【短編ホラー小説】短夜怪談「コピー」
中学生の頃、親戚のおじさんが突然亡くなった。
家族が無く、私たち家族が事務手続きなどに奔走することとなったのだ。提出する書類が大量に発生し、父の命で近所のコンビニへコピーを取りに行った。何種類もの書類を順調にコピーしていき、最後の一種類。原稿をセットし、無事に出て来た紙には、原稿の上から真っ赤な手形がついている。
「ひっ!」
急いでコピー機の蓋を持ち上げて確認しても、何も無い。恐る恐るコピーし直しても、やはり手形がついている。元の書類にも、手形なんて無い。怖さと訳の分からなさ