ニンゲン御破算

「ニンゲン御破算(ゴワサン)でええじゃないか!!」

大好きな大人計画、大好きな松尾スズキ作・演出の舞台。観たいと思う舞台はどれも円盤化はされておらず、再演の予定も今のところはない。そんな舞台が多い中で、今年の1月のはじめ、大人計画ホームページで『ニンゲン御破産』改め、『ニンゲン御破算』の再演の知らせを知った。そしてその勢いで中古の戯曲本を買った。

2003年上演の『ニンゲン御破産』の戯曲本を初めて読んだときの感想は、正直よくわからんというところだった。諦めるわけにも行かず、その当時観劇した人のレポートをネットで探し、それを読んで再度戯曲本に挑戦、やっと筋が追えてきた。
一体どんな舞台だったんだろう、と想像してみるが、なかなか難しい。

そして今日、2003年版の戯曲本片手に、大筋はアタマに入れてコクーンへ!
圧巻の生演奏!俳優陣もだけど、ここも贅沢。
一幕終わりの南北先生と黙阿弥、すっごいありがたい!わかりやすい!休憩せんのかい!!灰次と黒さん(順番笑)の会話のテンポ感、そこに絡んでくるお吉。猪とやったのかおめえ!舞台の多部未華子、声が通る通る!平岩紙はさすがの貫禄というかなんというか、もっと舞台で観たいな。ドラマの皆川猿時・荒川良々の存在感もなかなかだけど、舞台でもすごい、3月のあぶ刑事観に行きたかったなぁ、下北沢。ホームページみて改めて思うけど大人計画すごすぎるでしょ、日本の映画もドラマも舞台も、演劇支えてるよマジで。ノゾエ征爾のファンになりそうになった。それにしても殺陣のかっこよさと言ったらもう、初ナマ殺陣!すごい。それを撃ち崩す銃声、最高かよ。ざっと出てきてぱっと消える布字幕、あれすごい気持ちよかった。
個人的には阿部サダヲの生歌聴けたから満足。いい声だ。
いろんなところに屈しない、ブラックなジョークなんかも気持ちよくて清々しかったな。舞台の強み。
明日は今日買った戯曲本で余韻に浸ることに。15年の時の変化を読み比べるのもやろうと思う。

あの舞台を動かすのに、どれくらいの裏方さんが回っているんだろうと気になってしまうくらいすごい舞台の仕掛け達。一体あの水深いくら位あるんだろう。
先日、下北沢の本多劇場で観劇した時は最前列だったから、声の響きとか全然考えてなかったけど、今日のコクーンは中二階だったからか、身体の向き、方向性で声の響き方が変わることをすごく感じた。でもしっかり声を通す役者さん達すごい。ドラマとか映画は、マイクが寄ってくるから声を張らなくても拾ってもらえるけど、舞台はそんなに便利じゃない。地声だ。みんなに届く声で「つぶやく」ことが求められたりする。中学生の時の演劇でそんな描写を入れたら、「演劇でつぶやくことはできない」と先生に変えられた。なるほど、プロはできるんだ。

たびたび自分の脳裏に浮かぶのは、15年前見ていない、勘三郎さんの加瀬実之介だ。
当時のレポや記事、関係者の記録や写真を見ながら、戯曲本を読んだだけの自分の中にいるのは、あくまで想像で作り上げた加瀬実之介であり、記憶ではない。
端々に出てくる歌舞伎的要素、実之介のふとした台詞や仕草、見えているのは阿部サダヲの実之介の筈なのに、なんだかそこにはもうひとりいるようで。
それなのに、どうしても、「からっぽだあ!」と叫ぶ姿だけ想像できなかった。実之介のあの声を聴いた時、ゾクッと鳥肌が立った。想像は生を越えられないと感じた瞬間だった。
もしタイムスリップできるなら、15年前の「ニンゲン御破産」が観てみたい。

15年も経てば、歳は取るし、いなくなってる人だっている。同じキャストでの再演なんて不可能だ。
「ニンゲン御破算」は断じて進化ではないと思う。もちろん退化した訳でもない。二番煎じでもない。新しい「ゴワサン」だった。
もしまた再演することがあるのなら、わたしは今日買った戯曲本をもって観劇に行くだろう。あるといいな。

大人計画のオールスター舞台が観たい。あと今年の楽しみは12月のイベントだ。何やるんだろう。楽しいこと待ってます。

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#阿部サダヲ #松尾スズキ #岡田将生 #多部未華子 #演劇 #徒然なるままに

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