ご贔屓さんといえども、一線を超えた関係になってはいけません。
お客様のお金でお酒を飲むことは、一般の飲食店ではあってはならないことです。
クラブやスナックはならばまだしも、居酒屋やレストランでは許されることではありません。
このようなお客様と一線を超える管理者がいる場合には、お店は間違いなく荒れます。
売上も利益もお金の管理も、スタッフの人間関係も業者さんとの関係も、全てが荒れて来ます。
事実、以前経験したお店では、仕入れ業者からの不正請求、アルバイトの時給計算の不正、売上と釣り銭の違算、食材とお酒の横流しと持ち帰りなど、調べると不正が沢山発見されました。
残念なことにそれまで、店長が行ってきた業務を再調査すると、不正が沢山出て来ました。
現代は、飲食業の在り方を問われる時代です。
今は特にコロナウイルスのこともあり、自粛をしているお店が沢山あります。
アフターコロナの時に楽しくお客様をお迎えするために、今何が出来るのか。
今ここで、正しく仕組化が出来ていないお店は、時間をかけてもう一度お店を効率よく正しく回す仕組みを再構築する絶好のタイミングと思います。
仕組化には、人間力が必要です。
仕組みを整えても、実行するスタッフのマインドと行動原則が、お店の目指していることと合致していなければ、実現は出来ません。
仕組みの再構築と人間力を高めるために、今出来ることを考えてみてはいかがでしょうか。
自粛を活用することで、今後が大きく変わる気がしております。
是非、積極的な自粛をしてみませんか!
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