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【短編ホラー小説】短夜怪談「窓を叩く」

そろそろ寝ようかという頃。窓の向こうから

コンっ……カリ……コンっ……カリ……

という軽い音が聞こえる。
虫でもぶつかってるのか。軽い気持ちでカーテンを開ける。
窓の外で、真っ白な指先だけが闇から浮かんでいる。それが、窓をノックし爪で引っ掻いていた。私が見ても尚繰り返している。

ーー見ちゃダメだったやつか

真顔でカーテンを閉め、寝室へ向かった。

それ以来、夜に窓から音がしてもカーテンを開けることは止めた。



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