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【短編ホラー小説】短夜怪談「手作り心霊写真」

趣味で心霊写真を作っている友人・Uがいる。

完全個人の趣味の為、どこかへ公開ということはしていない。過去何回か見せてもらったことはあった。人物の身体の一部が消えていたり、背景に人の顔のようなものを入れていたり、そんな写真の数々だ。知らないで見れば、確かに心霊写真に見えてしまう。
「最近また作ったんだ」
「見てもいいやつ?」
「いや……それがさ」
Uの歯切れが悪い。
「何?」
Uが言うに、今回の一枚は一人の男に見えるぼんやりした人影を入れたものだった。
「よく見たら男に見えるかな、ってくらいにしたんだよ。最初は」
「最初は」
それが、画像を見る度にその人影がはっきりした姿になって行ったらしい。もちろんU自身は何も手を加えていなかった。
「流石に消すか、って今日も見たらさ」
ーーその人影、カメラ目線で満面の笑みを浮かべた俺の叔父になってた。

Uは叫んで、画像を完全に消したそうだ。
ちなみに、写っていた叔父という人は今日も健在である。だから何故、作られた画像に満面の笑みで写っていたのか今もって分からないままらしい。


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