【創作小説】佐和商店怪異集め「花火遊びの夜に」
「夏の終わりに花火したい」という吉瑞さんの一言で、佐和商店のバイト全員、夜の公園に集合した。
「手持ち花火なんて、何年ぶりかしらね」
魚住さんが目をキラキラさせて、吉瑞さんと花火パックの封を率先して開けている。
私と天我老君とで、バケツ二個分の水を用意して。
榊さんがチャッカマンを片手に笑っている。
みんなが各々花火を手に持つと、榊さんが順に火を点けた。
わっ、と声が上がる。
「これよー花火花火ー」
「こんなに勢いあったかしら」
「榊さん、何本持ってるんですか!?」
「天我老