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【短編ホラー小説】短夜怪談「ドリンク」

社内に、無料で紙コップドリンクが出る自販機がある。休憩中、ココアのボタンを押し、さて出来たと取り出してみれば、中身が真っ赤な血。パニックになって流しに捨てたら、色も様子も普通なココアが流れて行く。見間違いかと思って、もう一度出し直してみても、やっぱり真っ赤な血。何回か繰り返して、ココアは諦めた。席に戻ると、周りも同じようなことになっていて、業者を呼ぶ手配がされている。少し安心した。
その夜、社員が社屋から飛び降りて自殺した。別部署の知らない人だけど、突然だったらしい。それ以降、ドリンクが血に変わると社員が変死するので、自販機は廃止が決まった。

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