人材募集の具体的な施策です。募集でまず考えなければならないのは、募集をすると、誰が一番最初に利を得るかです。
宇宙一外食産業が好きな須田です。
さて、人財募集の具体的なノウハウをお伝えさせて頂きます。
多くの方は何らかの募集サイトをご利用すると思います。
有料・無料問わず、募集サイトをはじめとした募集媒体を活用してスタッフを集めると思います。
おそらく、一般的な募集の流れは、次のような感じだと思います。
沢山ある募集媒体から、いくつかに絞ります。
その中から営業担当者から詳しい話を聞いて見積もりを取って、金額と掲載期間そしてキャンペーンなどの特典を考慮して、最終的にどこかに決めます。
契約を交わして、掲載の時期を決めます。
募集広告を出すに際して、掲載のフォーマットが送られてきます。
そのフォーマットを見ながら、条件を入れて行こうとしますが中々前に進みません。
もしくは、営業担当者がインタビューをしてくれて、条件なんかも色々と他店の情報も貰いながら決めて行きます。
いずれにせよ、ある程度は担当者に書き込みをお願いすることとなります。
それもサービスの一環として、費用に含まれていると感じています。
他店と遜色ない、キャッチコピーと写真と条件が揃ったページが、出来上がります。
そして、実際に募集が始まります。
そして、応募がありません。
すると、営業担当者はこの時期は厳しいとか、他店も同じ状況だとかの理由と状況を報告してくれます。
いつの間にか最初の掲載期間は終了して、2回目をお願いすることとなります。
前回のプランでは応募が無かったので、アップグレードしましょうと提案され、上位クラスの枠を大きな割引で提案されます。
すると、その割引率に媒体側の誠意を感じて、再度お願いすることとなります。
これを何度か繰り替えして、やっと数人の応募があり、そして1人か2人獲得できます。
その時点で、募集費は数十万になっており、1人当たりの獲得コストは数十万となってしまっています。
そして折角採用しても、不満足な働きぶりに辟易しますが、しょうがありません、成長を期待しつつ雇用を継続しますが、ある時突然辞めますとラインが来て、スタッフは去って行ってしまいます。
極端な例かもしれませんが、でもこれはノンフィクションです。
この事例は後を絶ちません。
では、なぜこれが繰り返されてしまっているのでしょうか。
ハッキリ言って、その理由が解らないままに募集と採用を繰り返していると、企業体力はどんどんすり減って行ってしまいます。
募集サイトへ毎月数十万単位での出費は、確実にボディーブローとして経営を圧迫する結果となります。
さて、一つひとつ紐解いていきたいと思います。
先ず、募集するにあたって理想のスタッフ像を決めることの大切さは、前々回のnoteの記事で書きました。
スタッフのペルソナを作りましょう。
技能を明記したペルソナを書いて、先ずはスタッフ像を決めましょう。
全てはここから始まります。
リクルートで、最もやってはいけないことは、チームメンバーとして迎え入れてはいけない人をメンバーにしてしまうことです。
その理由は、チームバランスが崩れるからです。
採用してはいけないスタッフを採用することで、チームのバランスは崩壊し、大きなストレスとなります。
精神的にもオペレーション的にもバランスを崩すこととなり、ただでさえ少数精鋭でやってきたオペレーションは徐々に崩壊していきます。
最悪の場合、大事な既存スタッフが退職する事態にまで発展します。
ですから、誰をチームメンバーとして加入させるのか、どのような特性とスキルがあるのかを前もって決めることは、採用の可否基準として最も大事なことです。
何度も言いますが、採ってはいけない人物を採らないために、ペルソナを決めましょう。
恐らく前々回の記事を多くの方はサッと読んだと思いますが、募集に際して最も比重が重いのがペルソナを決めることです。
お客様のペルソナは違っていたとしても、内部の調整でお客様に合わせる対応は可能ですが、スタッフは人を入れ替えるしか手立てがありません。
日本の法律では、労働者は手厚く保護されているので、簡単には退職させられません。
労働争議に発展する場合もあります。
実際に、それを体験したクライアントが過去に数社ありました。
ですから、メンバーに加えるべき人の特性を決めることは、最重要課題です。
さて、次に大きな勘違いをお伝えします。
募集サイトを作るのは、慣れていない店長さん経営者の方には苦痛に感じる作業です。
そこで、営業担当者の甘い提案に喜んで、サイトのフォーマットの書き込み作業をお願いします。
信じられないぐらい早い時間で、フォーマットの書き込みが完了して、送られてきます。
フォーマットに書かれている内容を確認して、他店と遜色ないのでOKを出してしまいます。
実は、ここが大きなミスポイントです。
大きな勘違いは、ここで起こってしまっています。
ミスポイントはいくつかあるので、解説してきます。
まず、募集広告を出すと、誰が利益となるかを考えることです。
お店に利益が上がるのか、応募者に利益が上がるのか、募集広告を掲載する会社に利益が上がるのか。
応えは明白です。
募集広告を掲載する会社に、利益が上がります。
募集広告を掲載する会社サイドに立って考えると、1店舗から1回の掲載を受注することと、複数回受注するのでは、会社により多くの利益が残るはどちらかを考えてください。
当然複数回です。
そうです、募集広告を掲載する会社の利益を考えると、1回で応募があって掲載が終了してしまっては売上が伸びません。
複数回掲載してもらって、初めて大きな利益になります。
何故、募集サイトを構築する会社が次々と上場できるかを、考えてください。
多くの営業マンを抱えて大きな売上を獲得して、都内の一等地に自社ビルを建てているのかを考えてください。
顧客生涯価値という言葉を聞いたことがあると思います。
募集サイト提供している会社は、顧客生涯価値の最大化に必死に正面から取り組んでいるので、上場も都内の一等地の自社ビルも手に入ります。
決まったフォーマットを何度も何度も焼き直して、掲載する仕組みが出来上がっています。
信じられないスピードでフォーマットの書き込みが合わるのは、定型文があるからです。
営業担当者にとって必要なことは、いち早くフォーマットを完成させること、他店と遜色ない言葉と条件でフォーマットを完成させること、そのことでクライアントに安心感を提供することです。
語弊を恐れずに言いますが、担当者にとって応募があることは多少は気になりますが、担当している多くのクライアントの1社でしかない御社にばかり注意を注ぐことはありません。
それよりも、次の案件の獲得の方が重要です。
既に受注している既存クライアントは、応募が無ければ再度掲載を依頼してくるので、もう放っておいても大丈夫と思っていますので、つかず離れずの対応です。
ですから、何が起きているのかと言うと、担当者にはお店の事情はそれほど重要なことではなく、見栄えの良いデザインと耳あたりの良い言葉を羅列してサイトを見劣りしないようにします。
そうやってクライアントを満足させて、他店と全く変わらないページを構築して、サイトの中で埋もれてしまいます。
ですから、営業担当者にフォーマットの書き込みをお願いすることは、絶対にやってはいけないことです。
きちんとペルソナを設定して、自分の言葉で語りかけることです。
これが出来るだけで、格段に応募率は高まります。
狙った人が集まるようになります。
次に、フォーマットを埋める時に大事なことは、文字制限があるので短い言葉で的確に伝えることです。
その為、お店の紹介は書き過ぎなくすることです。
お店の情報はどこからでも拾えますから、最小限のことで構いません。
それよりも必要なことは、入社したらどのようなベネフィットが有るかを書くことが最も大事です。
多くの店舗はここを書いていないので、応募者は仕方なく条件でお店を選ぶ結果となってしまいます。
ですから、ベネフィットを書きましょう。
その為には、前々回の記事でお伝えした、キャリアプランが必要になります。
いつもは募集を出す立場にいるので解らなくなっていますが、もし、応募者の立場になったとして、入社後の自分にとっての利点が見える会社と見えない会社があるとしたら、どちらにより強く興味を持ちますでしょうか。
応えは明白ですよね、利点が見える会社だと思います。
入社すると数年後には収入はどれぐらいになっているな、役職は、ポジションはどうなっているのかが表現されている、容易に想像できる会社に興味を持つと思いませんか。
ですから、入社後のベネフィットを確実に表現することです。
そして、併せて大事なポイントは、その全てを応募者の立場になって表現すことです。
一般的に表現されている、店長という役職には、店舗管理、スタッフ管理、集客と売上構築業務などと書かれています。
これを読んで、この会社に興味を持ちますか?
入りたいと思いますか?
日々の行う業務は同じでも、この表現にはマウントを取ってきているような印象がありませんか。
この文章から非言語の情報を読み取っています。
ですから、応募者の立場になった表現をすることです。
店長として就任したあなたの特性を活かして、店舗を構築するために、会社としてはこのような用意があります。
あなたが培ってきたノウハウとスキルを十分に活かせる土壌がウチの店にはありますと、応募者の立場に立った書き方をします。
これによって、狙った人材がほぼ間違いなく応募してきてくれます。
この、相手の立場に立った表現は、これからのリクルートでは非常に大きな比重を持っていると私は思っています。
どうか、人財募集を面倒な作業と思って、募集媒体の営業担当者に丸投げするようなことは止めてください。
人生を共に歩む伴侶を、誰かに任せて結婚した方はいないと思います。
人材募集は同様の重さがあることと、認識してください。
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