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佐和商店怪異集め

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短編連作の創作小説「佐和商店怪異集めシリーズ」をまとめています。 夜はお化けがわんさか出るコンビニで働く女子大生・芽吹菫と、呑気な先輩おじさん・榊晃次郎は、どちらも霊感ありの凸…
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2022年10月の記事一覧

【創作小説】佐和商店怪異集め「ハロウィンの不思議な夜」

オレンジ色の夜、だった。 真っ暗な街に、満月の光と、何が源か分からないオレンジ色の光が照…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「幽明(ゆうめい)奇譚」

「心臓」「灯る」「知らせ」のお題をいただいて書いたものです。ありがとうございました。 ◆…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「歩道橋より」

「陽炎」「幻」「歩道橋」のお題をいただいて書いたものです。ありがとうございました。 ◆◆…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「深夜のコール」

ど深夜。 内容は忘れたが、私は悪夢を見て飛び起きた。 目覚めた時に叫んだから、相当嫌な夢だ…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「彼岸の」

二十四時間営業でないコンビニ佐和商店の話。 店内がざわざわと煩い。 カウンター内にいた私…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「燻る感情に名は無し」

「鍋パーティーしたんだって?」 芳賢の声で、カウンターに居た榊は顔を上げた。問いかけるそ…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「鍋パーティーinお化け屋敷」

「鍋が食いてぇ」 始まりは、榊さんのその一言だった。 私・芽吹菫は、いつもの独り言扱いして聞き流した。でも、たまたま来てた店長の吉瑞さんが、なら家でみんなで鍋やろうと言い出す。 「食べ物と、もちろんお酒も買い込んで宴会しよー!!」 「店長は酒飲みたいだけだろ」 「鍋と言ったら酒じゃん」 きっぱり言い切る吉瑞さんに、榊さんは呆れた視線を送る。 「てか本当に店長ん家でやるのか?」 「吉瑞さんの家って行ったことないですね」 思わず会話に入ってしまった。榊さんは私を見て、ニヤッと笑

【創作小説】佐和商店怪異集め「クッキー」

二十四時間営業でないコンビニ佐和商店の話。 私・芽吹菫は、休憩中に事務所で自作のチョコチ…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「飲み会の憂鬱」

今日は大学の飲み会で、私・芽吹菫は、行きたくなかったが仕方なく出向いた。 駅前の居酒屋で…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「女の子と」

二十四時間営業でないコンビニ佐和商店の話。 タッタッタッタッと、店内を子どもが走る足音が…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「土産物」

いつもの佐和商店。 俺は、カウンター内で温泉饅頭の包みを解いているすみちゃんを見ていた。 …

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「十五夜」

「そういや今日は十五夜か」 「十五夜?ーーああ、中秋の名月でしたっけ」 仕事帰りでぶらぶら…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「『愛しき夜』の物語」

今回の話は、Twitterのフォロワーさんである朝本箍さん(@asamototaga)と同じテーマ『絶望、揺…

宵待昴
1年前
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【創作小説】佐和商店怪異集め「花火遊びの夜に」

「夏の終わりに花火したい」という吉瑞さんの一言で、佐和商店のバイト全員、夜の公園に集合した。 「手持ち花火なんて、何年ぶりかしらね」 魚住さんが目をキラキラさせて、吉瑞さんと花火パックの封を率先して開けている。 私と天我老君とで、バケツ二個分の水を用意して。 榊さんがチャッカマンを片手に笑っている。 みんなが各々花火を手に持つと、榊さんが順に火を点けた。 わっ、と声が上がる。 「これよー花火花火ー」 「こんなに勢いあったかしら」 「榊さん、何本持ってるんですか!?」 「天我老