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「悪霊狩猟団 カウンターズ シーズン2」 - 漆黒の悪と闇堕ちした善

★★★★+

主演俳優の騒動などで紆余曲折ありましたが、ついに辿り着いたシーズン2。土台クオリティの高い製作陣なので間違いのない出来だとは感じましたが、シーズン1の号泣必至ぶりには一歩足りず★★★★+にしてます。シーズン1同様に各登場人物の周辺エピソードも絡み合いながらではあるものの、主に2人の強大な悪霊との闘いを軸にコンパクトにまとまった12話構成。より戦闘は派手に激しく、舞台は韓国に留まらず(ほぼ韓国ですが)、シーズン2らしい広がりを見せています。

圧倒的に成長を遂げてきたソ・ムン(チョ・ビョンギュ)をエースに据え、元気に任務をこなしているカウンターの面々。ですが刑事に復帰したモタクは2重生活で疲労困憊の状況に。ムンは他のメンバーたちに念力を教え、実力の底上げをはかっていますが、人手不足は否めず早く新人を早く入れてほしいと窿で訴えます。

そんな中、元カウンターのジャンムル会長の会社のキムチ作りに近所の人々が集まります。そこには消防士のマ・ジュソク妻のミンジと来ていました。マ・ジュソクはムンの祖母チュノクがビルの屋上に上がってしまったときに助けてくれた命の恩人でムンも彼を慕っていました。そんなジュソクとミンジに子供ができたという報告にみんな大喜びします。

しかしミンジは2年前に「白頭ダイナスティ分譲詐欺事件」で10年貯めてきたお金を失い大きな傷を負っていました。不安定になりがちなミンジを支えるジュソクー。

一方、舞台は中国へ。中国にもカウンターが存在しており、中国カウンターの4名はとある邸宅にいた悪霊たちと闘いますが相手のあまりの強さに命を落とします。しかもそのカウンターたちの魂を吸い込んだ悪霊は、カウンターの特別な能力まで身につけることに。ムンたちもその話を聞かされます。そしてその最悪な悪霊たちはフェリーで2年前までいた韓国に戻ってくるのです。

実は「白頭ダイナスティ分譲詐欺事件」の背後にいたのがこの悪霊ピルグァン(カン・ギヨン)でした。なんとかお金を返してもらおうとするミンジは、不運にもピルグァンたちに出くわしてしまうことに。ピルグァンは無情にも彼女を手にかけるのです。最愛の妻と生まれてくるはずだった子供の命を突然奪われてしまったジュソクは復讐を考え、善良の象徴のようだった姿は影を潜めていき、やがて悪霊の侵食を許してしまうことに…。

まずシーズン2で俄然能力を高めてカムバックしたソ・ムンは、すっかりみんなに頼りとされる存在になっていました。闘いっぷりも群を抜いてザ・ヒーローの佇まいに。おかげで冒頭からアクションシーンが見応えたっぷりです。超能力と超身体能力を駆使する様子を違和感ない高い質で描けるあたりが本作の魅力。

また今シーズンはとにかくずば抜けて強い敵と、闇堕ちしてしまった友人という非常に困難な相手との闘いを描く物語です。シーズン1に比して重苦しい展開が続いたりもしますが、続編としては黄金パターンというか、ある部分を掘り下げていくような立ち位置の作品になっていると思います。ピルグァンがひたすらに悪役なのと、ミンジが殺されてしまう流れ自体にはそこまでストーリーがないためちょっと深みが物足りなく感じたというのが正直なところですが(なにせ1の人間ドラマが良過ぎた)、シーズンごとの味変はいい塩梅に成されている感。

またカ・モタク(ユ・ジュンサン)、ト・ハナ(キム・セジョン)、チュ・メオク(オム・ヘラン)、チェ・ジャンムル(アン・ソクファン)といったカウンターの面々は相も変わらず演技派揃いで強烈な個性の幕の内弁当状態。新メンバーとして加わったナ・ジョクボン(ユ・インス)はこれまでになかったポンコツ系なのでこれも面白く、あとはピルグァン役のカン・ギヨン!ついこの間、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で優しさと善良さの塊みたいな弁護士上司を本人そのものみたいな勢いで演じていた人が、「あ、この人ひとかけらの人情も持ち合わせてない」と表情から分かるほど生粋の悪になりきっているのが驚きでした(しかも登場からめちゃくちゃセクシー)。

きっちり勧善懲悪な大団円を迎えはするので、シーズン3もありうるのでしょうか。骨子だけ見ればシンプルで分かりやすいヒーローものなので海外カウンターズとの共同作戦とか、マーベル的に世界観を横に広げていくみたいな妄想もできそうです。さらなるソ・ムンの成長物語、真の最強への道も見てみたい、そんな気がします。


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