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【本紹介】スマホ脳

こんにちは!本日はスウェーデンでも最も注目されているメンタルヘルスのインフルエンサー、アンデシュ・ハンセン先生の「スマホ脳」という本を紹介致します!

人間の脳はデジタルに適応していない」これが彼の主張です。スマホが普及してからうつ病患者が増えたのはなぜか。スティーブジョブズが自身の子供にipadの使用を厳しく制限していたのはなぜか。この本を読めばわかります。

【第一章】人類の歴史

まずは人類の歴史から人間の脳を理解しよう。

10万年前サバンナで生きた人間は長い時間をかけて進化をしてきた。進化は自身が生き延びるため、子孫繁栄をするためにするものだ。

人類は誕生してから99.9%の時間を狩猟採取民族として生きてた。獲物が来たら捕まえる、敵が来たら闘うか逃げる。このような環境を経て人類は進化をしてきたのだ。

【第二章】ストレスや恐怖には役目がある

人間はゴキブリやヘビを見たとき恐怖を感じて心拍数が上がることがある。これは人間が「闘争か逃走か」に備えている正常な状態だ。人類の長い歴史ではほかの生物に殺されて命を落とす時代が圧倒的に長いためである。

実際はゴキブリやヘビでよりも交通事故で命を落とす確率の方が高い。だがが車に乗っていちいち恐怖やストレスを感じる人が少ないのはそのせいだ。

「~かもしれない」という不安の感情、ストレスの感情は「闘争か逃走か」に備えるために人類が進化によって作った正常な機能なのだ。

【第三章】スマホは最新のドラッグだ

現代人は1日平均2600回スマホを触り、2.3時間スマホを眺めている。多い人は8時間という人もいるだろう。起きている時間のほとんどだ。

これはスマホがドーパミンという脳内物質をうまく利用しているからある。

ドーパミンは「人間に行動を促す」役割がある。例えばお腹がすいて食べ物を食べたい時に「食べる」という行動を促すのだ。

サバンナで生きた人類にとっては「周囲にライオンがかもしれないから逃げよう」といったようにドーパミンを利用してうまく生き延びた。

現代では「通知が来てるからスマホを見よう」「SNSにいいねがついているかもしれないからスマホを見よう」という風に、ドーパミンに利用されてスマホの虜になってしまっているのだ。

【第四章】集中力こそ現代社会の貴重品

スマホは現代人の集中力を下げている。

記憶力と集中力の調査を、スマホを教室外において行ったグループとスマホをポッケに入れて行ったグループに分けて行った。すると前者の方が良い結果が出た。ポッケに入れたグループはスマホをサイレントモードにしていたにも関わらず、集中力が下がったのだ。

実際にスマホを使っていなくても、脳はスマホがどこにあるかを認識してドーパミンを出したいのだ。これによりスマホが気になってしまい、物事に集中できない状態になってしまうのだ。

このように現代人はスマホが誕生してから物事に対する集中力が著しく低下したのだ。

【第五章】メンタルや睡眠に与える影響

スマホはメンタルや睡眠に良くない影響を及ぼす。

現在スウェーデンでは大人の9人に1人が抗うつ薬の処方を受けている。同様の統計が多くの国からみられる。この増加は国のGDPが上昇するにつれて起きた。また睡眠障害の治療を受ける若者が爆発的に増加している。なぜか。

現代人がスマホの虜になりすぎて、中毒になっていしまっているからだろう。するとスマホをいじれないときがストレスに感じる。さらにいじっている間は長時間座ったままの状態で不健康になっていく。

睡眠に関して言えば、スマホからはブルーライトを出している。これは太陽と同じようなライトであるため、寝る前にこれを見ると人間の体内時計を2~3時間狂わせる。

さらにそばにあるだけで集中力を奪うのと同じく、スマホが寝室にあるだけで睡眠時間が短くなることも実験で分かっている。寝ている間すらも脳はスマホの位置を認識し、ドーパミンを出したいからだ。

このようにスマホ中毒によるストレス、不健康、睡眠不足がうつ病になる原因となってしまうのだ。

【第六章】SNSについて

ボタン一つで20億人と繋がることができるSNSはとても便利なツールだ。

しかしSNSを使っている時間が長い人ほど孤独を感じやすく、短い人ほど幸福感が増すという研究結果が出ている。

SNSを使うと他人と比較をしてしまいやすくなるのだ。自分より楽しそうに遊んでいる人や社会的地位が高い人はごろごろいる。SNSを見て「自分はダメだ」と自信を無くしてしまう人が多いのだ。

数十年前よりもうつ病で悩む人が増えたのも、これが一因かもしれない。昔は他人と比べるにしてもクラスの20人~30人程度だった。しかし今はそれ以上の人と比べられる。

SNSの時間が短い人は他人と自分を比べず、リアルで人と会うことに時間を使っているから幸福度が高いのだ。

【第七章】バカになっていく子供たち

今スウェーデンでは学齢期の子供のほとんどが自分のスマホを所有している。子供にスマホを持たせることはどのように影響するのか。

ドーパミンは年を取ればとるほど放出量が減っていく。最もドーパミンが活発なのは10代のうちなのである。この時期にスマホというドーパミン放出に適したものを与えると、大人より依存症になりやすい

先程の記憶力と集中力の調査でも言った通りスマホが教室にあるだけで人間は集中力が下がる。今の子供たちはもちろん授業に集中できずにスマホを触る。

若者の学力低下や睡眠不足が増えたことも影響しているのではないだろうか。

IT企業のトップだったスティーブジョブズは子供がデジタル機器を使う時間を厳しく制限していた。ビルゲイツは子供が14歳になるまでスマホを与えなかった。

これは彼らがローテクな親だから?もしくは金銭的に余裕がなかったから?彼らはスマホ等のデジタル機器が人間に及ぼす影響を見抜いていたからだ。

【第八章】運動という対抗策

ここまでスマホの悪影響を話してきたが、これに対抗する最善の方法がある。運動だ。人は運動をすると集中力と記憶力が増し、ストレスにも強くなるのだ。

小学生500人を対象に行った調査では、運動しないでテストを受けたグループより20分運動してからテストを受けたグループのほうが成績が良かったことが分かった。

これはおそらく我々の祖先が、体をよく動かしていたからだ。狩りしたり追いかけられたりするときは体を動かしつつ最大限に集中をしないと生き延びれなかったからだ。

現代はデジタル機器の影響もあってか10年ごとに運動量が減っている。運動は散歩でも筋トレでもランニングでもヨガでもどんな種類でも知能に効果を与えるそうだ。

スマホ中毒の人にはとにかく運動をすることが特効薬になるのだ。

【第9章】スマホは脳に適応するのか

スマホは人間の脳に適応していない

人間は生物として進化はしていくもののこの数百年程度では大きなは変化は起きない。つまり私たちが生きている間にスマホに適した脳に進化することはないのだ。

人間がテクノロジーを使い始めたのは人類の長い歴史から見ればかなり最近の話だからだ。人類の99.9%は狩猟採集民族だったのだ。

とにかく、私たちはデジタル機器を賢く利用するしかない。そうでなければスマホが人間を2.0バージョンにするよりも0.5バージョンに退化させてしまう。

デジタル時代のアドバイス

最後に、現代のデジタルライフから受ける影響を最小限にしたい人へのアドバイスだ。

・目覚まし時計、腕時計を買う(スマホでなくていい機能にはスマホを使わない)

・集中力が必要な作業をする時はスマホを別室に置く

・人と会っている間はマナーモードにして、相手に集中する

・教室ではスマホ禁止

・スマホを寝室に置かない

・運動をする(最も効果的なのは週3回45分の心拍数が上がる運動)

・SNSでは積極的に話したいと思う人だけフォローする


最後に

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この本を読んでからスマホがなぜここまで普及したのかという正しい理由が分かりました。ただ単に便利だからではなく人間の脳をうまく利用していたというところが衝撃的です。

そしてスマホが普及するごとに精神的な悩みを持つ人が増えたということも理解できました。

私も最近スマホを眺める無駄な時間が長かったので上のアドバイスを実践して”賢く”デジタル機器を使っていこうと思いました。


本日もありがとうございました。よろしければフォローとスキよろしくお願いいたします!



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