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短夜怪談

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ホラー短編小説「短夜怪談シリーズ」をまとめています。一話完結の短い怖い話。
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#短編

【短編ホラー小説】短夜怪談「心霊スポットの」

真夏の深夜。 心霊スポットに突撃して来ます!と元気に飛び出して行った後輩が、ものの三十分…

宵待昴
2週間前
7

【短編ホラー小説】短夜怪談「プールサイド」

小学五年生くらいの頃。 プールの授業中、体操着姿の子が一人、バタバタとプールサイドを走り…

宵待昴
2週間前
15

【短編ホラー小説】短夜怪談「見上げる」

「先輩、いつも思うんですけど。このビルに何か用でもあるんですか?」 「いや別に。何で?」 …

宵待昴
2か月前
15

【短編ホラー小説】短夜怪談「雨の日の帰り道」

雨の降る深夜。 帰宅中、道を急ぎ足で歩いていると、後ろからびちゃびちゃと足音がする。わざ…

宵待昴
2か月前
13

【短編ホラー小説】短夜怪談「赤い紫陽花」

幼少の頃、私が住んでいた母の実家には、庭に紫陽花があった。青い紫陽花で、私はその紫陽花を…

宵待昴
2か月前
18

【短編ホラー小説】短夜怪談「メッセージ」

友人と談笑中。 手元のスマホに、通知が来た。メッセージアプリ。 『深夜二時に行く』 唐突過…

宵待昴
3か月前
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【短編ホラー小説】短夜怪談「鯉のぼり」

近所に、水が綺麗な小川がある。 散歩でそこに掛かる橋を通った時、川の中に鮮やかな青い鯉のぼりが泳いでいるのが見えた。誰が水に晒しているのか、綺麗なもんだと足を止める。そこへ、小さな男の子が、鯉のぼりだ!と叫びながらじゃぶじゃぶと川へ入って行った。鯉のぼりに触れたかという瞬間、それが急に飛沫を上げて伸び上がり、男の子を一口で丸呑みにする。そのまま川へ潜り、悠々と泳ぎ去って行った。あっという間のことだった。水面には、男の子の靴が浮かんでいる。慌てて川へ下りたが、着いた時にはその靴

【短編ホラー小説】短夜怪談「公園のベンチ」

会社近くの公園には、木製のベンチがいくつかある。昼時などは、多くの人々が利用するのを見掛…

宵待昴
4か月前
13

【短編ホラー小説】短夜怪談「コピー」

中学生の頃、親戚のおじさんが突然亡くなった。 家族が無く、私たち家族が事務手続きなどに奔…

宵待昴
5か月前
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【短編ホラー小説】短夜怪談「歩道橋の下に」

駅へ向かう為、歩道橋を歩いていると、柵の向こうを何かが並行してゆっくりこちらへ向かって来…

宵待昴
5か月前
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【短編ホラー小説】短夜怪談「教室の花」

ある朝。 Dさんが一番乗りで教室に登校すると、教卓を含めたクラス全員の机に白い花が飾られて…

宵待昴
6か月前
11

【短編ホラー小説】短夜怪談「犬の散歩」

夜の帰り道。 ぴかぴかに点滅する首輪をした犬の散歩に遭遇した。犬はとても楽しそうだ。何気…

宵待昴
6か月前
8

【短編ホラー小説】短夜怪談「ドリンク」

社内に、無料で紙コップドリンクが出る自販機がある。休憩中、ココアのボタンを押し、さて出来…

宵待昴
6か月前
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【短編ホラー小説】短夜怪談「空調の蓋」

昔、中途で入った会社に勤めていた頃の話。 ある時、一人で残業することになった。この会社は何故か、残業にあまり良い顔をしない。なるべく早く帰れよと言う部署のメンバーたちを見送り、さっさと終わらすべく作業に取り掛かる。終業時間を過ぎていたから、部屋の照明は薄暗くする。どれくらい経ったか、集中力が切れた。座ってボーっとしていたら、デスクに出していたスマホの真っ黒な画面に、天井にある空調が映り込んでいるのが見える。伝わるかは分からないが、正方形で、蓋は外すとぶら下がるような格好になる